■温泉 |
ここ奥山旅館には大きく分けて3つのお風呂があります。@旅館棟1階の内湯、A大露天風呂(旅館棟と同じ側の別棟)、B別館にある男女別内湯・露天&混浴露天風呂 の3つです。以下順番に記載します。
@旅館棟1階の内湯:基本的に混浴なのですが、18:30〜19:30は女性専用タイム、19:30〜20:30は男性専用タイムとなっています。中規模程度の内湯ですが、天井には木の太い梁が見えていて、なかなか雰囲気のあるゆったりした湯船に感じました。お湯は乳白色でかなりぬるめ。いくらでも浸かっていられそうな感じでした。
A大露天風呂:旅館を出て水車の少し先にある別棟にある露天風呂です。以前は中央に仕切りのある混浴露天だったようなのですが、今は完全に男女別の露天になっています。源泉はおそらく@と同じなのでしょう。薄い乳白色のお湯がなみなみと湯船を満たしています。湯船からはむき出しになった白い山肌や小地獄が望め、開放感のある湯浴みが楽しめます。ちなみに底は砂利敷きになってます。
B別館にある男女別内湯・露天&混浴露天風呂:旅館棟とは別の側の通りを挟んだ向かいにある別館に男女別内湯・露天と混浴の露天風呂があります。男湯の方は内湯が一つと露天が二つありますが、この露天のうちの奥の一つが混浴となっています。混浴は一番奥にあるので、ここで男女がつながっていると言ったらよいでしょうか。源泉は@やAとは異なるようで、少し黒っぽい乳白色、人によっては茶色っぽいと言う人もいるようです。同じ秋田県内の蒸ノ湯や後生掛温泉の色に似ていると思いました。源泉がかなり熱いせいか混浴の露天にはホースが引かれて、冷たい水が加水されていました。そのせいかこの混浴露天だけはぬるめで長湯できる感じでしたが、もう一つの露天(混浴でない方)は加水なし状態で、かなり熱めでした。夕食後、すぐに入りに行ったら、日帰り入浴はもう終わっていて宿泊客の方はまだ食事中の人が多いためか、ほとんど独占状態で湯浴みできました。この露天からは遠方に岩肌から吹き出ている噴気が垣間見え、こうして今、泥湯の源泉に直に浸かっているんだという思いをより一層強くさせてくれました。
|
|
|
(大露天風呂の入り口) |
(男性用の大露天風呂) |
(男性用大露天風呂の湯口) |
|
|
|
(別館の入り口) |
(混浴露天風呂) |
(別館の内湯(女性用)) |
|
■部屋 |
今回泊まったのは2階の「岩鏡」という部屋。部屋のドアを開けるや否やすぐに目に飛び込んでくる6畳の和室。足元にはスリッパを脱ぐ小スペースのみの見た目にもかなり狭い空間でした。1996年に一部改築とガイドブックで読んでいたのですが、木目柄のベージュの壁紙が部屋を一層古く暗く見せている感じで、やや圧迫感がある部屋でした。温泉の方はそれなりの高評価だったのですが、部屋の方はイマイチという感は正直否めませんでした。まあ時間が経てば慣れてしまう面もあるでしょうが、特に今回は前日に大湯温泉の阿部旅館に泊まっていたので、それとの落差が妙に際立って感じられてしまったのだと思います。
|
(部屋(2階の「岩鏡」)) |
|
■料理 |
まずは夕食から。鯉料理が苦手なこともあり、配膳された食事を見たときは、ちょっとガッカリ。鯉の甘煮と刺身(たぶんイワナ)が中央に並び、あとは枝豆少々と山菜料理が並んでいました。特にキノコ料理が多く、マイタケを黒くしたもの2皿と、鍋にもマイタケが使われていました。後からなすの焼物とかぼちゃのグラタンが1品ずつ運ばれてきました。なすの焼物は美味しかったのですが、かぼちゃは固くて全部食べられませんでした。1人分のみ別注でステーキ付きにしていたので、ステーキとマイタケの天ぷらもやってきました。夕食の中では別注のステーキが一番美味しく、ステーキを頼んでおいて本当に良かったと思いました。次に朝食です。朝食はお決まりの焼シャケ少々と山菜、温泉卵、味付け海苔、そしてなぜかスイカがふた切れ出ました。なお、後から夕食でステーキ付にした1名分だけコーヒーが出てきました。
|
|
|
(夕食の膳) |
(夕食に別注しておいたステーキ) |
(朝食) |
|
■接客 |
チェックイン時は、たぶん予約の電話を入れたときに対応してくれた愛想の良い男性がフロントで丁寧な対応をしてくれました。が、別にけちをつけるつもりはないのですが、食事の配膳時のスタッフの対応とあわせて考えてみても接客について特に高評価とすべき点はなく、率直な感想としては、残念なことに心に届く真心こもったサービスが行われているとは感じられませんでした。もともと湯治場なので接客のそうした観点には乏しい面があるのかもしれません。昔から湯治場として栄えてきた泥湯もここ数年湯治客が減少し、その代わりに温泉の旅を楽しもうという(我々のような)都会からの旅行者が増えてきたのに対応して否が応にも様変わりしてきていると言います。昔は3軒の宿が寄り添うように湯治客を集め、共存共栄していたようなのですが、今は奥山旅館の一人勝ち?といった感じで、宿のバランスが崩れて、なんだかミニ乳頭温泉郷、ミニ鶴の湯のようになりつつあるという印象でした(良い悪いは別にして)。
|
|
|
(泥湯温泉街を先に見る) |
(つげ義春的(?)な奥山旅館へ続く道) |
(奥山旅館の正面口を別角度から) |
|