温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記
鳴子温泉郷 中山平温泉/琢琇(たくひで)(★★★★☆)
名湯秘湯うなぎ湯の宿
この宿を選んだ理由(わけ): | 実はこのとき鳥取旅行を予定していたのですが、大雪で飛行機が欠航となってしまい、急遽、羽田空港から宿にTELをかけてとりました(当日の朝だったのに運良くとれた)。選んだ理由は、雑誌やテレビなどでそれまで何度か紹介されているのを見て(施設や料理にはそれほど期待はしていなかったものの)、湯船の種類の多さや、浴室からの景観、うなぎ湯と呼ばれる温泉の泉質などに興味があり、それと「日本秘湯を守る会」の会員宿ということもあって選びました。 |
●料金 1泊2食 14,010円~34,800円(平日・2名の場合)※休前日は10%増 ●所在地 宮城県玉造郡鳴子町字星沼20-9 ●電話 TEL. 0229-87-2216 ●交通 JR古川駅より-陸羽東線(60分)-中山平温泉駅下車 徒歩15分 (中山平温泉駅か鳴子温泉駅から電話すれば宿の車で送迎可) ●食事 夕食は部屋出し、朝食は大広間 ●風呂 男女別展望風呂各1、男女別内湯各1+混浴露天風呂1、男女別露天風呂各1 ●施設 総客室数18室 ●イン/アウト イン15:00 / アウト10:00 ●宿泊日 2005.12.22-23 ●URL http://www.takuhide.co.jp/
■温泉 | 4つの源泉を持つ琢琇の温泉は、そのトロリとした感触から「名湯うなぎ湯」と呼ばれ、美肌の湯として雑誌・テレビなどでもしばしば紹介されています。お風呂の構成は次のとおり。 ① 男女別展望風呂「石橋(しゃっきょう)の湯」「芍薬(しゃくやく)の湯」(「石橋(しゃっきょう)の湯」からは展望露天風呂「蔵彩布の湯」(樽風呂)にも入れる) ② 男女別内湯+男女別浴室から外につながった混浴露天風呂「長生(ちょうせい)の湯」 ③ 男女別露天風呂「鶴亀の湯」(岩風呂と亀甲檜風呂):雪による源泉温度調整?とかで入れませんでした。 お湯は無色透明ですが、やはり肌触りとして、とろーっとした感じがします。露天のお湯はけっこう熱めに感じたかも。湯上りは肌もしっとりつるつるで想像していたとおり浴感が良かったです。 |
■部屋 | 本館1階の「道成寺(どうじょうじ)」(8畳+広縁付)という部屋に泊まりました。平日料金で15,165円です。琢琇は、本館、新館、離れに、それぞれ広さや景観が異なった部屋が11種類もあり、少しずつ料金が違っています。本館和室8畳から最高ランクでは10畳+12畳・露天風呂付の特別室まで様々です。今回は下から2つ目のランクの部屋でしたが、2面に大きく窓がとられており、雪景色の景観がきれいな部屋。室内も小奇麗、2畳ほどの広縁部分も畳敷きで座部が回転する籐椅子が置かれていました。畳は新しく高級感漂うきれいな縁取りがなされたもの。洗面・トイレ部分はリフォームしたようで部屋の感じより真新しくきれいでした。悪かったこととしては、部屋の入口部のスリッパを脱ぐスペースが非常に狭いこと(このスペースがほんとにスリッパを脱ぐほどのスペースしかないと、やはり高級感には欠けますよね!?)。そして、両隣の部屋の物音や歩く音などが結構振動として響いてきて落ち着かなかったことです。これは本館で木造の建物で古いため、仕方ないのかもしれませんが、ちょうど忘年会の団体客(中学校の先生たちの忘年会)と2人の小さな子供連れの家族の部屋に挟まれた部屋だったため、正直ちょっと落ち着かない感じがしました。 |
■料理 | 料理は一般的(典型的)な旅館料理というより一工夫されたものに仕上がっています。暖かいものは暖かいうちに運ばれてきましたし、見た目以上に味は美味しく、量的にも満足いくものでした。 (夕食) (朝食)
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■接客 | フロント係、車の送迎係の方、部屋係の方等々、従業員は多くいるようでした。皆さん廊下ですれ違うと挨拶をしてくれましたが、やはり田舎の旅館といった気さくな応対レベル。特に可もなく不可もないといった感じです。ただ、夕食時に2つばかりアクシデントが起こり、そこがマイナスポイント。1つは夕食は部屋食だったのですが、予定の18:30を過ぎても全く部屋に配膳される気配がない。10分ほど過ぎてから、部屋係の方のミスで別の空き部屋の方に用意され、ずっと電話をかけたりして待っていたとのこと(こっちはそんなの知らんお腹空いて待ってたのにもう)。もう1つは配膳の際、部屋係の人が牛ステーキ用の岩塩を忘れたことに気が付き、「すぐに持ってきますね」と言ったきり、10分経っても戻ってこない。その部屋係の人は牛ステーキの陶板焼きの簡易コンロに火をつけたまま行ってしまい、でもこちらは味付け用の岩塩がないので、先に肉を焼いてしまうわけにもいかず、とうとうコンロの火が(燃料切れで)先に消えてしまうことに‥再度やってきたその部屋係の人は「ごめんなさい(岩塩を取りに戻ったのを)忘れてしまって」とのこと。さらにコンロの火が消えてしまったことを知り、「(お肉を)焼いておいてくれれば良かったのに」と。(言った本人は全く悪気はないのですが、)これには少しばかり不愉快な気持ちになりました。でも、こんな失敗も笑ってすまされてしまうような、(いい意味で)田舎レベルの宿なんですね、ここは。(でも、こういう些細なことで思い切り怒り出したりする客もいるから、そういうところは気をつけた方が良いと思ったけど‥) |
■その他 | 男女ともに柄付きの浴衣が1枚ずつ選べるようになっていて、選ぶ楽しさもあり良かったです。特に女性は柄の種類もたくさんあって良いのではないかと。部屋にはもう1枚ずつ普通の柄の浴衣が用意されていました。また、湯上りに薬茶や冷水などが用意されていて、それも良かったです。 |
●総じて、この宿の評価は? 温泉の質はかなり良いと思います。でも湯船の種類は多いものの落ち着いて入れるのは1つのみ(男女別展望風呂「石橋(しゃっきょう)の湯」「芍薬(しゃくやく)の湯」)。部屋の景観は良かったけど隣室の物音が結構聞こえてきて、落ち着かなかった。施設全体としては小奇麗だが洗練された趣はそれほどない。接客は小さなアクシデントはあったが概ね気さくな対応。食事は見た目以上に美味しかった。こういったことを総合して考えると、価格設定がやや高い気がする。総合評価は4つ星にしましたが、あえて辛口に言うと3.5(星3つ半)といったところ。。(お気に入り度=★★★★☆)