温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

平湯温泉/深山桜庵(★★★★★)
和風の佇まいに、プライベートを大切にしたおもてなし

この宿を選んだ理由(わけ)

伊豆高原の宿「きらの里」ですっかり気に入った共立グループの宿であったこと。「日本秘湯を守る宿」のスタンプ帳に10個たまった無料招待で宿泊することにした白骨温泉の「小梨の湯笹屋」に続く2泊目の宿として、当初は上高地内で探していましたが、「上高地温泉ホテル」、「五千尺ホテル」と泊まってみたいホテルはあったものの、それらは宿泊料金相応のコストパフォーマンスがあるようには思えず、「深山桜庵」の存在を思い出し決めました。(テレビ東京の「いい旅夢気分」でやっていたのを見たのも影響。)施設の割には料金的に高い上高地のホテルに比べて、源泉掛け流しの露天付きの離れの部屋は、ここ深山桜庵では最高クラスの部屋で29,300円ながらお得と感じたこともあります。


●今回の料金 1泊2食/29,300円
●所在地 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯229
●電話 TEL0578-89-2799
●交通 ◇JR高山駅よりバスで60分◇JR松本駅よりバスで85分◇新宿から高速バスで4時間35分、 「平湯温泉」で下車、徒歩5分
●食事 夕食/和食、朝食/和食(いずれも食事処にて)
●風呂 風呂大浴場、露天風呂、サウナ、家族風呂、天然温泉、水風呂、お風呂
●施設 全72室
●イン/アウト イン15:00/アウト11:00
●宿泊日 2008.4.26-27
●URL http://www.hotespa.net/hotels/miyamaouan/top.html

■温泉

大浴場には、桶風呂あり、寝湯あり、深めあり、浅めあり、露天ありと、湯船的にはいたれりつくせりという感じで、泉質の方は内湯は、少し鉄分を含んだようなにおいのするお湯でした。そのせいか色もいくらか薄めの緑褐色っぽい感じだったように思います。もち源泉掛け流しで湯船からは割とドバドバ常時掛け流っている感じでした。離れの部屋の源泉とは異なるよう(大浴場の露天と同じ源泉らしい)で、離れの方がもっと普通っぽいにおいの透明感のあるお湯でした。

■部屋

7.5畳の和室が付いた和洋室(約51u)の離れ「姫子松の抄」に泊まりました。他にもお手頃な価格の和洋室がありましたが、この離れに決めたのは、ここは全ての部屋に半露天や露天風呂が付いていますが、離れのみが源泉掛け流しであったことです。大浴場が充実していれば、部屋付き露天は入らなければいいことですが、ここは部屋数が72室もあり、大浴場が混みあうのでは?と思ったのです。案の定、チェックイン1時間くらいは大浴場には誰も入ってこず、1人で貸切状態になっていましたが、それ以降は次から次へと人が入ってきて、しかも、女湯は脱衣場が少し狭めのため、やはり源泉掛け流し露天付きの離れにして正解だったと思いました。また、当初部屋に入ったときは、和室とリビング+寝室が独立しているのが使いにくいと思ったのですが、いざ過ごしてみると、そうでもなく、かえって別荘のようでリラックスして過ごすことができました。部屋からテラスへの間口が狭いので、当初は圧迫感を感じましたが、天井も高いので慣れればそうでもありません。過ごしやすい良い部屋でした。

■料理

(夕食):夕食は母屋の2階にある食事処「深山桜」でいただきます。食事の時間は「きらの里」と同様、17:30からと19:45からの選択式。席は2人だったためかカウンター席に通されました。ここでは窓側にカウンターが設けられていて、テーブル席より山々の景色を眺めながらの食事ができて良かったです。メニューはどれもなかなか工夫が凝らされた料理で、メインに「飛騨牛炙り焼き」と「スッポン山菜鍋薬膳風」が食べられ、ほかにも揚げ物やお造り、煮物など盛りだくさんの料理で、目・舌ともに満足できました。特に、飛騨牛は柔らかく舌にとろけるようで美味しかったです。デザートは、「リキュールトマト」でしたが、3日間「桃太郎トマト」をリキュールに漬け込んだものだそうで、甘いフルーツみたいで美味しかったです。今まで同じ共立グループで泊まった伊豆高原の「きらの里」や修善寺の「菊屋」ではいつも何種類かから選ぶというメニューがあったのが、ここでは全くなくて、逆にそれがメニューの質をさらに高めているのかなと思いました。「きらの里」以上に内容的に良かったと思います。


(朝食):夕食と同じ食事処「深山桜」で頂きます。席は夕食と同じく窓側のカウンター。間仕切られたテーブルのスペースもありますが、やはり窓側が一番の特等席。メニューは、朴葉味噌と味噌汁を卓上で火にかけながらいただきます。そして、納豆かお豆腐を選ぶことができます。あとは、だいたい朝食の定番メニューといったところでしょうか。美味しかったのはやはり朴葉味噌。これだけでご飯が進みます。油揚げと豆腐の味噌汁も手作り感があってとても美味しかったです。朝食後は、ロビーでセルフサービスのコーヒーが飲めます。このコーヒーも窓側になるテーブルでいただきましたが、自然を眺めながらのコーヒーはまた格別でした。

■接客 スタッフの方々は廊下やロビーですれ違っただけで、挨拶をしてくれ、気持ちが良いです。この宿はチェックイン後の部屋までの案内はしてくれません。ロビーで案内図を見せられ、自分たちの部屋の位置を教えてくれます。そのことを「宿泊料金が高いのにサービスが悪い」とネットの口コミに書いている人もいましたが、かえって案内がなく自分たちでワクワクしながら案内図を頼りに部屋に行くのも楽しいのではないかと思います。それにその方が気楽に自分たちのペースで行けるし。食事処ではスタッフがきびきびと動き回っていたのが印象的でした。食事処で写真を撮っていると、スタッフの方から「おとりしましょうか」と声をかけてくれたのは「きらの里」と同じでした。また、感心したのは実はチェックイン時間15:00の1時間ほど前に到着してしまったのですが、すでに入り口には車の誘導担当のスタッフが2名くらい待機していて、「こちらにどうぞ」と手招きされ、躊躇なく敷地内に車を進めることができました。そしてロビーでお茶やお菓子などをいただいているうちに、部屋の準備が整ったとのことで、それほど待たされずに部屋にスムーズに入ることができました。たぶん、一番乗りだったのではないかなと思います。早く来て良かったと思いました。

●総じて、この宿の評価は?

何より、周囲を山々、自然に囲まれていて、晴れていれば部屋や大浴場、ロビー、食事処から美しい景色が眺められ、気分も晴れ晴れします。今回は雨で部屋付き露天が楽しめるか心配でしたが、露天には屋根があって雨でも気にせず入れるようになっていました。また、離れの部屋は中に入ったとたん、木の香りがしてとても気持ちが良かったです。また全72室もあるので、廊下などどうしても人通りが多くなりがちですが、離れは8室だけなので、離れ方向の廊下はいつも空いていて、それも良かったです。ということで、離れにして正解だったと思います。この離れの部屋に食事、接客面のサービス、大自然に囲まれたロケーション、施設、すべてを考えても評価は5つ★です。「きらの里」の「山の音」が部屋付き露天なしで26000円代だったのを考えると(きらの里は伊豆高原だから高いのでしょうが‥)約3000円増しで離れのこちらの宿の方がポイントは高いかな、と思いました。先日泊まった修善寺の「菊屋」の離れ34000円代に比べたら、格段、こちらの方が良かったです。(お気に入り度=★★★★★)

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