温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

下部温泉大市館(★★★☆☆)
地下の岩盤剥き出し自噴泉岩風呂が目玉

この宿を選んだ理由(わけ)

雰囲気の良さそうな岩風呂、しかも冷泉のため、沸かし湯との交互浴効果もねらえ、また、宿の施設も古い木造建築の良さを残しつつ、リフォームを重ね洗練された設えという雑誌「自遊人」での記事を読み、いつか行ってみたいと思っていましたが、ちょうど6月はホタル鑑賞もできるということで興味もあり、宿泊してみることにしました。


●今回の料金 1泊2食 12,750円
●所在地 山梨県南巨摩郡身延町下部48
●電話 TEL0556-36-0211
●交通 中央自動車道甲府南ICから国道140号、52号、300号を利用、約50分
●食事 夕食/和食、朝食/和食(いずれも食事処にて)
●風呂 岩風呂(男女別各1)、神韻の湯(男女別内風呂各1)、露天風呂(2)
●施設 全12室
●イン/アウト イン14:00/アウト11:00
●宿泊日 2007.6.8-9
●URL http://www.daiichikan.com/

■温泉

湯舟の構成は次のとおりでした。
@ 岩風呂(男女別)
A 神韻の湯(男女別内風呂)
B 貸し切り露天風呂(「美の湯」「一の湯」)

1について:男女別の自噴泉岩風呂で、この宿の目玉となっている湯舟です。写真のとおりなかなか独特の雰囲気のある空間になっています。源泉が湯舟の底から自然湧出しているそうですが、湧出量は、温泉分析書を見る限り、0.24リットル/分ですから、かなり少なめで、当然ドバドバかけ流っているというわけではありません。時折、湯舟の底の木板の隙間からプクプクと泡が浮き上がってくる程度です。木枠の湯舟は1.5m×6m程度のもので、お湯は無色透明無味無臭。よく見ると茶色い繊維状のものが、結構たくさん混じっていました(宿の人に聞いたら岩から湧き出しているのは自然の浮遊物だそうです。)。泉温は、28度程度。そのまま浸かるにはかなり冷たく感じます。このため別に2m四方の石の浴槽があり、こちらには加温した湯が溜められていました。ここで身体をよく温めてから、源泉の方に浸かると良いのだそうです。入浴可能時間は午前6時〜午後10時まで。出た後は身体がすっきり軽くなったように感じました。


2について:温泉ではないとのことで、あえて浸かりませんでした。


3について:24時間入浴可の貸し切り専用の露天風呂です。予約は特に必要なく空いていれば、いつでも入ることができます。残念ながらこちらも温泉ではありません。お湯はおそらく循環でしょう。においをかぐと塩素臭がしていました。「一の湯」の方にちらっと浸かっただけでした。


■部屋

この宿は、喫煙室と禁煙室に分かれています。今回予約したのは禁煙室の「ききょう」という部屋で、8畳+次の間3畳+応接スペース付きで12,750円(平日・税込み)でした。あと千円プラスで2間続きの部屋になるのに、一間の一番安い部屋ということで、不安はありましたが、いざ部屋に通されると、思った以上に広々としており、古さはありますが、趣のある落ち着いた雰囲気の部屋で安心しました。部屋は3階の一番奥にありますが、部屋に続く廊下が途中から石の廊下に変わり、その突き当たりが「ききょう」の部屋になり、ちょっと見、高級な部屋のような外観アプローチとなっていました。離れの玄関風になっており、引き戸を開けるとスリッパを脱ぐ土間スペース。そして1段上がって3畳ほどの和室に8畳の本間+応接セットがおいてある3畳ほどのスペースがあります。角部屋になっていて、3畳の和室からは川側(駐車場が見えます)、応接スペースからは中庭が見え(といっても屋根や建物で庭らしきものはまったく見えず、眺望はよくありません)、部屋には背の高いスタンド式の照明があり、夜、部屋の電気を消して、この照明をつけ、ロビーから借りてきたCD(JAZZ)を聞いていましたが、とても雰囲気のあるいい空間でリラックスできました。ただ、一つ気になったのは、トイレの壁にかなり目立つヒビが入っていたことでした。

■料理

夕食の時間帯は6:00、6:30、7:00から選ぶようになっています。食前酒のぶどう酒、百合根豆腐、前菜5種盛り、山菜の天ぷら、米なすうま味あんかけ、山の鍋物と続き、炊き込みご飯、みそ汁、香の物そして、デザートは和菓子と果物の3種盛りでした。変わっていたのは、山菜やキノコ、ほうとうが入った山の鍋物でした。全般的に野菜が中心のヘルシーな食事。お酒はさすが山梨というだけあって、山梨産のワインの種類が選べ、またワイングラスも凝っていて楽しかったのですが、食事の品数(つまみ)が少なかったのが残念。お酒はそれほど進みませんでした。


朝食はたしか8:00、8:30、9:00から選べるようになっていました。チェックアウトが11:00ということもあり、結構遅い時間の設定でゆっくりできました。メニューは、箱に入った皿盛り4種、冷や奴、卵焼き、野菜鍋。ご飯はチェックイン時におかゆか白いご飯かを選ぶようになっていますが、おかわりはどちらでもできます。魚もチェックイン時にヤマメかアジの干物を選べるようになっています。珍しかったので、ヤマメの干物にしてみましたが、思った以上にボリューム感もあり、食べ応えは充分でした。変わっていたのは野菜鍋で、じゃがいもやにんじんなども入っていて、お好みで味噌やマヨネーズ、塩などの薬味で食べるようになっています。食後はコーヒーが出ますが、カップが小さく、あっという間に飲み干してしまいました。


■接客 宿泊前にインターネットの口コミ情報などを読んで、予約時にアレルギーのある食べ物はないかと聞いてくれたりで、接客レベルは高いというような人も何人かいましたが、接客レベルという点では、期待していたほどのことはありませんでした。電話での応対もチェックイン時の応対も、ややマニュアル的にも思えました。ただ、食事のとき以外は、適宜、放っておかれる接客でのんびりできました。確かに、「夕食中に布団を敷きに部屋に入るからと鍵を借りに来る」のは他の宿にはないことで、なるほどとは思いました。また、良かったのは、部屋にCD、DVDプレーヤーがあり、ロビーに「お好きなものをお部屋にお持ち下さい。」と貸出用CD,DVDをおいてあることでした。


●総じて、この宿の評価は?

休日は、平日料金プラス3千円と高くなりますが、平日料金でこの部屋(広さ、趣き)&食事なら、結構、お得感のある宿だと思います。ただ、貸し切り風呂、大浴場、岩風呂と3種類のお風呂があっても、温泉で源泉かけ流しなのは岩風呂だけ。しかも、この岩風呂が28度の冷泉のため、6月に宿泊しましたが、結構浸かるのには(冷たくて)覚悟が必要。しかも、源泉かけ流しといっても、ドバドバ系ではなく、水面には自然の浮遊物が浮いている‥温泉に入ることを目的とした宿選びという観点から言うと、どーかな?という感じは正直ありました。(お気に入り度=★★★☆☆)

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