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シープドッグトレーニング Q&A

Q. 日常生活のトレーニングに役立ちますか?
A. 牧羊犬トレーニングの基本は人の指示に、犬が従う事ですから、もちろん役立ちます。
しつけの程度に合わせてスタートしますので、日頃必要なトレーニングも状況に応じて行っていきます。

Q. 問題行動の矯正に役立ちますか?
A. 問題行動にはすべて原因があります。その原因を突き止め、その犬に合った方法でしつけをやり直します。そして、羊を利用して強化していきます。しかし、羊を利用したトレーニングが問題行動の矯正すべてに役立つわけではありません。また、原因により矯正時間は大きく変わります。

Q. 他のトレーニングに比べて犬に厳しいですか?
A. 状況によりますが、恐らく厳しい場面が多いと感じる事でしょう。犬にマテをさせる場面が多く、我慢を強いる時間も長いです。講習の中でつまらない過程の1つ。しかし、それはトレーニングの前半に多く、中盤に入ると犬も人もするべき事が理解できてきます。犬も自ら待てるようになります。ここまで到達すると楽になり、楽しさが増えてきます。

Q. 月にどれくらい通えばいいのですか?
A. 回数が多いほうが当然上達は早いです。しかし、犬は人より忘れていません。マイペースで続けていただいて大丈夫です。現在の平均的な受講間隔は3週間に1回のペースの方が多いいですね。

Q. 始める犬の年齢は何歳が良いのですか?
A. 早くて100日齢、遅くても6ヶ月齢が理想的ですが、当然個体差があります。また、成犬でのスタートでも大丈夫です。子犬と比較すると覚えるスピードが全体的に遅くなるだけです。

Q. ボーダーコリーにも牧羊犬としての向き不向きがあるのですか?
A. あります。判断基準は羊への興味ですね。しかし、この興味が出る時期、そして、その程度は個体差が大きく、判断が難しいです。
特に現在の日本のボーダーコリーは、羊に対する個体差が大きいため、あなたのパートナーの個性に合ったスタイルを伸ばしてあげる事が大切です。

Q. どんな犬が牧羊犬に向いているの?
A. 一言で言うと、羊への興味が強い犬ですね。しかし、この興味がいつ、どのくらいのスピードでどのくらい現れてくるかに判断が大きく左右されます。数回羊に会わせただけでは判断ができないため見極めが難しいです。

Q. 向いていない犬もいますか?
A. 「向いていない犬」と言う、定義を決めないと言い切れない事です。トレーニングを続ければみんなその犬のスタイルで羊をコントロールできるようになります。あえて、「向いていない犬は・・・」、と言うのであれば極端にトレーニングの時間が必要な場合でしょう。仕事で牧羊犬を育てる時には、訓練をするべき犬を選びます。しかし、仕事ではなく、愛玩用の犬であれば、その犬の個性を伸ばした方法を選び、時間がかかっても続ければ、その犬のスタイルで羊をコントロールできるようになります。

Q. ショータイプとワーキングタイプは何が違うの?
A. 系統が違います。ショータイプは主に外見で犬を評価するドッグショーを基準にした系統です。ワーキングタイプは牧羊の仕事が目的ですから、そのために改良が進んでいる系統です。どちらもボーダーコリーですが、それぞれの目標が違いますから、見た目や内面にも違いが現れてきています。
注意::ショータイプ、ワーキングタイプの言葉は適切ではないかも?

Q. カンバイやアウェイの意味は何ですか?牧羊犬専門用語を教えて!
注意: 専門用語ですので、辞書に出ていないもの、意味が異なるものがあります。
注意: 牧羊犬だから、ここにある指示語を使わなければならない。と言う事はありません。指示語は使い易いものを選べば良いのです。そして、犬が聞き取り易いものがお勧め。また、自分が何のために、その指示語を使うのか・・・、明確にする必要があります。つい、同じ動作を要求する時に複数の指示語を使うのであれば1つにしましょう。その反対に、多くの指示語を使いすぎないように、1つの指示語でも抑揚を変える事で動きに変化をつける事が出来ます。
Away to me 羊に対して犬が反時計回りに回る動作の指示語。実際にはAwayだけを使う場合が多い。また、Away to meを短縮して「ウエィトゥミィ」と聞こえる事もある。犬と羊の距離に関係なく使用。
Brace 1組の意。2頭1組で行う競技スタイル。ダブルスと言う場合もある。
Come bye 羊に対して犬が時計回りに回る動作の指示語。犬と羊の距離に関係なく使用。
Cross drive ハンドラーから見て犬が羊を左右に動かす動作。
DrivingまたはDrive ハンドラーから、犬が羊を遠ざける動作。
Fetch ハンドラーへ、犬が羊を連れてくる動作。
Grip 犬が羊を咬む動作。
Lie down 羊に対して、犬の動きが止まる。または動きの早さが落ちる動作の指示語。伏せだけの動作をさせると思いがちだが、抑揚を変えて犬の動く速さをコントロールする。
Lift Outrun後の羊と犬の最初の接触から、羊が動き出す状態。
Outrun ハンドラーの足元から犬がスタートして羊の後方に回り込む動作の指示語。
Pen 羊を入れるための囲い。牧場では特に小さい囲いを指す。
Shedding 1つの羊の群れを2頭以上の複数の群れに分ける事。
Singling 1つの羊の群れから、1頭だけ分ける事。
Starting post 競技会を行う時のハンドラーの立ち位置にある目印。
That will do 犬がハンドラーの元に戻る動作の指示語。ハンドラーの後ろに行かせる動作に使う場合もある。また、「仕事は終わり」の意。That’ll doと略して言う場合が多い。この言葉は「ザッツルド」「ダドウ」などと聞こえる。
Walk on 犬が羊に向かって前進する動作の指示語。他にもWalk up、Steadyを使う場合もある。使い方には種類が多く、「羊に対してゆっくり前進しなさい。」「落ち着きなさい、冷静に、」「羊が動くまで、そのまま」のような状況でも使います。

Q. 牧羊犬トレーニングで大切な事や禁止されている事は何ですか?
A. 大切な事はたくさんありますが、羊への配慮ですね。過度な負担をかけない。牧羊犬は羊をコントロールするために存在しているのです。羊がいなければ牧羊犬なんか必要ないのですから・・・・・。しかし、一人前の牧羊犬にするためにはトレーニングをしなければなりません。練習過程では必要に応じて、羊に負担をかけてしまう内容があります。ですから、牧羊犬トレーニングは羊の事を知らないといつの間にか無理をさせてしまいます。この見極めが難しいのです。

Q. 牧羊犬として犬は何歳くらいまでできるのですか?
A. これも個体差があります。健康に年を重ねれば、目が見えている間は続けられます。当然、体力に見合った動きをさせなければなりませんが、現在の講習会や競技会ならば心配する必要がありません。老犬でも大丈夫。

Q. 犬が一人前になるにはどのくらいの期間がかかるのですか?
A. これも個体差がありますね。要因は犬、人、トレーニング内容・回数により期間は大きく左右されます。英国を代表するようなトップレベルの方は4年と答える方が多いですね。私は今まで、この問いに関して2年と答えてきました。今も同じですが、この違いは一人前の定義が違います。では、4年と言うのはどこが違うのか・・・、これに関しては、いずれどこかで・・・・。
言葉だけの遠隔で羊をコントロールできるようになったところで、私は一人前と呼んでいます。当競技会の上級に出場し完走できれば、一人前の称号が与えられるでしょう。

Q. 羊への反応は親子、兄姉弟妹など、親戚では似るのですか?
A. 似ますね。姿、性格、など、瓜二つのところもあれば、まったく違うところもあります。しかし、犬の場合は・・・。と考えず、人の場合とほとんど同じと考えて良いと思います。

Q. うちの犬は伏せができない(嫌い)のですが受講できますか?
A. 講習会の受講資格はボーダーコリーであるだけですから、心配無用、できるところからスタートします。

Q. うちの犬は他の犬たちと仲良くできません?
A. 犬の一般的なしつけが不十分で、人は一般的な犬のしつけを理解していないだけです。特にこの質問の場合は、犬の社会化ができていないので、段階を踏んで馴らせて行けば大丈夫。

Q. ボーダーコリー以外の犬種では教えて貰えないのですか?
A. 犬種図鑑に牧羊犬種として紹介されていても、その犬種が作出された時代の本来の目的ではなく、現在は愛玩犬としての役割を持ったものがほとんどです。また、現役ではない場合、牧羊犬としての仕事内容が異なります。そこで当講習会では犬種を限定しています。しかし、最近は牧羊国での現役の他犬種を受け入れ始めました。

Q.ここの会員になったら他の講習会に通ってはいけないの?
A. そのような心配はまったくありません。
一通りの基礎が身についたら、人も、犬もいろいろな環境と羊で経験を重ねることをお勧めしています。しかし残念なことに練習施設が少ないのが現状です。

Q. 性差には何か違いがあるのですか?
A. 雄、去勢、雌、避妊、差はありません。ましてや仕事で行うわけではありませんから気にする必要はありません。
今の私の相棒4頭は雄2頭、雌2頭です。体力や物覚えのスピード、羊に対しての性差はありません。また、仕事で24年、ボーダーコリーの訓練や繁殖に携わっていますが、雄だから、雌だからと言う理由で牧羊の仕事に差が出た事がありません。

Q. 愛犬がバテやすい様に見えるが、体力はどのようにつけたら良いのですか?
A. 日頃の体力作りは、住環境により、困難になると思いますが、動と静を意識して犬を動かしてください。他のドッグスポーツと呼ばれているものと比べると犬を動かし続けている場面が長く、また、対象が羊です。無機物と違い犬は自分のペースがつかみ難くなります。体力だけではなく精神的にも疲労します。そこで日頃のトレーニングで動と静を上手く組み合わせます。特に全速力を出す動の動き、激しい息づかいをしている時の静止状態、これは休ませるための静ではなく、次に出る動の指示を意識している静です。詳しい説明が必要な方は講習会で・・・。

Q. ディスクやアジリティもやりたいけど並行しても良いのでしょうか?その頻度は?/
A. まったく心配する必要はありません。好きな事を好きなだけ・・・・・。
気をつけることは人の意識です。今から何を行うのか人と犬の切り替えが出来れば大丈夫。

Q. 普段は良い犬なのに羊を見ると言う事を聞きません。なぜ?どうしたらいいの?
A. 羊に対して、意欲的な場面が現れれば、ほとんどの犬が指示に従いません。この意欲は羊を動かそうとしている理由がほとんどです。この指示に従わない状態を克服するために講習会があります。一緒に頑張りましょう。

Q. 牧羊犬トレーニングを始めたら犬の車追いが現れました。なぜ?治るの?
A. まれに問いのようになってしまう犬がいますが、これも講習過程で現れる状態の1つです。トレーニングを続ければ大丈夫。

Q. 犬のやる気が日によって違うのですが?
A. よくある事です。人も日によって調子の善し悪しがあるのと同じです。しかし、犬のその調子は人がコントロールしなければ一人前のハンドラーとは言えません。飴と鞭を上手く使いましょう。また、犬はハンドラーの意欲に影響を受けます。自分自身が真剣、且つ意欲的に望む必要があります。

Q. 犬が羊のウンチを食べちゃうのですが?
A. ほとんどの犬が自由にさせれば食べてしまいます。これは一般的なしつけにある、拾い食いを止めるトレーニングと同じ方法を行います。講習中でも直ぐに実行しましょう。

Q. 羊を咬んでしまいますが?
A. 犬が勝手に羊を咬む行為は絶対禁止です。しかし、トレーニングの初期ではなかなか止めきれるものではありませんが、これは短時間で止められるようにしなければなりません。海外の競技会では即、失格。しかし、牧場での作業などでは指示により攻撃させる事を教え、必要に応じて、咬ませて羊を移動させる場合があります。

Q. ぜんぜん上達した気がしないのですが?
A. 上達のスピードは個体差が大きく影響します。訓練過程において、劇的に犬が変化する時が数回あります。しかし、ほとんどの場合、進歩が見えません。ひたすら伏せの指示や単調な繰り返しばかりで、犬も人もつまらなくなります。特に犬が羊の前で落ち着くようになるまで、もう1つは左右の指示を理解するまでが大きな壁となります。他のトレーニングと違い生き物相手ですから、毎回同じトレーニングができない場合が多い事も原因の1つです。牧羊犬トレーニングは時間が必要なのです。

Q. なぜ、伏せをさせるの?しないといけないの?
A. 必ず伏せをさせる必要はありません。しかし、特に初期のトレーニングでは、犬を待たせる場合、伏せの状態が一番、次の動作に移り難いためにさせます。ですから、逆の理由で伏せをさせないで犬を止める状態があります。

Q. うちの子、羊の周りを一方向からしか回らないのですが?
A. 理由はいくつかありますが、ほとんどの場合、トレーニングの途中だからです。続けていけば偏りなく指示に従います。頑張りましょう。

Q. うちの子、苦手な羊がいるようで、その羊がいると怖がってしまいますが?
A. これも理由がいくつかありますが、ほとんど場合、トレーニングの途中だからです。続けていけば怖がらず指示に従います。その方法は講習の中で・・・。

Q. 先生だと指示に従いますが、私だと従いません、なぜ?
A. 一言で言ってしまえば、経験の違いです。具体的な状態は、私が羊をコントロールして、犬が動き易いようにしている事。私が壁になり早いタイミングで、次に犬が動くべき方向を教えている事。して良い事、してはいけない事を明確に犬へ伝えている事。しかし、私の指示に従わない犬もいます。人見知りをする犬。ご主人に一途な犬。などは代わりに行う事ができません。

Q. 立ち位置って何ですか?
A. ハンドラーが立っている位置の事です。この位置は遠隔まで行くとほとんど重要性がないのですが、トレーニング中は大切です。この場所が自ら判断できるようにならないと、ステップアップができません。特につまずく方が多い過程が左右の段階です。

Q. 自分が何をしているのか、良くわかりません?
A. 受講中にこのようになったら、どんどん聞いてください。皆さんが解っていると思い込んで進んでしまいます。理解して行わなければ犬の動きが悪くなってしまいます。

Q. 何を聞いたらいいのかわかりません?
A. 今、何を、何のために繰り返しているのか、理解するまで説明いたしますので、必ず聞いてください。伝えていただかないと、理解していると思い込み、進んでしまいます。

Q. 復習コーナーで気をつける事は何ですか?
A. 利用時間の厳守。
それは、羊・犬・人の体力・気力を維持するためです。また、羊に負担をかけないように心掛けましょう。ついつい、犬の事ばかりに集中してしまいます。犬によって羊を動かしているのですから、もっともっと羊を観察しましょう。そこでこのコーナーは最長で10分と言う時間を設定しています。その日の状況(天気・人・羊・犬)で時間はもっと短くても構いません。
また、復習コーナーですから、経験の少ない方は今までのトレーニング以外の事にチャレンジするべきではありません。思わぬ事故につながります。

Q. どのくらいで、復習コーナーが利用できるのですか?
A. 明確な基準を設けている訳ではありませんが、次の3つの事が大切になります。
犬が指示で待てる様になっている事。
ハンドラーが羊の動きを多少読めるようになっている事。
ハンドラーが立ち位置を意識できている事。