皆んなが特別昇給する制度の再検討を!

平成10年決算特別委員会より

府議会決算特別委員会は、4月28日に開かれ、酒井豊府議は職員の給与問題で昇給の適用除外の基準、普通昇給と特別昇給の違いについて質しました。

酒井府議   昇給の適用除外基準があるが、見ていると普通昇給と特別昇給の大きな違いは、基本的には特別昇給の場合、懲戒処分の日から1年を経過しないとか、60歳以上、採用後5年経過しない職員、これは普通昇給とは特段変わった点として指摘されている。
  それ以外の部分で、より特別優秀な職員ということで、特に良好な職員ということが、判断基準になっている。普通昇給は毎年12ヶ月上っていく。特別昇給の場合はそれぞれの所属長が判断するとあるが、実際の運用はどういうようになるのか。

 小谷職員課長   特別昇給を決定する手続面のことも含めて説明します。各所属長が毎年6月1日現在に在職する職員のうち、特に勤務成績が良好な職員を特別昇給者の候補者として内申している。それは職員定数の30%以内で、お示しの特別昇給に該当しない職員は、採用から5年を経過しない職員、休職中、懲戒処分を受けて1年を経過しない職員、欠勤日数等々の職員で普通昇給よりも厳しい基準になっている。
 
所属長が毎年30%の範囲内で良好な職員を内申、30%の範囲内で毎年ということになるので、結果として順番に特別昇給を受けることになる。適用除外職員以外の職員については、3年間で1回は特別昇給を受けることになる。

 酒井府議   普通昇給は毎年昇給され、特別昇給は何年かすると適格要件を欠いた方以外は全部対象になる、こういう運用をされているとお聞きした。人事委員会は、成績主義を反映した給与制度、現在それなりの成績主義がされていると、こう云っているが、実際の運用はそうではなく皆公平に昇給していく。逆の立場から言うと、公務員という立場が、どう成績を評価するんだという問題について非常に難しい部分があるということのあらわれでもあると思う。その中で能力主義とかいろんなことをやっていこうじゃないかということを議会で議論されて人事当局でもそれを模索していこうと。ところが実際はこれが現実なんですね、そうすると、それじゃどうしていくんだということになるわけでその辺はどうでしょうかな。

小谷職員課長   職員の業績や能力を適格に評価し、給与面で反映させることは勤務意欲向上から重要であろうと思っている。単に数値のみによる客観的な評価基準の設定が難しい面もあるが、今後そういった制度のあり方について検討していきたい。

酒井府議   かって運短の是正問題があった。特別昇給を毎年実施していた。それを割って実施していたという経緯があって議会から監査請求が起こって、そして監査委員会の意見が出て是正が図られ、当分の間というのが、今日まできている。府全体の人件費の問題、まず基本的なこれからの公務員のあり方としてどう考えていったらいいんだろうかというところ辺りをどのように受けとめておられるのか。

倉内職員長   成績を上げる者がそれにふさわしい評価を受けて処遇されることは、給与制度の中で一番基本的な大切なことであると思う。
 
9月定例府議会を目途に制度改正をしたい。合理的な給与制度を確立することが必要で、今後真剣に、早急に検討を進めたい。

酒井府議   公務員という立場の中で、その成績というのをどう評価するかというのは本当に難しいシステムだと思う。一生懸命やっていただく皆さんをサポートするシステム、意欲を持っていただくシステム、ひとつ真剣に考えていただきたい。実態は過去決めたらずうっとそのままでいる。新しいこれからのあり方の模索をぜひお願いしたいと思う