源泉の宿・宿泊記

新高湯温泉/吾妻屋旅館(★★★★☆)
保養に好適な山懐の一軒宿
(天元台ロープウェイから見た吾妻屋旅館) (吾妻屋の玄関口)

山形県西吾妻の山腹、背後に吾妻山を背負うようにしてひっそりと佇む一軒宿です。米沢温泉郷の一つですが、同じ温泉郷にある白布温泉からは湯ノ入沢に沿って遡ったところ、ちょうど天元台ロープウェイの湯元駅前から宿へのアプローチの道が約1k整備されています。このアプローチはかつてはかなりの難路だったようですが、今は宿の直下まで簡易舗装されていて、かなり勾配のきつい箇所もあるものの、普通車でも十分行けます。但し、これは雪のないときの話で、冬場の積雪時は宿までのラスト1kmは(3月下旬頃まで)スタッドレスタイヤ装備の4WD車でないとたどりつかないみたいです(~o~)

●料 金 1泊2食 9,500円〜
●所在地 山形県米沢市関湯の入沢3934
●電 話 0238-55-2031
●交 通 東北自動車道福島飯坂ICからR13・121経由55k
●食 事 夕食/和食(部屋食)、朝食/和食(部屋食)
●風 呂 内湯(男女各1)、露天風呂(女1、混浴2)
●施 設 全19室
●イン/アウト イン14:00/アウト10:00
●宿泊日 2003.8.2-3

■温泉 お風呂は露天が3つ(混浴2、女性用1)と男女それぞれ別の内湯が1つずつの計5つです。露天は宿の正面にあります。天元台方面を見晴らす「吾妻展望露天風呂」、樹齢500年の巨木の根をくりぬいた「根っこ風呂」、洞窟のように岩が組まれた女性用の「岩風呂」です。混浴の吾妻展望露天風呂は杉皮葺きの屋根がかかっていて、雨の日でも大丈夫そうです。ただ脱衣所が、男女別になっていないので、女性は入りづらいと思います。その代わり、全ての露天が女性専用になる女性専用タイム(18:30〜20:00)が設けられています。露天はいずれも宿の駐車場からの通路に面しているので、注意しないと歩いている人から見えてしまうかも。目玉はこの「吾妻展望露天風呂」のようなのですが、私はむしろ総ヒバ造りの内湯の方が好きでした。あまり大きな内湯ではないので、大人が5,6人も浸かればいっぱいになってしまうような感じです。でも湯の華のたくさん混じった源泉が注ぎ口から常時豊富に注がれ、ばっちり掛け流っていました。ただ源泉そのものが熱いため、夏場は水で薄めないとなかなか直には入れないでしょう。源泉の注ぎ口とは別に、水の出るバルブがあって、入る人はそこで水を好みに応じて湯船に入れることで適温に落として入ります。ただこれによって源泉が薄まってしまうのは残念なことで、自然に冷ます方法を何か工夫していただけたら最高だなあと思いました。でも総じて、奥州三高湯に数えられる名湯だけあって、なかなか素晴らしいお湯でした。。
(宿の目玉・吾妻展望露天風呂) (根っこ風呂) (総ヒバ造りの内湯)
■部屋 ここ吾妻屋旅館は全19室。全て和室でBTなしです。今回私が泊まったのは3階の312号室。広さ10畳ほどの角部屋でした。和室の部屋には無駄なものがないだけに、窓外の山並みがより鮮明に感じられました。角部屋だったのはラッキーで、窓が2箇所あって明るく開放感もありました。改築した新しい建物だったので、部屋に入った途端新しい畳の匂いも感じられ、明るくきれいで、とっても過ごしやすかったです。
■料理 食事は夕食、朝食とも部屋食です。山の宿は夜が早い!夕食の配膳は通常は夕方5:30からみたいです。この日は土曜日で満室だったせいか、夕方5:15からでした。料理は概して、地のものを使った素朴な手料理といった感じ。夕食は山の幸、渓流の幸、そして本場米沢牛が。具体的にメニューを申しますと、山菜の和え物3皿、牛のすき焼き風煮、牛刺とニジマスの刺身、そば、ヤマメの塩焼き、香の物、味噌汁、御飯。個人的にはこれに山菜の天ぷらなどがついていると申し分なかったのですが、量的には程よく御飯を2杯食べて満腹になるくらいの量でした。朝食の配膳は8:00からです。でもこれは希望があれば早く持ってきてくれるようでした。メニューは、山菜の和え物2皿、温泉卵、しゃけ、納豆、香の物、味付け海苔、味噌汁、御飯でした。こちらも程よい量で美味しく頂けました。
(夕食) (朝食)
■接客 電話で予約をすると予約確認書、宿のパンフレット、宿までのアクセスルート、そして宿周辺の観光マップを郵送してくれました。周辺のマップや宿までのアクセスルートは詳しく書いてあり、助かりました。電話で予約しただけで、何の案内も来ない宿も多い中、予約確認書とともに、このように役立つ情報を併せて郵送してもらえると安心ですし、助かります。部屋ではお布団は自分で敷くように片隅に置かれており、総じてあまり世話を焼かずに客の自由にさせてくれるように感じました。従業員の方々は皆さん丁寧な接客で特に不満に思うようなこともありませんでした。行く前に事前にメールで数回やりとりさせていただいた「大番頭(せがれ)」さんもありがとうございました!
(宿のオフィシャルHPはこちらから)

■源泉チェック■
無色透明
泉質 含石膏硫化水素泉
源泉温度 56度
湧出量 170リットル/分
PH 7.0
湧出状態 自然湧出
飲泉