一年早い人口減少時代への突入

               

平成17年 8月 1日  
大阪府議会議員 酒井 豊

 

  先月27日、総務省より、2005年3月末時点での人口調査の結果が発表されました。この調査によると、日本の総人口は1億2,687万人、前年同期比で、0,04%増といよいよ伸びが鈍化、さらに、都心府県でも、これまで続いてきた人口増加にブレーキがかかり、とりわけ関西圏では、初めて人口がマイナスに転じたそうです。大阪府の人口も、865万人、前年比0,01%のマイナスとなり、予測より1年早い人口減少時代への突入です。

一方、同日、厚生労働省は2030年の労働力人口が、2004年に比べて、最大16%減少するとの試算を発表しました。そして、その結果、2015年から2030年の実質経済成長率は平均で0.6%程度に止まるだろうとのことです。すでに、労働力人口は1998年をピークに6年連続で減少を続けていますが、総人口の減少が、一層この傾向に拍車をかけることになるようです。

さて、問題は、このことから予測できることは、人口の減少イコール国力の低下につながるということです。すなわち、人口の減少は、労働力の減少となり、労働力の減少は生産力の低下となり、生産力の低下は経済の縮小をもたらし、一方で負担の拡大が社会の活力を削ぐというような悪循環をもたらすこととなり、つまるところは、国力の低下と国民活力の低下につながるということであります。
  さらに、問題は、このことが国だけの問題ではないということです。人口の減少は、おそらく地域にとっても、深刻な経済競争力の低下をもたらす、とりわけ、負担増と生産力の低下というダブルパンチは、地域経済に甚大な影響をあたえるのではないかと推察されることです。

これまで、どちらかと言えば、人口問題は社会保障費の負担問題としてとらえられてきましたが、実は超特大の経済問題であるということを、社会全体が、しっかりと肝に銘じておかなければならないのではないかと思います。少子化時代、少子化対策と、声高に言われますが、この人口減少問題が本当にどこまで理解され、そのための施策が整えられているのか、改めて大阪府の施策もしっかりと検証し直さなければならないと思っています。

 

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