温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

(修善寺温泉)/オーベルジュ・フェリス(★★★☆☆)
修善寺の住宅地にある隠れ家的オーベルジュ

この宿を選んだ理由(わけ)

本屋で立ち読みしていた温泉宿紹介の雑誌で初めて知り、早速家に帰り、ネットで検索したところ、珍しいスペイン料理のオーベルジュで、朝食の代わりにブランチとしてパエリアを出すということ。部屋数5つにして、貸し切りで入る2つの源泉かけ流し風呂。宿は修善寺温泉街から離れた所に建ち、部屋からの眺望も良さそう・・・。すぐに日程を決めて予約しました。部屋数が少ない割には、それほどまだ知られていないのか、案外カンタンに希望の土曜日が予約できました。


●今回の料金 30,500円(スタンダードエクストラ・休先日)
●所在地 静岡県伊豆市修善寺4280−47
●電話 TEL0558−73−2377
●交通 修善寺駅から車で10分ほど
●食事 夕食・朝食とも2Fレストランにて
●風呂 ニュータウン6号泉 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 
露天風呂付の内風呂が2ケ所
●イン/アウト イン15:00/アウト13:00
●宿泊日 2010.10.16-17
●URL http://www.grupo-feliz.com/auberge/

■温泉

大浴場はなく、2ケ所の浴室が貸し切りで入れます。空いていれば自由に入れる方式で、それぞれ内風呂と露天がついています。お風呂は2人はいるのにちょうど良いくらいの大きさですが、温泉(約45度)や加水の調整を自分でできるので、ドバドバ掛け流しもできるし、熱くなったらチョロチョロ掛け流しにしたり、思いのままにできるのが良かったです。泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。無色透明です。お風呂からの眺望は、正面を木々で囲まれているので、自然は見えますが、景色を楽しむといった感じではありません。



■部屋

部屋の種類は、スタンダード→スタンダードエクストラ→デラックス  の3タイプ。デラックスがいちばん広く源泉かけ流しの展望風呂まで付いていますが、土曜日泊は4万円近くもするので、パノラマviewのスタンダードエクストラ(3万円程度)にしました。スタンダードとの違いは、部屋の広さは同じで眺望がよいかどうかです。部屋の窓は確かに大きくとられ、修善寺の街並みでしょうか、一望できるので、思ったより広く感じられます。(夜も夜景がきれいです)壁側一面がカウンターになっていたのが、いろいろ細かな荷物など置けて便利でした。冷蔵庫には、第3のビール2缶と水のペットが2本入っていて無料です。



■料理

(夕食)18:30〜20:00迄で好きな時間にレストランに行くようになっています。今回は小さなお子さん連れのお客さんが泊まっていることと、その方々は通常より早めに食事を開始するので、19時以降なら静かに食事を頂けますといった注意を初めに受けていました。(こういった心遣いは初めてでしたが、他の泊まり客のことをよく考えてくれていますね)そこで、私たちは19時半に行きました。もう子連れの客はおらず、2組の方々が既にテーブルについていました。(部屋に置いてある宿案内には、夕食時は男性は襟付きシャツかジャケットを着用とあり、事前に何の説明もなかった私たちは、そういった服の用意もなく、少しあせりましたが、確かに会社に行くようなスーツ姿の方もいたものの、Tシャツにカーディガンといったラフな格好でも何も言われませんでした)レストランの2面は大きなガラス窓で正面に夜景(部屋から見えるのとほぼ同じ)が広大に広がっています。早速テーブルに着くと、本日のメニューの紙が置いてありますが、A4の紙両面に料理名が書かれていて、スゴイ!13皿45種、約200以上の食材を2時間以上かけて食べていきます。ミニチュア食前酒(数種類から選べます)から始まり、それぞれ運ばれてくるお皿の料理は少しづつなのですが、これでもか、これでもか・・・といった感じで次から次へと出てきます。特に印象に残ったのは、茹でた野菜・生の野菜・焼き野菜の3列を1皿に並べたパレット仕立てです。野菜を様々な調理法でこんなに食べられるのもうれしいですね。あと、焼いた鮎を入れた磯の風味のスープ・・・パリパリに焼かれた鮎がこおばしくてスープにマッチしておいしかったです。そして、米料理として出た、手長海老風味の焼きメロッソ・桜エビのフリット添え・・・パエリア以外にもこういった焼き飯があるのかと・・・こちらもおいしかったです。最後にデザートの盛り合わせが出た後、食後の飲み物が選べます。カフェやエスプレッソのほか、何種類もあるリキュールからも選べます。そしてメニューには、"アナーキー(狂喜)を添えて"飲み物が出るように書かれていて、アナーキーって何だろう?と思っていたら、焼き菓子やチーズの盛り合わせでした。カフェでもリキュールにでも合うようになっているようです。本当に最後の最後まで盛り沢山のメニューでお腹もいっぱいになりました。・・・でも、感想としては、お皿が13回も運ばれてくるのは、色々なものが少しづつ食べられるということで泊まる前は楽しみでしたが、実際は、次々にお皿を取り換えられて少量ですが何品も食べているうちに、目もお腹もだんだん満腹感がつのり、最後の方は、まだあるの?もう食べられない・・・みたいな感じで、最後まで食材の味を十分に楽しめなかったような気がします。後で振り返っても、何を食べたか余り印象に残らず、おいしいものを通常の皿数で食べるほうがよいと思いました。また、テーブルのすぐ傍らはオープンキッチンになっていますが、そこにオーナーシェフらしき方がいらして配膳スタッフがお皿を受け取り、私たちのテーブルへと運んでくれます。お皿をシェフから受け取るたびに、「ありがとうございます」と言っているのが聞こえ、レストランには少し緊張感が漂っています。。。スタッフは私たちの食べているお皿に絶えず気を配っているようで、なくなるとサッと片付けられ、次のお皿が運ばれてきます。皿数が置いため、こういった、絶えず見られているような緊張感が通常のコース料理より長く続き、あまりリラックスできない気もします。



(朝食)ここでは、朝食の代わりにブランチが宿泊料金に含まれています。ただし、朝食希望の場合は、オプション(1000円)で付けることもできます。ブランチは11:00〜11:45迄の好きな時間にレストランに行きます。このブランチで出るのはパエリャで口コミでもおいしいとあったので楽しみにしていました。朝摘みのサラダ、5種類のタバス、自家製パン、そしてパエリャ、最後にカフェです。ここは、野菜がそのままの形でボリュームたっぷり出てくるのがうれしいですね。オリーブオイルをつけて食べるパンもとってもおいしい。パエリャは、スタッフの方がお皿に取り分けてくれます。魚介たっぷりで、お焦げもあって、おいしかったです。






■接客 チェックインやレストランでの配膳時などの対応は、礼儀正しくとても丁寧でした。ややマニュアル的な感じもしますが、さほど気にはなりません。

■その他 ホテルには車で向かいましたが、カーナビ表示にはない道を走り続け、住宅が建ち並ぶ道を進みますが、ホテルは敷地内の奥まった所に建っているため、うっかり見過ごし先に行ってしまいました。ないなあ・・・と、開けた場所から眺めるとホテルらしき建物が後方にあるのに気がつき、また戻ると、スタッフらしき数名の方々が立ってこちらを見ています。それがめざすホテルでした。後から聞くと、私たちの車が通り過ぎるのを見ていたようです。今回はチェックインの3時を30分くらい遅れての到着だったため、スタッフの方々も玄関に待機しておられ、良かったです。すぐに荷物を運んで頂け、ホテル内に通されます。外観はモダンな長方形の建物にガラス張りの玄関部分をくっつけたような斬新なもの。ガラス張りの小さな玄関部(ロビー)には、2階(レストラン前)に続く螺旋階段もあり、オシャレです。ホテル内は長方形ということもあり、至ってシンプルな構造。1階にデラックスルームとスタンダードルーム2部屋、2ケ所のお風呂。2階にはスタンダードエクストラとラウンジ・レストランがあり、ラウンジに通されました。大きな窓ガラスからの眺望はすばらしく、思わず窓の正面にあるカウンター席に座りました。ここで、眺望を楽しみながらハーブティとスペインのお菓子4点盛りを頂き、チェックインを済ませます。温泉や食事タイムの説明などもここで受けます。その後、ラウンジ隣のお部屋に案内して頂きました。ベットなのでスタッフが部屋に入ることもなく、レストランに行ったとき以外は、ホテル内でスタッフに出会うこともなく、気兼ねなく過ごせます。ロビーが広くはありませんが、ロビーから中庭に出られるようになっていて、ここにパラソルが立てられテーブル・椅子があり、山並みなどの眺望を楽しみながら風呂上がりのビールなど楽しめ、この場所は気に入りました。また、5部屋のためか、他の客にレストラン以外で出会うこともないのは良かったですね。



●総じて、この宿の評価は?

施設・お風呂・食事と申し分ないのですが、なぜかまた泊まりたいとは思わない・・・皿数の多い夕食スタイルが私たちの食のスタイルに合わないのと、ゆっくりリラックスできるような癒しが感じられなかったように思います。(お気に入り度=★★★☆☆)

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