かぐや姫



 まさこ姫はねむり姫や親指姫、人魚姫など姫様関係?の物語を幼少時から乳母に読み聞か
されて育ちましたが、その中でも一番の好きな物語が「かぐや姫」です。かくや姫に関する本は
ぴぴに命じて世界中から取り寄せて全てを読破してしまったほどです。
 ここでは、まさこ姫からみなのものに「かぐや姫」のお話を賜ります。

 むかしむかし、まさこ姫のおおばば様もまだ生まれていないころの話でありまする。
あるところ・・・、多分みやこの近くでしょうか?う〜ん、 奈良かな?鹿が出てこないから、
違うのかな?まさこ分かんない(ToT) まあ、いいか!
 とにかくおじいさんとおばあさんが二人ですんでおりましたとさ。

 おじいさんは竹細工の職人で、竹藪に行って竹を取っては籠とか作っておりました。
ある日、竹を取りに行ったら金色に光るあやしい竹がありました。
それを見ておじいさんは怖くて、家に逃げ帰りました。おばあさんに報告すると欲たかりのおば
あさんはすぐさま飛んで行って光る竹を切ってみました。
 
すると、小さなおんなの子が入っておりました。「おやまあ!黄金が入っていると思ったのに。
おんなの子が入っていたとは・・・。せめておとこの子だったら、じいさんの手工に出来るのに!
残念残念!見なかったことにしよう。」と家に帰ってしまいました。

 家に帰っておばあさんからことの顛末を聞いたおじいさんはおんなの子が哀れに思って、「ワ
シの食べ物を分けるから家で育てていいかナ!」とおばあさんに聞きました。「あんたが、みん
な世話をするなら好きにしな!」と言われて家で育てることになりました。
おじいさんが「家具屋」という屋号だったので「かぐや姫」と名付けられました。

 それからおじいさんが竹を取りに行くと竹から小判がどんどん出てくるようになりました。
 このことが知れると小判をみんなおばあさんに取り上げられ、反物や宝石などの買物に使わ
れると思ったおじいさんは、おばあさんに内緒でかぐや姫に鰻や鮑など栄養のある美味しいも
のを食べさせたので、3ヶ月ほどで美しい大人の女になりました。
 そしておじいさんは富くじに当たったとおばあさんに嘘を言って竹から出た小判を使って御殿
を建てて長者さまになりました。

 大人になったかぐや姫の美しさは光輝きその噂が国中に広まり世間の男達が放っておきま
せんでした。
 かぐや姫と結婚したい男達が各地で血みどろの戦いをして最終的に5人がかぐや姫のもとに
やって来ました。   

  いしつくりのみこ
 くらもちのみこ
 あべのおとど
 おおともだいなごん
 いそのちゅうなごん 
  以上のくらいのたかいひとびとでした。

 かぐや姫はそのメンバーのひとたちとは結婚するつもりがなかったけれど、退屈の虫が騒
ぎ、話をオモシロくしようとひとりひとりに大変難しい条件を出して「その品を持って来ないと結
婚してあげないでござりまする。」と高飛車に言いました。
 五人はかぐや姫の注文を承って帰りました。

 一人目のいしつくりのみこには、「天竺にあるというおしゃかさまが使われた石の鉢」を申し付
けました。
 しかし、遠い天竺に行くのは大変で死ぬかもしれないので、天竺に旅に出たふりをして鄙び
た温泉で隠れていました。そし温泉街の土産物屋からそれらしい鉢を買って帰りました。
 かぐや姫に「これが苦労して手に入れた例の鉢です。」と渡しました。
 かぐや姫が鉢を裏返して鉢の底を見ると「中国製」と書いてあったので贋物であることを見破
りました。諦めたみこは隠れていた温泉に戻りそこで暮らしました。今のいしつくり温泉です。

 二人目のくらもちのみこには、「蓬莱の島にある金と銀の根と茎で真珠の実がなっている枝
を申し付けました。
 みこは船で出かけたように見せかけて上手な飾り職人に例の枝を作らせました。
その枝を持って大自慢でかぐや姫に持って行きました。さすがのかぐや姫もあんまりりっぱな
宝の枝なので、やっぱり結婚して、枝だけ貰ってすぐに離婚しようかな!と思いましたが、念の
ため、枝を噛んでみました。微かな錫の味がしました。「おや?混ぜ物が・・・。」と言うと、
「恐れ入りました!」とみこが謝りました。そうです、材料費をケチって純金にしなかったのがバ
レテしまったのでした。あとわずかな金を惜しんだためかぐや姫の莫大な財産を狙った逆玉の
輿作戦が失敗しました。

 三人目のあべのととどはに「中国にあるという火にくべても燃えない火鼠の皮衣」を申し付け
ました。あべのおとどは大変な大金持ちでした。金に糸目をつけず一流商社に買い付けさせま
した。大枚叩いて買った衣をかぐや姫に持って行くと「火鼠の皮衣は火に入れても燃えないわ
よねエ」と言って、火の中に皮を投げ込みました。
 すると皮衣は「ボム!」といって煙を上げ「あちち!」と走って逃げました。ぶんぶく茶釜の狸
だったのです。ばったものを売りつけた商社は今でもTVショッピングとかで人を騙しています。

 四人目のおおともだいなごんには「竜の首にある五色に光る玉」を申し付けました。
 だいなごんは河内南大学応援団出身の猛者だったので、本当に竜の首の玉を取ろうと船で
出かけました。航海の途中で学生時代から犬猿の仲の商船大学応援団の船と出会い喧嘩に
なって、大怪我をして竜の玉どころの話でなくなり帰って来ました。
 かぐや姫が籠盛を持って見舞いに行くと「海は商船大学の連中の縄張りだからもう諦める
よ。」包帯でミイラ男のようになっただいなごんが言いました。

 五人目のいそのちゅうなごんには「ツバメの巣にある子安貝」を申し付けました。
家来にツバメの巣を見つけさせては子安貝を探させましたが、見つかりませんでした。
焼き焼きしたちゅうなごんが岩場に登り自分でツバメの巣の中を捜しました。
「おやまぁ!これかいな?」巣の中から取り出したら子安貝ではなく、ツバメの糞でした。
「汚い〜!」と手を振った拍子に、梯子から下に落ちました。
 手に掴んでいたツバメの巣をちゅうなごんが悔し紛れに齧ったら美味しかったのでその後、
ツバメの巣が食用になりました。

 こうして五人のいずれもかぐや姫をお嫁さんにすることが出来ませんでした。
 かぐや姫は、ほっとして喜びました。

かぐや姫の噂を聞いた帝がに秋になり、庭では虫の声が響き、夜空には月が輝きます。

ところが、かぐや姫は月を眺めながら、涙を流すようになりました。

おじいさんとおばあさんは、その様子を見て心配しました。

「かぐや姫は病気だろうか?」
かぐや姫は毎晩月を眺めて泣き続けました。

「なぜ、月を見ながら悲しむのですか?」二人は、かぐや姫に尋ねました。
「はい。私は、訳があって、月からこの国に遣わせれてきました。
ところが、今度の十五夜の満月の晩が来たら、月から迎えが来て帰らなければならないので
す。」驚いたおじいさんは、帝にかぐや姫を守ってくれるように頼みました。

かぐや姫を后に望まれておられて帝は驚いて、家来に屋敷を守らせました。
やがて美しい音色と共に雲に乗った月からの使いが降りて来ました。
家来達は、矢を月からの家来に向けました。
ピカーッ!眩い光で、家来達は眼が眩みました。
「お願です。どうか、かぐや姫を連れて行かないでください。」
おじいさんとおばあさんは、泣きながら頼みました。
でも、かぐや姫は涙を浮かべて、手を振りながら言いました。
「おじいさん、おばあさん、今まで大切に育ててくださってありがとうございました。
さようなら・・・・・・。」
かぐや姫を乗せた車は、静かに月に向かって昇っていきます。

「さようなら、かぐや姫・・・・・・。」
「さようなら、おじいさん、おばあさん。いつまでもお元気で・・・・・。」
かぐや姫は、振り返り振り返り手を振っています。
やがて、月からの使いとかぐや姫は、十五夜お月様の中に消えて行きました。




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