削減幅縮小の修正を実現

                      −私学経常費助成、授業料軽減助成の見直し−

  私立学校の重要性  認識を

 私学助成(経営費)の見直し

 私学も公教育の重要な一翼を担っており、公立と同じように教育を行う条件を整えることが必要だ。特に大阪では、これまで公立と私立の学校が互いに努力、競争をし合いながら公教育の向上を図ってきた。

 橋下知事は就任した直後の初めての2月定例会で、自民党府議団の代表質問に対し「今後、公立学校と私立学校が切磋琢磨し、次代を担う子どもたちに多様で良質な教育サービスが提供されることを期待する」と答弁したことで、公立学校だけでなく私立学校の重要性も認識している、と理解していた。

●私学の経営を直撃

 しかし、大阪維新プログラム案において私立学校の経常費助成については「高校・専修学校高等課程等は10%の削減、中学校・小学校は25%の削減、幼稚園は5%削減」との考え方が示された。

 このままでは、私学の経営を直撃し、授業料に転嫁されてしまう可能性があり、そうなれば、授業料軽減助成の負担増と相まって、保護者に対し二重の負担をかけることなる。また、私立幼稚園の経常費助成の削減に加えて平成21年度から3歳児保育料軽減助成の所得制限が導入されようとしている。これは、幼児教育の無償化を国が検討している流れに逆行するものである。

●3年間の時限措置に

 大阪維新プログラム案では、平成20年度から22年度までの3年間を集中改革期間と定め、その期間内で新たな財政構造改革に着手する。私立学校・私立幼稚園の経常費助成の削減についても、保護者への転嫁がなされないようにするための配慮から、3年間の時限措置とし、削減率についても大阪の公教育をさらに充実させる観点から、再検討を行うべきである。

 授業料軽減助成の見直し

    授業料軽減助成については「自由な学校選択の実現の支援」を目的に創設された経緯がある。教育の機会均等の保障や公立・私立を問わない自由な学校選択を支援することは行政の当然の責務である。

しかし、大阪維新プログラム案で示された授業料軽減助成の見直しは、公私間における保護者の負担格差を増大させ、比較的所得の低い層への相対的な負担が増し、私学を希望する生徒の進学先の選択に大きな影響を及ぼす。

したがって、授業料軽減制度の見直しにより、生徒の進学先の選択の幅が狭められないよう、比較的所得の低い層へは格段の配慮を行うべきである。

7月臨時議会での自民党府議団の浅田幹事長の代表質問をはじめ、府議団各議員の主張を受け入れ、橋下知事は当初提出した予算案を次の通り修正し、賛成多数で可決された。

1、私学経常費助成 幼稚園について5%削減を2・5%削減とする。所要財源は2・8億円程度(一般財源2・3億円程度)

2、私学授業料軽減助成(平成21年度から) @430万円層までは現行水準を維持するA所得制限は540万円を680万円に引き上げるB430万円から680万円層については表の通り。

 

現行

維新案

修正案

生活保護

35万円

35万円

35万円

〜288万円

25万円

25万円

25万円

〜430万円

18万円

〜500万円

18万円

12万円

15万円

〜540万円

12万円

10万円

〜680万円

6万円

〜800万円

削減効果額

22.9億円

13.8億円

 

 

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