民間人校長辞任問題「府教委の対応を追及」

                       −教員が人権救済を訴え−


  3月23日に府立高津高校教員10人が「校長から暴言や恫喝(どうかつ)を受けた」として大阪弁護士会に人権救済を求めた。これを受け民間人校長は3月31日に辞任したが、「多くの事実誤認や誤解がある」として反論している。民間人校長の登用を主張してきた自民党府議団は5月定例府議会で、問題を知りながら事態収拾に動かなかった府教育委員会の怠慢な対応を厳しく批判した。

 

●事態を放置した府教委

 教育委員会は、人権救済申し立ての動きを1月15日に把握していたが、その後2か月間も放置していた。また今日(5月30日)まで5か月もの期間がありながら、いまだ事実の調査中という状況は到底納得できるものではない。

 これまで改革に背を向けてきた教育現場に民間人校長を送り込めば軋轢(あつれき)が生じるのは火を見るより明らかで、校長と教員が反目することがないよう、なぜ十分な支援・指導体制がとれなかったのか。特定団体の圧力でもあったのか。教育委員会のあり方そのものに疑問を抱かざるを得ない。

 

●教育の基本がないがしろに

 今回の事件では、「子どもたちのため」「主役は子どもたち」という教育の基本がないがしろにされている。

 また、高津高校の名前がマスコミに取り上げられ、「セクハラや恫喝」など教育現場にふさわしくない言葉が踊り、生徒たちの心を深く傷つけた。人権救済を申し立てた10人の教員はいきなり学校外に訴え、記者会見までして高津高校の名を世に知らしめる必要がどこにあったのか。なぜ生徒たちを傷つけない方法で解決が図れなかったのか。残りの43人の教員はこの事態をどう見ているのか。

 今後もこのような申し立てが軽々しく恣意的に行われることになれば、学校現場は改革どころではなくなり、子どもたちのためにはならないと懸念する。

 

●調査結果を至急明らかに

 我が党は、民間人校長制度がマネジメント感覚を吹き込むものとして高く評価しており、今後、公立の小中学校への導入や民間人教頭制度の導入も進めていきたいと考えている。

 我が党議員の質問に対し、歯切れの悪い答弁、事態収拾に動こうとしなかった教育委員会、行政委員会を所轄する知事の責任は当然である。こうした事態を招いたことを反省し、調査結果を至急明らかにするのが教育委員会の責務である。

 もし、隠ぺいされるようなことがあれば、昨年からの教育委員会の不祥事に対する反省は、何らなかったと言わざるを得ない。

 

 自民党府議団は今後も本件の推移に注目し、民間人校長の推進をはじめ教育改革に積極的に取り組んでいく。

 

 

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