児童虐待を防ぐため、組織体制の見直しを ー子どもの安全対策についてー

(平成16年4月  自民党府議団便りより)

 

   今年1月、岸和田市でおきた児童虐待事件について、自民党について、自民党府議団は現地視察を実施し、同事件が、決して特殊な条件のもとで起きた事件ではなかったとの認識で一致した。これをふまえ、3月の定例議会では、同事件の責任の所在を追及するとともに、再発を防ぐため「大阪府子どもの権利条例」を制定することや、地域住民と連携した子どもを見守る体制をつくることなどを求めた。

   今回の視察を通じ、同事件ではなぜ担任教諭が強引にでも被害者の生徒に会おうとしなかったのか。△保護者から強い反感を受けたのなら、その報告を受けた校長がなぜ動こうとしなかったのか△生徒指導教諭は、虐待の疑いを子ども家庭センターに報告後、なぜ確認しなかったのか―――など、学校側の対応に多くの疑問が残った。

    一方、子ども家庭センターについても、立ち入り調査等、なぜ適切に対応できなかったのかという問題が残った。関係者が児童虐待防止法を遵守していれば、事件は防げたのではないか。現場の意思決定の責任があいまいな現在の体制では、今後もこうした事件が繰り返される恐れが十分にある。学校の管理運営を検証し、責任体制を明確にすべきだ。一方、子ども家庭センターについては専門機関としてどこに問題があったのかを調査し、今後の対応について明らかにするとともに、職員一人あたりの担当件数が年間200件もあるという組織体制を見直さなければならない。

「権利条例」の制定を求める

   また、このような事件を二度と起こさないことを府民に対して宣言し、子どもの健やかな成長、発達を願う「大阪府子どもの権利条例」の制定を求める。虐待問題以外にも、15歳以下の子どもを狙った連れ去り事件の増加や、子どもへの暴行事件が頻発している。特に連れ去り事件の大阪府における発生件数は、昨年全国トップだった。子どもの安全について、より積極的に取り組まなければならない状況にあるといえる。地域住民との連携による子どもを見守る体制づくりのほか、連れ去りを想定した訓練の実施、子どもの自己防衛意識を高めるプログラムの導入、危機管理専門家の学校派遣、家庭への呼びかけなど、安全対策も充実させていくことが必要だ。

 

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