イトマキエイ

毎年この季節になると、 イトマキエイの大群が遠く太平洋の彼方から波左間の海に回遊してきます。
彼らの大きさは2〜3m位がほとんどで、 20〜40匹で群れをなして行動します。
ところが彼らの一部は運悪く、波左間の沖に設置してある定置網に入ってしまい、 処分されるのが現状です。

イトマキエイが処分される理由

定置網には、イトマキエイと共に アジ・サバ・タイ・ブリ・ヒラメ等の様々な魚類も一緒に入ります。
網を手繰りよせ狭めていくと、イトマキエイは暴れだし、 他の魚達がイトマキエイの重さで傷付いたりつぶれたりして、 魚の商品価値は半分以下になってしまいます。 商品価値がなく、 また、最低重量が200Kg以上もあるイトマキエイを 定置網の外に無傷で逃がす時間・手間・余裕は漁師達には全くありません。 そのため、イトマキエイが暴れる前に網内で処分してしまわなければ、 本来の定置網漁が出来きないのが現状です。

 そこで我々は定置網の漁師と話し合い、 イトマキエイ捕獲に対する手間と時間を含む費用を我々が負担して 全てのイトマキエイを買い上げることにしました。
 その代わりに捕獲された一部のイトマキエイには 我々の企画に一役買ってもらうことにします。
その企画とは、水深−7mの場所に設置された直径50mの網枠に 捕獲されたイトマキエイを一時放し、 網枠の中でイトマキエイの回遊期の間、 ダイバーとイトマキエイが触れ合うようにすることです。
当然、網枠に放たれたイトマキエイ達は約20日後には大海に放します。

 波左間の定置網漁が始まってから今日までおよそ60年もの間、 イトマキエイは害魚として扱われてきました。
波左間におけるイトマキエイの年間平均捕獲数は約300〜400匹です。
 このイトマキエイ達の命を少しでも救えるならばと思い始める企画ですが、 イトマキエイ達を定置網から救出するだけでも膨大な費用が掛かります。
したがいまして、一時的とはいえイトマキエイを観光資源として扱う事を 皆様にご理解して戴き、 ご協力の程をせつにお願い申し上げる次第です。



以 上

波左間漁業協同組合
波 左 間 海 中 公 園



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