遠い昔
永遠を見ていた
ああ
なんて脆い砂の城
俺達は「楽園」を追われた
例えば、永遠がこの世にあるとするならば
今この一瞬は何の為に存在するのか
唐突に投げかけられた君の問いに
俺は答えられなかった
俺の悩み顔に
君は屈託なく笑う
その笑顔に
俺は思考力を奪われた
何気ない日常に
永遠の影を追い
そして気付く光の姿
君の一瞬のその笑顔
思考力の欠片から
思ったまま紡いだ俺の言葉に
赤く染まる君の顔
俺は小さく笑ってやった
例えば、もし二人が出逢っていなかったならば
今この時をどう過ごしていただろう
不意に投げかけた俺の問いは
君に簡単に一蹴された
「その答えは明白
でも教えてあげない」
得意げに笑う君
そして懲りない、俺の思考力
何気ない出会いに
運命のイトを見る
「今この時」の過ごし方
俺は君を探し出そう
失われた思考力に
弾き出された本能の答え
「人の答えを盗むなよ」
君は照れた笑顔で呟いた
遠い昔
永遠を見ていた
ああ
なんて脆い砂の城
俺達は「楽園」を追われた
追われて堕とされたこの世界で
新しい「楽園」を創ろうか
君が笑える楽園を
永遠などないこの世で
一瞬の君の笑顔
ただそれだけを守る為に
砂の城なんかより
ずっと脆くて儚い
君のその笑顔を…
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