大人たちはよく私に問い掛けた。
「貴女の夢は?」
「…別に、特に無いけど。」
そう答える度に、ため息をついていたね。
なんて夢の無い子だ、と。
大人たちはよく私に問い掛ける。
「将来はどうするの?」
少しだけ成長した私は、大人たちに夢を語った。
なりたいモノ・理想の自分・遥か未来に見る己の姿…
そして、またため息をつくんだね。
もっと現実を見なさい、と。
夢のない社会を作ったのは誰?
夢を奪おうとするのは誰?
私は大人たちが望むモノになりたいんじゃないよ。
私が見つけたモノを否定しないで。
大人が思っているほどに、私は子供じゃない。
私は現実を無視するほど愚かじゃないんだ。
全てが思い通りになるなんて考えたりしていないし
夢だけを追いかけているわけじゃない。
大人が思っている以上に、私は私なりに考えているの。
…わかってる。
きっと、私が思っているほどに、私は大きくない。
だから、一度見つけた夢を簡単に手放したり出来ないんだ。
現実を語れるほど人生経験なんてないし
夢を抱いたまま現実を直視出来るほど強くない。
その弱さの中で、もう少しだけあがいていたいの。
泡沫の幻想だと笑わないで。
だって
どんな夢だって、現実にならない確証はないよね。
昔の大人たちの現実より、ずっと現実的なハズでしょ?
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