温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

下賀茂温泉花のおもてな南楽(★★★☆☆)
貸し切り風呂がたくさんの宿


この宿を選んだ理由(わけ)

南伊豆の下賀茂温泉は、以前「銀の湯会館」に立ち寄り入浴したことがあり、身体が温まる塩化物泉のお湯は気に入っていました。また、南楽は源泉掛け流しで、民芸風の落ち着いた宿に見受けられ、前々から一度は泊まってみたいと思っていました。そうしたところ、JTBのパンフレットで1月の3連休にもかかわらず、平日料金になっている(2名1室で23000円、しかも30日前の早期申込みでさらに1000円引き)のを見つけ、このチャンスを見逃してはならないと宿泊を決めました。


●今回の料金 1泊2食/22,000円     
●所在地 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂130-1
●電話 TEL0558-62-0171
●交通 JR下田駅から車で15分。東名高速厚木ICよりR135経由で 120分/ 駐車場 :無料有り
●食事 夕食/和食、朝食/和食(いずれも部屋食)
●風呂 江戸時代の民家風の大浴場をはじめ陶芸品や自然石を用いた露天風呂、貸切風呂など21の湯殿
●施設 全39室
●イン/アウト イン14:00/アウト11:00
●宿泊日 2008.1.12-13
●URL http://www.nanraku.com/top.htm

■温泉

泉質は塩化物泉で、口に含むとまったりと塩味を感じます。塩化物泉はあたたまりやすいと言われますが、確かに湯上がり後も湯冷めしにくい湯のように感じました。大浴場は「宮の湯」と「甚兵衛の湯」で、これ以外に「下賀茂の温泉村」と言われる10箇所の各種貸し切り風呂があります。
@ 甚兵衛の湯(24時間入浴可 午後2:00〜午前3:00(女性)/午前3:00〜午前11:00(男性))


A 宮の湯(24時間入浴可 午後2:00〜午前3:00(男性)/午前3:00〜午前11:00(女性))



B 各種貸し切り風呂:事前予約は必要なく、空いていればいつでも中から鍵をかけて入れます。基本的に石造り風呂ばかりでしたが、「九条の湯」だけは檜の大きな桶の露天風呂となっていました。(入浴可能時間14:00〜23:30、6:00〜12:00)

■部屋

部屋は、野の花亭6階の612号室。和室10畳+6畳に3畳ほどの広縁スペースに洗面、トイレ、風呂付きでした。部屋はかなり広々感があり、それだけでもゆったりと贅沢な感じ。窓からは眼下に青野川があり、鴨が泳いでいるのが見えます。のどかな眺めです。チェックイン時にも1Fロビーで、抹茶とお菓子をいただきましたが、部屋にも2種類のお菓子が木箱に綺麗に納められていました。洗面とトイレ空間もゆとりがあり、広さ的には何ら問題ありませんでした。

■料理

夕食・朝食ともに部屋食です。最近、仲居さんも付かず、食事処でいただくスタイルの宿に続けて泊まっていたためか、仲居さんが付くスタイル、しかも部屋食というのには、少々抵抗を感じるようになっていました。何しろ、いつ仲居さんが部屋に入ってきても良いように部屋をある程度片づけつつきれいに保っておかなければならないこと、食事の時間を決めたら、その時間の少し前には部屋で待っている必要があること、配膳や片づけの際の手持ちぶさたさなどがあるからです。ところで、食事内容は、期待はずれで少しがっかり。心のこもった暖かみのある料理というより、どちらかというとありきたりの旅館的食事。その中でも美味しかったのはJTBのパンフレットでも特別企画としてうたわれていた1人に1匹付く伊勢エビ料理でした。予約時点から、ひとつは活け作り、もうひとつはボイルにとお願いしてありました。また、2人で1匹出てきたキンメの煮付けも暖かくて美味しかったです。その後、魚料理が2種類ほど運ばれてきましたが、少々生臭くイマイチ。デザートもコーヒー味のところてんとメロン、甘味2種が運ばれてきましたが、特別美味しいというほどでもありませんでした。ここは平日でも23000円以上の宿。しかも南伊豆のため、新鮮な魚料理など、もう少し料理を期待していただけに、がっかりの結果となりました。



朝食は、配膳された品数を見ると、そこそこ多いですが、これといって特にどれが美味しかったという記憶はあまりないです。まあ可もなく不可もなくといった感じでした。

■接客 最近、仲居さんが付かず、しかもスタッフは全く部屋に入ってこないという、はじめからベッドや布団が敷かれている形式の宿が増えてきていますが、そういう宿に続けて泊まっていると、仲居さんスタイルの旅館がかなり煩わしく感じます。いつスタッフが部屋に入ってくるのか分からず、家にいるようなリラックス感が十分に得られないのです。ちなみにこの宿は廊下などですれ違う従業員はみな「いらっしゃいませ」などの挨拶をしてくれます。そこはかなり徹底されていました。また、館内では夜の餅つきや朝のすいとんサービスがあり、田舎の家に来たようなもてなしを受けられるような工夫もされています。さらに湯上がり処では、夜はお菓子とジュース、朝は漬け物とお茶のサービス、チェックイン時や部屋にもお菓子がありと…。本当に過剰なほどの食べ物のサービスがあり、お腹はいっぱいになります。でも湯上がり処のラウンジの裏方の水屋からはお運びの女性スタッフたち同士の素朴なおしゃべりの声が客に筒抜け…。毎日の会社勤めに疲れ、ゆっくりと休日に癒しを求めにやってきた人には、こういった接客サービスは向いていないのだろうなと思わせる宿でした。


■その他 女将はアヒルが好きなそうで、中庭の小さな池に3羽のアヒルが楽しそうに泳いでいる姿を見ることができます。大切に
飼われているようで、真っ白な羽毛はふっくらとても綺麗でした。


●総じて、この宿の評価は?

泉質、お風呂はまあ良かったですが、接客サービスのスタイル、食事内容が自分たちが求める宿とは違っていた。子供連れの家族やグループ客をターゲットとしたいわゆる旅館的なサービスをする宿のように思えた。(お気に入り度=★★★☆☆)

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