温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

八幡野温泉郷/きらの里(★★★★★)
里山に抱かれる自休自足の宿

この宿を選んだ理由(わけ)

肝心のお風呂に一部循環があったのが気になりましたが、貸切風呂を含め、源泉掛け流し風呂も多数あったこと、広大な敷地(約6600坪)の中に田んぼや畑があり、ウサギやリスなどもいて、のどかな田舎の自然に溢れた宿であること、そして何より、今回泊まった「別邸 山の音」の部屋が、広めの和洋室でウッドデッキからの眺めもゆったりと里の全景を見渡せる感じで良かったことです。料金は少し高めですが、伊豆なら自家用車で行けるので、電車代が浮く分いいかも、ということで決めました。


●今回の料金 1泊2食/26,300円(JTBで「別邸山の音」を平日料金にて)      
●所在地 静岡県伊東市八幡野1326-5
●電話 TEL:.0557-55-2400(代表)・3311(予約)
●交通 東名高速道路「厚木IC」より小田原厚木道路「石橋IC」下車、国道135号を下田方面へ伊豆高原駅から約7分
●食事 夕食/和食、朝食/和食(いずれも食事処にて)
●風呂 2ヶ所の源泉から湧出る寝湯、蒸し風呂など8種類のお風呂
●施設 露天付離れ20室を含め全67室
●イン/アウト イン15:00/アウト11:00
●宿泊日 2007.11.10-11
●URL http://www.hotespa.net/hotels/kiranosato/

■温泉

きらの里の敷地内には、2つの源泉があります。いずれも高アルカリ性(PH9.0以上)の泉質(カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉)です。無色透明ですが、柔らかな湯で、肌のはじきも良く、土っぽい温泉の香りがしました。

<大浴場>
「杜の湯」には男女それぞれ8種類の湯船があります。バスタオルとフェイスタオルは大浴場に用意されているので、部屋から持っていく必要はありません。入浴時間は、15:00〜24:00と5:00〜10:00までです。


@ 寝風呂「静かの湯」(源泉掛け流し)


A 内風呂「ひばの湯」(源泉掛け流し)


B 内風呂「ささの湯」(循環)


C 打たせ湯「小糸の湯」(源泉掛け流し)


D 源泉蒸し風呂「玉の湯」」(源泉掛け流し)


E 露天檜風呂「杜の湯」(源泉掛け流し):これが一番お気に入りでした。。


F 露天岩風呂「杜の湯」(循環)


G 壷風呂「信楽の湯」(循環)



<貸切風呂>
大浴場のほかに趣の異なる3種類の貸切風呂(源泉掛け流し)もあります。利用する場合は、貸切風呂への入り口にある案内板の札を自分で「入浴中」に架け替えて利用します。入浴時間は、15:00〜24:00と5:00〜10:00です。


@ 壱の湯「石匠」:巨石をくりぬいた湯船が印象的な風呂。見た感じ1人でいっぱいになりそうな狭い湯船だったので、直接は入りませんでした。


A 弐の湯「竹仙」:建屋の壁面に竹を使った和心のある風呂。外の景色も望め、木の湯船で一番良かったです。2人で狭いくらいの小さな浴槽のため、掛け流し量も多く感じました。


B 参の湯「岩座」:石調の壁で囲まれ、他の2つより広め。2人で充分以上の広い湯船のせいか、掛け流し感があまりなかったです。中が暗いので気分的には落ち着きますが、外が見えないのが難点でした。


■部屋

この宿には、広さや料金に応じて、4タイプの宿泊棟があります(旅籠(八幡野)、別邸(山の音)、離れ(竹ぶえ)、個居(うみ蛍))。今回は、部屋の外でもゆったりと里の全景を見渡せる高台の「別邸(山の音)」の205号室に泊まりました。和室8畳+洋室37uにウッドデッキテラス付き。室内にはマッサージチェアも付いており、別邸というだけあって、まるで別荘のような造りになっています。また、檜(?)のシャワーブース、トイレ、洗面付き。部屋の広さは思った以上に充分。何より天井が高く、木が贅沢に使われた造りとなっているので、リラックス感も抜群で、こんな部屋に住んでみたいと思ってしまうような部屋でした。また、冷蔵庫にはウーロン茶とミネラルウォーターが2瓶ずつ「ご自由にお飲み下さい。」と入っていて、これもうれしいサービスでした。




■料理

夕食は溶岩焼きか海鮮しゃぶしゃぶから選びます。時間は17:30〜か20:00〜のどちらか。今回は溶岩焼きを選び、「山ぼうし」という食事処で食べました。先付、前菜と目にも鮮やかな料理が並び、やんも鍋、松茸入りの先椀、分厚く切られた地魚の刺身、揚げ物と続きます。カウンター席でしたが、カウンターだからこそ、きびきびと配膳に動き回るスタッフの姿が印象に残りました。見ていると、客数名に担当のスタッフが割り振られているようで、カウンター席だけで2名のスタッフが、それぞれの担当する客に、テキパキとした対応で配膳しています。中には一人旅の女性もいたりして、そうした客には、まめにしゃべりかけながら配膳していて、好感が持てました。メインの溶岩焼きは、牛ロース、合鴨ロース、ポークロースがとっても美味しかったです。旬菜小鉢とご飯は各3種類から選べるようになっていました。今回は小鉢のひとつは(一人は)茶碗蒸しと、もうひとつ(もう一人)はイクラ大根にしました。あとご飯は(二人とも)鮭茶漬けにしました。そして、香の物、地魚のあら潮汁。デザートはシャーベット、バナナのレモンジュレ掛け、和風の栗羊羹の盛り合わせでした。



*夜鳴きソバについて:夜な夜な帳場の前に夜鳴きソバの屋台がでます。宿のサービスでラーメン代は無料。22:00〜24:00までの間やってます。食べてみましたが、あっさりしたしょうゆ味で、しつこくなくて美味しかったです。。

朝食はもう一つの食事処「海つばき」で食べました。2人だとやはりカウンターに通されます。でもカウンター席だとガラス窓から敷地内の自然が望め、逆に良いかもしれません。ご飯のほかに、おかゆも選べます。また、お好みで納豆、地卵を追加することもできます。卵を選ぶと緑色の鳥の巣に似せた入れ物に乗せられて出されるのが面白かったです。キンメなどの干物は、再度あぶって食べます。最後にコーヒーも供され、外の自然をゆったりと見ながら、満足のできる朝食でした。

■接客 宿のスタッフに何かをお願いすると、お願いしたことにプラスアルファして返してくれる、そんな接客でした。例えば、写真を撮ってもらおうと(スタッフに)声をかけると、「ここで撮ると門も入っていいですよ」とさらに良い別アングルでも撮ってくれたり、夜中に店を出す焼き芋のおじさんに「小さいのを一つ下さい」と言うと、「何人?2人ならもう少し大きめのがいいな。」と小さいながらも大き目のお芋を出してくれたり。。小さなことですが、そんな温かみのある接客でした。

■その他 広い敷地内には、田んぼや畑がありますが、11月なので田んぼも畑も収穫物は何もありませんでした。でも、ミカンの木があって、ミカンがたくさん生(な)っていました(ミカンはもぎ取ってOKです)。また、敷地内をのんびりと散策するのも楽しいです。ピーターラビットみたいな目の大きなウサギが飼われていて、人懐こくとても可愛らしかったです。また、野生のリスにも遭遇しました。田んぼ、畑、流れる小川、棲みついている生き物など、里山の原風景は気持ちをゆったりした気分にさせてくれました。


●総じて、この宿の評価は?

平日料金でも2万6千円以上と高めの宿ですが、飽きることのない里山の自然に囲まれた敷地内に点在する3つの貸切風呂、自然が一望できる別荘感覚の部屋、美味しい料理、プラスアルファの温かみのある接客と良いとこ尽くしで、とても満足できる宿です。季節を変えて訪れれば、また違った里山の原風景を体験できそう。こんな宿に連泊したら、ゆったりとした気分で身体のみならず心も充分リラックスできそうです。今度は田植えが終わった頃に連泊してみたいと思いました。(お気に入り度=★★★★★)

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