ノートの片隅から






大人たちはよく私に問い掛けた。
「貴女の夢は?」
「…別に、特に無いけど。」
そう答える度に、ため息をついていたね。
なんて夢の無い子だ、と。


大人たちはよく私に問い掛ける。
「将来はどうするの?」
少しだけ成長した私は、大人たちに夢を語った。
なりたいモノ・理想の自分・遥か未来に見る己の姿…
そして、またため息をつくんだね。
もっと現実を見なさい、と。






夢のない社会を作ったのは誰?

そんな世界で、私は必死に夢を探したの。





夢を奪おうとするのは誰?

将来の押し売りなんていらないわ。








私は大人たちが望むモノになりたいんじゃないよ。
私が見つけたモノを否定しないで。





大人が思っているほどに、私は子供じゃない。

私は現実を無視するほど愚かじゃないんだ。
全てが思い通りになるなんて考えたりしていないし
夢だけを追いかけているわけじゃない。
大人が思っている以上に、私は私なりに考えているの。




…わかってる。
きっと、私が思っているほどに、私は大きくない。

だから、一度見つけた夢を簡単に手放したり出来ないんだ。
現実を語れるほど人生経験なんてないし
夢を抱いたまま現実を直視出来るほど強くない。
その弱さの中で、もう少しだけあがいていたいの。




泡沫の幻想だと笑わないで。

だって
どんな夢だって、現実にならない確証はないよね。





―太陽が地球の周りを廻ってる―

昔の大人たちの現実より、ずっと現実的なハズでしょ?



3500HITのリクエスト、「夢を追う人」です。
オリャァーってくらい情熱的に夢を追いかけてる話でも良かったのですが
沸々と夢への情熱を燃やしてる話にしてみました。
平凡な女の子のオハナシ風。
イメージとしては授業中のノートの落書きで。
なつめ様、如何でしょうか?

天神美香


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