1995年9月21, 22, 23, 24日  ラ・プロヴァンス

ラ・プロヴァンス、サロンコンサート
フォルテピアノとフランス料理の饗宴

ランチ  12:30開演
ディナー 19:00開演

武久 源造(フォルテピアノ、チェンバロ)   稲富 祐香子(ソプラノ)ディナーのみ   山本 宣夫(フォルテピアノ修復家)


Programme

フォルテピアノ、チェンバロ
武久 源造

ソプラノ
稲富 祐香子

フォルテピアノ修復家
山本 宣夫



ベートーヴェン : ソナタ へ長調 op.10-2

モーツァルト : 「おいで愛しいツィターよ!」 他


フォルテピアノは18世紀初めに発明され、19世紀後半から19世紀前半にかけてチェンバロに替わって鍵盤楽器の主役となった現在のピアノの祖先です。 今回使用されるジョン・ブロードウッドは、1812年にロンドンで作られたスクエアピアノです。 このメーカーは1818年製がベートーヴェンに愛用された事でも有名です。 当時、全く新しいピアノと云う楽器の出現にモーツァルトやベートーヴェンといった人達がその魅力に触発され、数々の名曲を生みだしています。 ところが、現代のピアノとは音量も音質も大きく違った楽器でした。 当然、今よく耳にするモーツァルト等とは違っていた筈です。

この時代は又、フランス料理の世界に於いても新しい大きな進歩のあった時で、現代のフランス料理、菓子類の殆どの基礎が確立された頃です。 今回のメニューも当時の料理人達の考え方を私也に解釈し現代風にアレンジしています。

当時の芸術、文化を支えた王侯貴族の好んだ”音楽と食卓の宴”の再現によって現代の大ホール等でのコンサートでは味わえない醍醐味と優雅さを存分にお楽しみ頂けるものと思います。 また今回は当店に常設してあるイタリアン・チェンバロも使用し、ピアノとチェンバロの違いもお楽しみ下さい。


出演者プロフィール


武久 源造

松山市出身。 東京芸術大学大学院音楽研究科修了。 1984年より国内外で演奏活動開始。 チェンバロ、オルガンを中心に各種鍵盤楽器を駆使して中世から現代までの幅広いジャンルにわたり、豊富なレパートリーを持つ。 1991年よりCDをリリース。発表した6枚すべてが「レコード芸術」誌の特選或いは推薦盤として掲載される快挙を成す。


稲富 祐香子

香川県大川郡白鳥町出身。 県立高松高校を経て、東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業。 オーストリア政府給費奨学生として、ウィーン国立アカデミーに留学。 帰国後、各地で積極的に演奏活動を行っている。 現在、徳島文理大学音楽学部専任講師。


山本 宣夫

堺市出身。 1966年より浜松のピアノ工場で製造を、京都のピアノ修理工場で修復を学んだ後、1975年独立してピアノ工房を設立。 1985年ベーゼンドルファー(ウィーン)で整音を学び、1987年オーストリア国立芸術史博物館にてフォルテピアノ修復作業に参加。 その後、毎年渡欧し修復技術を習得。 これまでにアントン・ワルター(1785年製)、コンラート・グラーフ(1830年製)等、10台以上のフォルテピアノを修復。 これらの楽器を使用し当時の音楽を再現する趣旨でコンサート企画をするためのフォルテピアノ・ヤマモトコレクションを設立する。