老朽施設更新に多額な費用 水道料金安定は大丈夫か     

(平成14年3月企業水道常任委員会より)

  酒井府議   水道部について尋ねたい。13年度2月補正案で累積黒字24億円を計上している。16年度末に赤字解消の予定が計画より早く黒字になった理由は。

  山田滋経営企画室経営企画課長  人件費の削減ははじめ経営努力により48億円の費用を削減したのと低金利などで費用が減少した結果である。

  酒井府議   累積黒字が拡大する見込みをされているが、水道事業経営はどのように推移する見込みか。

  山田経営企画課長  人件費や効率的な運転による動力費などの経営努力が今後も見込まれ、安定的水源水質の状況など変化がなければ、黒字基調が続くと思う。

  酒井府議   維持管理で老朽施設の問題がある。最初の一拡とその後では、かける費用が違う、それらの問題と把握について問う。

  山田経営企画課長  電気設備などの定期点検で老朽度把握も可能だが、管路は地中に埋設され、常に満水状態で点検は難しい。漏水があった管路については原因調査を徹底し、実態把握に努めたい。

  酒井府議   多額の費用で施設整備への投資を行ってきたが、施設も老朽化してくる。更新するとしたらどれくらいの費用が必要か。

  山田経営企画課長  施設整備を順次行っている。現在、物価上昇を考慮すると資産価値は約1兆円となっている。今後、これらの施設の再建設となると、資産額に近い費用がかかるものと思う。

  酒井府議   仮に、現状の耐用年数で考えた場合、施設更新は単年度でどれくらいのものとなるか。

  山田経営企画課長  近年では設備診断技術を用い、保守点検施設の延命に努めている。効率的効果的な施設更新事業を進めていきたいと思っている段階で、しかとした計画を持ち合わせていないので明確なお答えをしがたい状態である。

  酒井府議   維持管理費の中で、老朽施設の対応分とその他を分類するなど、会計的に集計されていないようであるが、それに対する見方、将来どのように考えるか水道部長に問う。

  立花一郎水道部長   お示しの通り、中長期的スパンの更新計画を持つべきと考える。優先順位の検討や機能改良など総合的な施設の更新計画を早急に検討する。

  酒井府議   水道の経営システムは、ある程度原価がかかる、それで料金設定してランニングしていく、赤字が出てくると料金改定するという、循環システムで来たが、これからの時代、料金体系を据え置くことを基本に、今後起こってくる問題を解決するということでないといけない。管理者としての考えは。

  鹿嶽宰水道企業管理者   先を見通したご指摘、ご提言、示唆をいただいた。老朽化への対応は、早急に実態把握し、適切な更新計画の策定にかかる、万全を期するに必要な経費の明確な把握を行い、経営努力に努め、現在の料金水準を維持することを第一義とし、安全で良質な水、安価で安定的供給の課題の実現に努力していきたい。