温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

稲取温泉/石花海(せのうみ)(★★★☆☆)
おいしい魚の棲むお宿

この宿を選んだ理由(わけ)

伊豆稲取温泉で初めて見つけた源泉掛け流しの旅館であること。また旅行会社パンフレットによく掲載されている屋上の木造りの露天風呂や入口を入ってすぐに海が正面に見える眺望が気に入り、宿泊してみることにしました。


●今回の料金 1泊2食/17,200円
●所在地 静岡県賀茂郡東伊豆町稲取1604−1
●電話 TEL0557-95-2231
●交通 東名高速厚木IC〜小田原厚木道路〜国道135号
●食事 夕食・朝食とも食事処にて
●風呂 男性大浴場 「海の湯」 男性露天風呂 「石花菜(てんぐさ)」
女性大浴場 「花の湯」
女性用露天風呂 「石竹(なでしこ)」
露天風呂付貸切風呂 「浮多里湯」(60分3,150円)
●施設 全37室
●イン/アウト イン15:00/アウト10:00
●宿泊日 2008.12.20-21
●URL http://www.senoumi.jp/index.htm

■温泉

大浴場と露天が男女別に屋上にあります。面白いのは大浴場と露天のそれぞれに入口が設けられていますが、中に入ると、大浴場と露天は行き来ができるように繋がっていました。男性用の露天は木造りの長方形と桶型の浴槽プラス3色のカラフルな桶型の浴槽があり、旅行パンフレットからイメージしたとおり広さも十分ありました。特筆すべきは12月泊だったため海風が強いながらも目の前の海が一望。眺望は抜群でした。内風呂の大浴場からもガラスが曇らない限り、海が一望できます。一方、女性の露天風呂は男性に比べ、かなり狭く、長方形と桶型の浴槽の2つのみです。但し、露天風呂と内風呂の大浴場から海が眺められます。


■部屋

客室は和室34室と、その他3室。この宿は平成15年7月にリニューアルオープンしたということで、室内、施設ともに非常にきれいです。全室オーシャンビューということですが、今回は、通常の和室10畳ではなく、3名定員の和室(和室ツイン)にしました。というのも、宿のHPの写真で見ると、和室ツインではベッドに寝ながら海が眺められる造りになっていて、今風の新しい部屋に思え、しかも1名分700円安いのです。そして実際に部屋に通されると、和室8畳に和風ベッドが大部分を占めており、狭さは感じましたが、窓が大きくとられ、窓部分が畳の小上がりになっていて、とにかく目の前に大きな海が広がっているのが眺められ、眺望は最高でした。和風ツインは2階に位置しているので、本当に部屋にいながらにして、目の前の海の波が打ち返すのを眺めることができるのです。窓を開ければ、波の音が直に聞こえてきて、さらに感激でした。ただ、12月だというのに西日がかなり強く暑かったですが…。他の通常の和室だと、3階以上になり、窓の部分は小上がりではなく、畳の部屋と同一高さの板張りになっているため、この部屋ほど海を間近には見られないと思います。やっぱりこの部屋にして正解でした。また、宿の料金の割りには洗面もカウンター式できれい。トイレも十分な広さで快適でした。和風ベッドは希望により、ツインからダブルにしてもらうことができます。8畳の部屋をより広く使うためにダブルにしてもらいました。テレビは薄型。冷蔵庫は抜いたのが分かるように管理されていて、飲み物がぎっしり詰まっていて、自分で持ち込んだ飲み物を入れる余裕はありませんでした。お茶セットのほか、冷水がポットに用意されていたのはうれしいサービスでした。チェックイン時にロビーでお茶とお菓子を頂きましたが、部屋にも更にお菓子と、ちょっとしたつまみが用意されていました。

■料理

夕食:食事は朝夕ともに1階の個別に仕切られた食事処で頂きます。食事処スペースはたくさん空きスペースがあるようでしたが、今回通された個室スペースはかなり狭く(3畳ほどでしょうか?)感じました。テーブルの中央では網焼きができるようになっています。食前酒、前菜の5種盛り、刺身の盛り合わせ、そしてさらに前菜4種盛りのようなプレート、味噌仕立ての金目鯛の入った海鮮鍋、そして中央の網焼きで焼いて食べる海鮮盛り合わせ、後から温かいカサゴの姿揚げが運ばれてきました。9種ほどあった前菜は見栄えは豪華でしたが、味はいまひとつ。刺身は期待していたほどの量も新鮮さも感じませんでした。また、楽しみにしていた海鮮焼はイカが2切れずつ、かぼちゃ、サザエ、白身魚の包み焼きでしたが、イカが一番美味しかったです。あと、面白い演出として、食事処入口で温泉卵を作っていて、セルフになりますが、それを自由に取りに行くことができます。自分で温泉に浸っている卵を網ですくって持ってきます。ご飯を頼むと、ヒジキご飯とお吸い物のほか、金目の煮付けも持ってきてくれました。これも1人分ずつ分けているせいか、かなり、小さな切り身となっていました。デザートはシャーベットでした。ここの夕食はいわゆる見た目は豪華さのある旅館的料理です。素朴な海鮮の網焼きやカサゴの姿揚げ、金目の煮付けは美味しかったですが、その他の凝った料理はいまひとつでした。あと、もうひとつ面白いと思ったのは、食事中にスタッフを呼ぶ際は、部屋の外の畳の廊下にお手玉を置いておくようになっていたことです。



朝食:朝食はよくある朝食のメニューが並ぶほか、干物は自分で焼いて食べます。またシラウオ入り卵とじが豪華な感じに見えますが、朝から少し重過ぎるように感じました。あと、夕食時と同様に温泉卵を自分で自由に取ってくることができますが、夕食と全く同じサービスであり、卵とじの卵とかぶるので、別の演出をした方が良いと思いました。

■接客 この旅館は施設的にはきれいですが、家族経営+αというくらいのレベルです。部屋の係りの仲居さんが、部屋に通された直後に部屋まで挨拶に来るほか、食事の配膳のときしか、従業員と接することはありません。放っておかれるほうが気が楽なので、部屋に挨拶にくる仲居さんが不要なくらいでした。接客サービスは特に可もなく不可もなくです。



■その他 この旅館は、とにかく立地がとても良いです。玄関を入ってまず座敷の向こうに大きな海が広がっていることに目を奪われます。そして次に通されるロビーからの広大な海の眺め…これは素晴らしかったです。

●総じて、この宿の評価は?

立地が素晴らしく、ロビーや部屋からの海の眺めには大満足。施設もリニューアルして数年ということで、きれいで、料金もお手頃。しかし、食事が今ひとつ。何より、キャッチフレーズに「おいしい魚がすむ処」などとうたっているにも関わらず、魚料理があまり新鮮に感じなかったこと。食事なしで泊まれるのなら、再訪しても良いと思える宿でした。(お気に入り度=★★★☆☆)

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