1993年2月27, 28日, 3月1, 2日  ラ・プロヴァンス

チェンバロとフランス料理の饗宴
La Concert de Clavecin en harmonie avec notre Menu Découverte

19:00開演


16〜18世紀、ヨーロッパを中心に音楽史上輝かしい活躍をしたチェンバロ。 19世紀にピアノにその主役の座を奪われるまでは多くの人々から愛されていた鍵盤楽器です。 すべてを手作りで完成させるチェンバロは、その音色の繊細さ、外観の装飾の美しさ等、奥の深い芸術性で、再び脚光を浴びています。

当時の宮廷では、食事と一緒に音楽を楽しむ事が最高のおもてなしだったようです。 優雅なその時代を思い描きながら音楽と料理との調和をお楽しみ下さい。


Programme

Clavecin
チェンバロ
武久 源造

Hôte
ゲスト
久保田 彰



F.クープラン :  第8オルドルより サラバンド、ロンドー、パッサカーリア 等
F.Couperin :  par 8em Ordre  Salabande, Rondeau, Passacaglia  etc.

A.フォルクレ :  シャコンヌ、マンドリン 等
A.Forqueray:  Chaconne,  Mandeline etc.

J.P.ラモー :  ファンファリネット、恋の嘆き 等
J.P.Rameau,  Fanfarinette,  Les tendres plaintes etc.


プロフィール

武久 源造 (チェンバロ)

1957年愛媛県松山市で生まれる。 1歳の時、病気で失明。チェンバロを小林道夫氏、鍋島元子氏に師事。 オルガンを秋元道雄氏、月岡正暁氏に師事。1980年東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、同大学院へ進み、服部幸三氏の下で16〜17世紀の西洋音楽における音楽修辞学について研究。 1982〜83年西ドイツ各都市で催された《北ドイツ・オルガンアカデミー》に参加、中世・ルネサンス・バロックの歴史的オルガンの銘器に触れる。 またハラルド・フォーゲル氏より歴史的指使い・調律法・音楽修辞学に関する重要な指針を得る。 1984年より各地で演奏活動を始め、1985年秋には、東京ハインリヒ・シュッツ合唱団と共に東西ドイツ13都市で公演、ブクステフーデのオルガンソロに見せたユニークな解釈に各紙の称賛を集める。 また1991年1月、アメリカのアトランタで開かれた《国際チェンバロ製作家コンテスト》では、審査員の一人として招かれ、彼の見識に対する信頼が高まりつつある。

久保田 彰 (チェンバロ製作家)

1953年東京神田で生まれる。 若い頃から古楽器、特にチェンバロに興味を持ち、1975年に自作第一号を完成。 以来何台かを製作の後、1981年、埼玉県新座市に工房を構え、本格的に製作を開始。 主にフレミッシュ・スタイル(16〜18世紀のフランドル地方 ---現在のほぼベルギー・オランダ--- で製作されたチェンバロの総称)を中心に受注・製作。 一年間に6台程のペースで世に送り出している。 昨年発表された武久氏の2枚のCD収録の際、氏の楽器が提供された他、数多くのコンサート・録音等に使用されている。 現代の日本におけるチェンバロ製作家の第一人者として、高い評価を得ている。 また趣味も多芸で、特にお料理・お菓子作りはプロ並の腕前。 当日は氏が楽器の調律・調整の傍ら、皆様へのワインのサーヴィスを致します。 御期待下さい。


両氏と私達夫婦とは以前より友人として、お付きあいさせて頂いております。 今回、両氏の温かい友情のお力添えで、この様な催しを企画することができました。 両氏は、その世界で日本を代表するお2人です。 音楽はもちろんですが、そのお人柄も素晴らしい方々です。 きっと楽しいお話もお聞かせ下さる事と思います。 両氏の音楽と私の料理 《 Menu Découverte 》 との饗宴で、皆様に素敵なひと時をお過ごし頂ければ幸いと存じます。

店主敬白