定数減でも人件費増加 教員の年齢構成も高齢化が進行 −

  (平成8年3月  文教常任委員会より)

  酒井府議   小・中・高校の生徒の減少という中で、公教育にこのことがどんな影響をもたらしてきたか一。

  真田教委総務課長   児童生徒の急増期から減少期に転じた影響は、教育活動については、より質の高い教育が求められるようになったこと、一方、教育条件では教職員定数減少で、教員の年齢構成でも高年齢化が進行、学校施設では将来的には一時的に余裕が生じることが予想される。

  酒井府議   教職員定数の今後の見通し、新規採用はどのように推移しているか。

  今川教委教職員課長   児童生徒の減少に伴い、定数改善を含め、毎年1千人程度の定数削減に努めている。見通しとしては、今後10年間に小学校約800人、中学校約1600人、高校約1700人程度の定数削減が見込まれる。
 
新規採用教員では、教員の適正な年齢構成を確保するなど、計画的な新規採用教員の確保に努めたい。

酒井府議   改めて伺いたい。府の現在の小・中・高校の教員年齢構成と平均年齢などお答え願いたい。また見通しについて。

今川教委教職員課長   平均年齢は平成7年5月現在で、小学校43.2歳、中学校41.7歳、高校42.6歳です。年齢構成では10歳刻みで見ると、小学校で一番多いのが40歳代で全体の67%、次いで30代の17%、50代12%、20代4%の順です。中学校でも多いのが40代で全体の47%、次いで30代37%、50代12%、20代4%。高佼でも40代が一番多く全体の46%、30代34%、50代18%、20代2%となっております。
 職員の年齢構成の見通しは、40歳代が圧倒的に多いので、これら教員が定年退職する平成17、8年ごろまでは高齢化が進行すると見込まれる。それ以降は徐々に平均年齢、年齢構成とともに若年化していくことが見込まれる。

  酒井府議   教員の高年齢年化と人件費、定数と人件費の推移、あわせて教育委員会の予算に占める人件費の割合はどうか。

  真田総務課長   定数は毎年減少し、平成8年度までの11年間に9904人減少。人件費の推移は、この10年間児童生徒数が減少し、定数が毎年減少しているにもかかわらず、毎年増加している。
  教育委員会の予算に占める人件費の構成比は平成8年度で93.5%です。

  酒井府議   定数は減っても人件費は伸びる。今後の人件費の見通しは…。

  真田総務課長   平成8年度ペースで推計すると、平成8年度は6370億円が16年度には7155億円と予測している。

  酒井府議   教員構成は10年後には50歳から60歳のところに70〜80%と集中する。高齢集中という状況が生まれる。人事面、人件費の問題をどのように受けとめているのか聞きたい。

  今川教職員課長   平成17〜18年ごろまでに高齢化が進行する。教職員の適正な年齢構成の確保、財政負担の軽減のための勧奨退職を促進していきたい。

    酒井府議   大変な状況を抱えてくるわけで、勧奨退職制度の問題、退職した教員の受け皿、再雇用制度はどうなっているか。

  今川教職員課長   退職金については知事部局同様に50歳から59歳までの定年前の早期退職者に10%〜20%までの特例措置を講じている。再雇用制度は非常勤特別属託制度を整備、高校では独自の制度として特別講師制度を設けた。