平成18年新春に思う

 

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  新年明けましておめでとうございます。

  さて、バブルがはじけた後の長い長いトンネルもどうやら終わり、日本経済にも新しい時代がきたようであります。私たちの大阪も、各種経済指標を見ても、やっと明るさを取り戻しつつあるようです。そういう意味では、日本も大阪も久方ぶりの新年を迎えたのではないかと思います。

  いまさら申し上げるまでもありませんが、この10数年の日本の政治経済の最大の課題は、バブル後遺症からの脱却、いわゆるデフレスパイラルという姿の見えない敵との壮絶な戦いでありましたが、どうやらこの戦いも峠を越したようであります。こうした意味で小泉政権の五年にわたる構造改革を改めて検証すれば、極めて大きな成果を残したのではないかと思います。どんな良い事でも朝礼暮改であっては何の効果もあげられません。小泉総理の頑迷なまでの政策遂行による政治運営が今日の景気回復をもたらしたことは間違いのない事実であろうと存じます。

  さて、それではこれからの日本の国はバラ色の時代を迎えるのかと言えば、残念ながら、決してそうではありません。私たちはこれから人口減少社会という、今までどの国も経験したことのない未知の時代に突入するのであります。年金や社会保障、そして突き詰めれば、国の力という問題にまでつきあたる、大変な時代を迎えようとしているのであります。これからの国の政治や地方の行政の大命題は、まさに、このことにどう対応するのかということに尽きるのではないかと存じます。

  小泉改革の小さな政府とは、日本の行政の高コスト体質を改革する為でありますが、つまるところは、これからの少子高齢社会、そして人口減少社会への備え、一里塚であるとも言えるのではないかと思います。

大阪府も、昨年のりんくうゲートビルの会社更生法による整理で、バブルの負の遺産問題もほぼかたづけ、担当の企業局もこの3月で廃局することにいたしました。また、昨年の府立3大学の統合独立法人化に続けて、府立の5病院もこの4月から独立法人とすることにいたしております。職員二割削減を目標に平成13年度から続けてきた第3次の行政のスリム化も、これで平成13年度当初15、600人いた府職員が、の四月には約11、000人になる予定であります。そして、最終年度の平成23年には9、000人にする予定でありますが、一方で、今まで思ってもみなかった新しい行政課題がどんどん起こってきています。安心、安全の問題はその最たるものと言わなければなりません。外郭団体の半数削減や行政改革の推進で、大阪府の行財政も随分変わりましたが、他方、三位一体の改革や地方交付税の削減などで、まだまだ府財政の厳しさは続くと考えなければなりません。私たちは、府財政の再建に邁進することはもとよりでありますが、真に大事なことは、これからの時代に対応できる強い府政の実現にこそあると思っております。そのためには体力を蓄えねばなりません。そして可能なかぎり行政のスリム化を図り、政策実現の財源を生み出す努力をしなければならぬと思っています。

  大阪市も、自らの身を削り、市政改革へ走り出しましたが、改革実行はまさに本年が正念場であります。

  大阪府、市が足並みを揃え、体力のある府政、市政を確立できる時、大阪は真に新しい時代を迎えることが出来るのではないかと思っております。