温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

西山温泉/慶雲館(★★★★☆)
秘湯を感じさせない高級感漂う宿


西山温泉は地図で見ると等高線ばかりが目につく、奥深い山中の秘湯という感じがしますが、アクセスはある意味非常に容易です。富士川街道(R52)と本栖みち(R300)が合流する上沢交差点を西に折れ、あとは南アルプス街道(県道37号)を川に沿ってひたすら北上するだけ。道路も良く整備されています。慶雲館は日本建築の粋を集めた純和風の造りで、秘湯の宿とは感じさせない高級感漂う宿。料金は「1泊2食23,000円(税・サ別)〜」ですが、さらに上のランクの高級宿で得られる満足度を目指しています。

●料金

1泊2食 平休日・休前日とも23,000〜他

●所在地 山梨県南巨摩郡早川町湯島825
●電話 TEL.0556-48-2111
●交通 東名道東京I.C=富士I.C(国道139号)=本栖湖(国道300号)下部・早川(県道37)=西山温泉『慶雲館』
●食事 夕食・朝食とも部屋出し
●風呂 展望大浴場2、展望露天風呂1、露天風呂1、貸切露天風呂2、サウナ2
●施設 総客室数40室(全室バス・トイレ付)※露天風呂付客室2室(北岳・農取)
●イン/アウト イン14:00 / アウト11:00
●宿泊日 2005.10.28-29
●URL

http://www.keiunkan.co.jp/


■温泉 慶雲館は4本の自然湧出の源泉を持っています。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。
お風呂の構成は次のとおり。
@ 展望大浴場(4階)「桧香の湯」「石風の湯」
A 展望野天風呂(4階)「望渓の湯」
B 渓流野天風呂(1階)「白鳳の湯」
C 貸切専用野天風呂(1階)「川音」「瀬音」
湯量も充分あり、6つある風呂の全てが源泉100%の掛け流し。お湯は山梨に多い比較的ぬるすべ感があるお湯なのかなとも思っていましたが、実際に浸かってみると意外にさらっとした無色透明のお湯。茶色っぽい湯華がときおり混じっているのが見えました。

@ 展望大浴場(4階)「桧香の湯」「石風の湯」
・ 「桧香の湯」(午前11:00〜午後9:00 男性用/午後9:00〜午前11:00 女性用)
総桧造りの大きな湯船です。やっぱり木造りの湯船は良いですね。ただ昼間入るより夜入ったときの方が浴場のアラ(浴場の電灯とかが味気なくあんまり良くない)が見えてしまい、思ったほど雰囲気はよくないなあと思い直したり‥大浴槽の他に5名前後が浸かれるジャグジー浴槽も併設されています。


・ 「石風の湯」(午前11:00〜午後9:00 女性用/午後9:00〜午前11:00 男性用)
こちらは石造りの浴槽となっています。暖かみを感じる桧香の湯と対照的にやや冷たさを感じますが、造りは立派。片隅には展望サウナも併設されています。


A展望野天風呂(4階)「望渓の湯」
展望大浴場と同じ最上階にある楕円形の桧の桶風呂です。浸かりながら心地よい風、渓流のせせらぎ、対面の山の木々の紅葉などが感じられ、実に心地良かったです。また夜は満天の星空を見ながらの湯浴みも楽しめます。この宿で一番良い湯船と思いました。


B渓流野天風呂(1階)「白鳳の湯」
1階にある最も大きな露天風呂で、12名前後が浸かれる岩風呂となっています。全面を屋根で覆われている為、開放感が無いのが残念なところです。こちらにもサウナが併設されています。


C 貸切専用野天風呂(1階)「川音」「瀬音」
1階には無料の貸切露天風呂が2つあります。3〜4名用と6名が余裕で浸かれるものがあって、家族、グループでの利用に丁度良いです。

■部屋

JTBで一番安い8畳和室の部屋を予約していたのですが、当日案内されたのは12畳+8畳の和室に広縁、さらに3畳ほどの水屋付きの広い部屋でとてもラッキーでした。はっきりと理由を聞いたわけではありませんが、社員旅行が1件入っていたので、8畳タイプの安い部屋はそちらに割り当てられたのかもしれません。予想外の対応に感激でした。部屋は201号(くすのき)という部屋で角部屋。2人には充分すぎるほどの広さで、広縁の応接セットから窓越しに見やる早川の眺めもよく大満足でした。部屋に備え付けの貴重品入れ(金庫)は小さな扉がいくつもある洒落たかわいらしいもので、それぞれの扉が鍵で閉められるものでした。トイレも広く、洗面はボウルが2つあり広さも充分でした。

■料理 (夕食):夕食・朝食ともに部屋食で、夕食は18:00から好きな時間を選べます。食前酒の巨峰ワインから始まる「里山の宴」という全16品の会席料理でした。全体的に食器、料理と見た目に美しく、少しずつ多くの品が出て、どれもほどよく美味しく食べられ、お腹もはちきれるほどではなく、ほどよい満腹感でよいのですが、逆にほんとにこれはものすごく美味しいと思えるものはなかったような‥ただ、鍋物の代わりに「深山フォンデュー」と銘打ったチーズフォンデュのようなものが出てきたり、薬膳風スープ、どんぐり麺など、通常の旅館一般の料理とは変わった工夫を凝らした品もありました。良かったことは、あたたかい物はあたたかいうちにと数品ずつ小分けにして持ってきてくれること。ですが、こちらの食べ方が早かったのか、毎回そのタイミングが遅く、次の品を待っているといった感じでした。


◎夕食の片付けの後、夜食用にと小さな俵型のおにぎりとフルーツが乗ったお皿を持ってきてくれました。


(朝食):朝食は7:30〜8:30までの時間帯から選びます。まず目覚めのオレンジジュースが出され、それから配膳が始まります。全13品くらい。テーブルいっぱいに色取り豊かに並べられます。でも茶碗蒸しに1人用コンロにかけられた湯葉豆腐、白いご飯、薬膳粥など量も多くてすべては食べ切れませんでした。朝食にもさりげなく豪華さを演出しようという宿のポリシーを感じましたが、こうした場合の朝食は個人の好き嫌いや食べる量に合わせて食べればいいのであって、無理して全部食べきる必要はないのかもしれません。

■接客

宿に到着したとき、車でどこに駐車したものかと進んでいると中からすぐにスタッフの男性が出てきて、車はそのまま宿の玄関前につけてくれればいいと言ってくれました。キーをつけたまま車を降りるとあとはおまかせです。荷物を持ってもらいロビーへ。まずウェルカムドリンクとして冷たい「柚子ジュース」が出されました。(この柚子ジュースの濃縮瓶詰めは宿の売店でも売ってます)ここで宿帳を記入します。それから係りの女性が部屋まで案内してくれました。気がついたことはフロント、部屋の係りの女性とスタッフには皆さん若い女性が多かったこと。ですから大旅館のいわゆる手慣れた話もうまい仲居さんといった感じの人はいませんが、逆にそのフレッシュ感に好感が持てました。4階の湯上がり処には湯守りらしき年配の男性がいて、夕食前の時間帯にはエレベーター前付近に立っていて、通り過ぎるお客さんに「ありがとうございました」と声をかけていました。(エレベーター付近に立っていられるのも正直ちょっと目障りのような気もしてしまいましたが‥)ですが、4階の湯上がり処には室内・外に椅子やテーブルのセットが置いてあり、また自由に飲める源泉(冷水)、梅こんぶ茶、麦茶があり、ゆっくりくつろぐことができます。



総じて、この宿の評価は?

部屋、接客ともに満足でしたが、何より価格設定が高い。この価格帯の宿としては良いのかもしれませんが、管理人一行(私と妻)が望む宿とはある意味方向性が違っていたので、満足はしましたが、また再度泊まりたいとまでは思いませんでした。(慶雲館さんすみません。。)しかし、これは温泉の泉質や大浴場の開放感、雰囲気、料理、施設の趣きなどと価格設定、それに自分が温泉宿に求める好みなど、を総合的に考えたうえでの評価とお考え下さい。(お気に入り度=★★★★☆)

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