TU870改造
TU870(キット)特性改良
<このアンプについて> 製作2003.10頃〜
このアンプは、この世界にはまる(のめり込む?)きっかけになったアンプです。
小さなアウトプットトランスですので、特に低域についてはそれなりの音しかでません。(そ
れなりといっても、そこそこ出ます)
今となっては、このアンプの製作がその後の製作の為に本当に必要だったのかは微妙ですが、
何事もきっかけがないと始まりません。
周りに同じ趣味の友人がいなかった事もありますし、まあ必要だったのでしょう。
でも、意外といい音なんですよ。
TU870でWEB検索するとたくさん引っかかります。このキットから真空管アンプの世界に
入っていく人はかなりの数がいるはずです。
それは、このアンプの製作のし易さ、特性的、価格的な設定が上手だからだと思います。
まず、真空管アンプキットとして価格がかなり安い。
それでいて、真空管アンプの音色の特徴は、はっきりと出ています。元々6BM8という
真空管がいい音を奏でるというのも理由でしょう。
そのため皆さん決まって次のようなパターンでこの世界に引き込まれていきます。
@まず、半信半疑作ってみる。
Aトランジスタアンプとの音色の違いに驚く。
(このことは、私の家族全員がブラインド試聴ではっきりと認識しました。)
Bしばらく聴き込む。
C少したつと、少し物足りなくなる。その感じ方は人によって異なりますがもう少し
違った物が欲しくなる。(低音のボリューム感であったり、出力パワーであったり、
クロストーク特性であったり、ダンピングファクターであったり)
この先は人それぞれでしょうが、私の場合は自分で設計製作出来るようになりたいと
思いました。
<製作>
キットですし、WEB検索すればたくさん出てきますので省略です。(^_^;)
また、コンデンサや抵抗の交換で音が激変する方もいらっ
しゃるようです。。。。(^。^)
私の場合は、そっち方向には行きませんでした。(理解不可能でした)
申し訳ありませんが、通販店主のコメント等で「○○(メーカー)をxx(高級メーカー)に変えると
音が激変して、いい音になりました。みなさんもいかがですか」ってのが気持ち悪いんです。。。
そんなに激変していい音になるなら、部品変える前は酷い音だったのでしょうかねえ。
部品交換する前の製品そのものは、別の商品紹介のページで「とてもいい音ですよ」って言ってるじゃないですか。。。
それよりも、真空管の銘柄(内部構造が違う物という意味)や構成、回路や部品の定数によって
音が変わるのでは無いかと思ったわけです。
(自分の耳が鈍感なのかも知れませんが(^_-)-☆)
・回路図
説明書の回路図です。かなり見づらい回路図ですね。別に回路図起こし直ししてあります。
すると、改善したい点が浮かび上がってきました。
<特性改善>
・低域改善
カソードのコンデンサの容量を大きくします。それと、段間のコンデンサも大きな物に変更しました。
低域改善@:C1,C2(0.1μF)→0.33μF、C3,C4(0.022μF)→0.33μF、C7,C8(220μF)→470μF
低域改善A:C1,C2(0.33μF)→330μF
・高域改善
こちらはちょっと注意が必要ですね。下手にいじると超高域での発振が怖いです。
波形を見ながらNFBにパラるコンデンサで補正でしょうか。
但し実施にはあるコンデンサを取り去ることで特に問題はありませんでした。しかもピークは特に現れ
ませんでした。
多くの方が製作するキットですから、元の回路が安全第一の設計になっているのではないでしょうか。
<特性測定結果(改善含む)>
製作中(データ加工中)
なんといっても、クロストークが特筆です。(ひどいもんです)
安価なキットですからしょうがないですが、、、しかも主要回路はプリント基板構成なので
改造しようにもちょっと厳しいです。シングルアンプのキットは、どれもこんな感じと思います。
改造後の波形観測
特に不安定なところは見受けられない。容量負荷のみで追加測定を予定
10kHz

10kHz+0.1μF

負荷open

update 2004.12.10