温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

乳頭温泉郷 蟹場温泉/蟹場温泉(★★★★☆)
ブナの森に溶け込む露天風呂

この宿を選んだ理由(わけ)

乳頭温泉郷で泊まりたかった「鶴の湯」、「妙乃湯」の予約が取れなかったため、次の候補として考えていた「蟹場温泉」に決めました。理由はガイドブックの写真で見た感じが部屋も広めで小奇麗。そして木の内風呂や秘湯的で雰囲気も素敵な露天風呂があったからです。


●料金
1泊2食8550〜13800円
●所在地 秋田県仙北郡田沢湖町田沢字先達沢国有林50
●電話 0187−46−2021
●交通 東北道盛岡ICよりR46経由、田沢湖方面へ1時間30分
●食事 夕食・朝食とも食事処お座敷で
●風呂 木風呂男1女1、岩風呂男1女1、露天風呂1
●施設 新館5室、本館12室(収容75名)
●イン/アウト イン14:00 / アウト10:00
●宿泊日 2006.5.5-6
●URL

なし


■温泉 標高800mの高地に分布する乳頭温泉郷の中のひとつ「蟹場温泉」は農山村民の湯治場として栄え始めたそうです。名前の由来は付近の沢に蟹が多く住むところから名づけられたとか。お風呂の構成は次のとおりです。(いずれも24時間利用可)
@ 露天風呂「唐子の湯」(混浴):本館1階より露天風呂出入り口より約50m、女性専用タイムあり(午後7:30〜8:30の1時間)
A 木風呂「秋田杉の湯」(男女別)
B 岩風呂「蟹場の湯」(男女別)
*源泉2種類あり(内風呂(単純硫化水素)、露天風呂(重曹泉))

@ について:内湯とは別の源泉らしく、お湯は透明ですが薄っすら緑がかって見えました。土っぽいにおい。湯小屋と呼ぶには立派な脱衣所の木造建物(ちなみに脱衣場はちゃんと男女別になっています)。露天のすぐわきを小川が流れていて、浸かりながら川のサーっという音が聞こえてきます。周囲には白樺風の木々が林立していて(松とまだ葉をすっかり落としたままのブナ?の原生林)、森林浴効果を期待できそうな静かな癒しの露天風呂になっていました。少人数で静かにゆったり浸かっていた方が、大人数でわいわいガヤガヤより心身共に癒されるでしょう。ちょうど夜明け直後に入ったときは周囲を朝靄(あさもや)が漂い、提灯の明かりも味わいがあり、いつまでも浸かっていたい気がしました。


A について:総木造りの浴室・湯船。お湯はかなり熱め。透明ですがうっすら白く濁って見えました。大きめの白い湯華がところどころに混ざっています。よくにおいを嗅ぐと(硫黄臭というよりは)土っぽい匂いでした。


Bについて:@やAが素敵なので、今回直接湯船に浸かることはありませんでした。


■部屋 部屋は新館のトイレ・洗面付き8畳の和室で二階角部屋の「りんどうの間」という部屋でした。角部屋のため、窓も2つあり、両方の窓から素晴らしい自然の風景が望め、広さもあるし秘湯の宿の部屋としては大満足でした。また、部屋には桜細工を施した調度品がいくつもあり(テレビ台、ティッシュケース、ゴミ箱、菓子入れ、茶器ケース、茶筒、壁掛け)、秘湯の宿の割りにお金をかけている感じがしました。洗面台も新しくて良かったのですが、トイレがユニットなのが秘湯の宿としては趣がなく残念でした。


■料理 (夕食):夕食はいわゆる一般の旅館並みのバラエティに富んだ食事が食べきれないくらいに並びました。驚いたのは茹で蟹など蟹料理が何点かあったことと、海の幸の刺身があったこと。山菜料理もありましたが、秘湯の宿らしい食事ではありませんでした。


(朝食):朝食は夕食と比べると、山・川の幸が並び、山の秘湯らしいものでした。夕食もこのような地の山・川の幸づくしの食事であれば、なお秘湯ムードが高まって良かったと思いました。



■接客 若いお兄さんが何人かいて、フロントにいたり、食事の配膳をしてくれます。ソフトな物腰で特に不満はなかったです。夕食の間の部屋の布団敷き後に気づいたのですが、使った茶器をきれいなものに換えてくれていたのには、秘湯の宿の対応としては驚きでした。端々に客への接待の心が伺える印象でした。

●総じて、この宿の評価は?

妙乃湯、大釜、蟹場は近接した距離に位置しているのですが、この3つの中で蟹場が施設の外観としては一番情緒ない感じに思っていましたが、実際に宿泊してみると、部屋の窓からは自然が望め、かつ露天風呂の自然の眺望に満足しました。総評としては、新館で12000円台の価格で、この部屋、食事、風呂なら満足です。ただ、ひとつ難点としては、露天風呂の脱衣場の足下が木製の床でなく、緑のシート(人工芝)のようなものを敷いていて、濡れた感じで気持ちが悪かったことくらいです。(お気に入り度=★★★★☆)

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