温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

白田温泉/夢花(★★★★★)
夫婦2人で切り盛りしている、ひと組(1グループ)だけの、源泉かけ流しのお宿

この宿を選んだ理由(わけ)

じゃらんnetでたまたま見つけ、源泉かけ流しで1日1組だけの宿、そして、部屋や露天風呂から海がまじかに見える素敵な眺望・・・窓の外にはウッドデッキもあって、のんびりとした休日が過ごせそう・・・と思い、早速、宿に電話を入れました(じゃらんでは空きがなかったので)。すると、6ケ月先まで土曜などの休前日は埋まっているとのこと。やっと、2月の飛び石連休が空いているとのことで、そこに連泊することにしました。


●今回の料金 1泊2食/平日(2名)で18000円  休前日(2名)は19000円
●所在地 静岡県賀茂郡東伊豆町白田1733-60 
●電話 TEL0557−23−2031
●交通 ◆車の場合:東名厚木出口→小田原厚木道路経由R135 or 東名沼津出口→R1→R136→伊豆中央道→R136河津経由→R135
●食事 夕食・朝食とも部屋食
●風呂 源泉名 白田25号 ナトリウム塩化物硫酸塩温泉、源泉かけ流し(高温度の温泉のため、加水することがあります)、内風呂1、露天風呂1浴場2(男女別)
●施設 羽毛布団、液晶テレビ、冷蔵庫、シャワートイレ、車椅子トイレ、マッサージチェア
●イン/アウト イン15:30/アウト10:00
●宿泊日 2010.2.4-6(2連泊)
●URL http://www1.ocn.ne.jp/~yumehana/15.html
じゃらんフォトギャラリーl

■温泉

源泉は、白田温泉から引き湯をしているそうで、ナトリウム塩化物硫酸塩温泉。透明の肌にしっとりとしたお湯です。内風呂は2人でちょうどよい位の大きさのお風呂。露天は2人でちょっときついくらいの大きさのお風呂でしょうか。ただ、源泉の温度が熱く、かけ流し放しにすると、けっこう熱くなるため、2つの浴槽とも、自分で水栓(黒:源泉、赤:お湯、青:水)をひねって、源泉や水を調節できるようになっています。露天から正面に大島が見えます。晴れていれば、青い海に、まじかに広がる大島・・・きっとすばらしい眺めでしょう。(今回は2連泊したにも拘らず、雨や曇りで残念ながらはっきりは見えませんでしたが…)



■部屋

1軒の家が、厨房(スタッフルーム)を除き、すべて自由に使えるといった感じ。玄関の引戸を入るとまず、ロビー(いろりのテーブルを囲んだ椅子)があって、廊下が伸び、和室、洋室(ベッドが2つ置かれた10畳ほどの寝室)への入口があります。トイレは、普通サイズと広い(車椅子でも使える)のがもうひとつ。そして、お風呂は、脱衣室の奥に、内風呂と露天風呂。和室は14畳で、天井は梁が見え、よく南国にあるような扇風機が回っています。テーブルが2つ横に並べられていて、奥のテーブルは掘りごたつでした。そして、うれしいことに、マッサージチェアと乗馬フィットネス機器が置いてあり、使いたい放題です。窓は大きく、本来なら、正面に大島を初めとする三宅島、新島などの伊豆七島を望む海が一望だそうですが、あいにくの天気で、海と空の境目がわからないくらいの時もあったほどで、ほんの一時、大島や利島などを見ることができました。窓の外は洋室まで通しの広いウッドデッキになっていて、リクライニングチェアや小さなテーブルと椅子のセットも置いてあって、晴れて暖かい日なら、風呂上がりに外でビールなど飲むのも素敵だったでしょう。冷蔵庫の中に入っている水とソフトドリンクは無料とのこと。・・・2Lサイズの天然水のペット、缶の梅ジュースが2つ、缶のウーロン茶2つ。ただし、アルコールは有料(ビール大瓶600円、ワイン小瓶/赤500円・白900円250ml×各1本、缶ビール2本、缶の焼酎サワー2本)。あと、生ビールも注文(600円)できるようでした。お値段は良心的。また、冷蔵庫は洋室にもあり、同様の飲み物が入っていました。和室や洋室にそれぞれお茶セットが用意されていますが、廊下に自由に飲めるお茶セットや紅茶・インスタントコーヒーのセットも用意されており、本当に至れり尽くせりです。


■料理

夕食は、自由に決められるようですが、基本は6時半から7時くらいの間ということでしたので、1日目は6:30から、2日目は7:00からにしました。1日目はお腹を空かせてから望んだので、けっこう最後のご飯まで食べられましたが、ボリュームが多く、なかなか最後の雑炊までいきつける人は少ないようです。まず運ばれてきたのは前菜。こちらは、けっこうワインに合うような料理。そして、ほどなく、刺身の舟盛り、本物のわさび、金目鯛の煮つけ、釜炊きご飯と漬け物、いかの握り寿司(2カン)、ホタルイカの酢の物がいっきに運ばれ、びっくり。。。さしみはやはり伊豆の本場だけあって美味しいです。また、2人にしてはけっこう大きな金目鯛でしたが、ふっくらととってもおいしく、「お腹一杯になったら残して構わないいんですよ」と言う奥さん(女将さん)の言葉もなんのその、けっこうペロっと食べてしまいました。そして、少し間をあけて、揚げたての天麩羅と、打ち立て・切り立て・茹でたてのお蕎麦、鴨鍋と雑炊用の生卵が運ばれてきました。1日1組のためか、まだ食べ終わらないうちに、どんどん次の料理が運ばれてくるので、テーブルの上には豪華に料理がこれでもかと並んでいる状態になります。どれから食べようかと迷いつつ、なるべく暖かいものから手をつけていきました。鴨鍋のつゆも、とってもおいしかったです。また、釜炊きのごはんはおこげがあってやわらかくおいしいので、もうけっこうお腹がいっぱいなのに、まずは漬け物で1杯食べ、次に鴨鍋の後のぞうすいでまた1杯。。。。最後は、もう食べきれず、ぞうすいが少し残りました。。。食べ終わったら部屋にある電話の内線で告げるシステムになっていて、電話をすると、片づけと共に、デザートのいよかん2種類(1ケづつ)と伊豆の「蔵宝珠」という菓子が2つ運ばれてきました。でも、いよかんを1ケ食べたら、もうお腹は破裂寸前・・・もうギブアップでした。



朝食は、8:00〜8:30が基本のようで、2日間とも8:00にしました。前日の夕食であれほどお腹がいっぱいになっていたにもかかわらず、朝になるとまた不思議にお腹が空いてくるものです。1泊目の朝食は、まず、野菜ジュースのグラスが運ばれてきました。次に、家庭菜園で育てた生野菜・フルーツ・チキンスティック・卵焼き・たらこなどが入ったプレート。そして、夕食と同じく釜でたかれた十穀米、さざえ、金目のみそ焼き、ベーコン・チーズ・じゃがいもなどの入ったココット、イセエビの入ったお味噌汁、漬け物。特に、自家製で漬けたという金目のみそ焼きがとってもおいしかったです。朝食も、見た目以上にけっこうボリュームがあり、食べているうちに、かなり苦しくなってきました。また、朝食後は、コーヒーか紅茶が選べるようになっていました。



2日目の夕食は、前菜はやはりワインに合いそうな、焼き野菜。これが、小さなにんじんが2種類あったり、小さなかぶが2種類、小さなキャベツのようなものがあったりと、とってもかわいらしいミニ野菜たちが塩焼きになっていて、とってもおいしかったです。あとは、金目と中トロの握り5カン、かじきまぐろとあわびのさしみ(あわびのキモとエンガワ付き)、わさび、釜炊きごはんと漬け物、さざえの酢の物が運ばれ、間をあけて、山菜の天麩羅(たらの芽、ふきのとう、干し柿)、蕎麦がきと牛肉の入った鍋。そして最後に、チョコレートケーキでした。やはり、伊豆だけあって、さしみは新鮮でおいしい。特に、めかじきのさしみと、中トロのお寿司はとっても美味しかったです。また、鍋物のお汁が、2日目もとってもおいしい。2日目は、量より高級感のある素材重視といった感じで、1日目ほど、お腹がいっぱいにならずに済みました。



2日目の朝食は、まず、完熟トマトジュース。そして、生野菜・フルーツ・ヨーグルトなどがのったプレート、いかのさしみ、白身の魚やぎんなんなど入って盛りだくさんのかぶら蒸し、釜炊きご飯、さばの塩焼き、細長い長方形のお皿にかわいらしく盛りつけられた何種類もの漬け物。そして、少し間をおき、豆腐のステーキ、しじみの味噌汁が運ばれてきました。特においしかったのが、豆腐ステーキ。初めてつくられたとのことでしたが、オリーブオイルで焼いたという豆腐ステーキの上に、カリカリになったちりめんじゃことネギが薬味としてのせられ、これがまたとってもおいしい・・・。さっそく作り方を聞いて、家でも食べてみたいと思いました。2日目の朝食も、やはり盛りだくさんのおかずでかなりの満腹となり、せっかくの釜炊きごはんがおいしいのに2杯目を頂けず、残念無念です。食後のコーヒーには、1日目は一口サイズのチョコでしたが、2日目は、ボリューム感のある北海道のロイスチョコがついていました。

■接客 ご夫婦2人でやられている宿です。チェックイン時は、ご主人が出てこられ、部屋やお風呂の案内をして頂きました。いつもはたいてい旅館に泊まっていて、こういう個人で経営されている宿で1日1組というのは初めてだったので、最初は勝手がわからず、こちらもとまどいながら案内を聞き、最後は和室に通されました。奥さん(女将さん)には夕食の配膳時に初めてお会いしました。とても気さくな方です。お二人とも、しゃべりすぎるというわけでもなく、こちらが質問したり話しかけたりすると、丁寧に答えて頂け、程よい感じの接客だと思います。1軒の家にスタッフルーム(厨房)と客室が同居しているので、プライベートはどんなだろうと思っていましたが、基本的に食事の配膳時や片づけ以外には、客室には入って来ないようにしているようで、プライベートは守られていました。(追記)宿泊の1ヶ月前くらいでしょうか?ご招待の丁寧なお手紙をいただきました。泊まった後も、1週間後くらいにお手製のお葉書が。細やかな心遣いに感謝でした。

■その他 部屋にマッサージチェアと乗馬フィットネス機器が置いてあったのは良かったです。天気も良くなかったので、けっこうこの2つは使いました。また、あいにくの天気だったため、よく奥さん(女将さん)と翌日以降の天気の話をしたり、ちょうど河津桜まつりの時期だったので、開花状況などの話題をしたりすると、ネットで天気を調べて教えてくれたり、桜開花状況をカラー印刷して部屋まで持ってきて頂けたり、細やかな心遣いをして頂きました。2日目の朝食後のコーヒーが終わったら、内線をするように言われ、内線をすると、コーヒカップの片付けと共に、おみやげとお会計の紙を持ってきてくれました。おみやげは、1日目の夕食後のデザートにも出たいよかん3ケと2日目の朝食で出た、わさび茎の漬け物でした。この漬け物は、ちょうど朝食時においしいと思っていたので、とてもうれしかったです。
●総じて、この宿の評価は?

一般の旅館とは違い、個人で経営されている、しかも1日1組のお宿ということで、当初(初日)はとまどいながら過ごしていましたが、2日目は、すっかり知人のお宅にお呼ばれして泊まっているかのような感覚で、すっかり慣れ、ゆったりとのんびり過ごせました。自分たち以外に誰も泊まっていないということは、廊下などでばったり他人に遭遇することもなく、お風呂も自分たちしか使わないわけで、混まないうちにお風呂に入ろうとか考える必要もないため、何のストレスも感じず、本当に自分たちのペースで過ごせるのが良かったです。しかも、お風呂は源泉かけ流しで露天は眺望も良く、部屋はきれいで広く、料理もおいしい・・・あとは天気さえよければ眼前が海と伊豆七島を望める好立地・・・しかも、それが1万円代の宿泊料金とは・・・これは当然のことながら5つ星ものです。(お気に入り度=★★★★★)

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