日本語の共通語を学ぶ
〜発音・アクセントなどの基礎から〜

この講座は、NHKアナウンサーを37年間勤めた越智和憲アナウンサーが、新しい教材を取り入れ、現代にフィットした日本語講座です。準備ができ次第「新大阪」で開講します。お問い合わせはメールでどうぞ!!→kazunori-ochi@mub.biglobe.ne.jp
チェックザ敬語◎「きょう、社長は会社におられますか?」この表現についてあなたはどうお考えになりますか?正解は→「きょう、社長は会社にいらっしゃいますか?」です。方言で「おる」を尊敬語として使う地域がありますが、共通語では、「おる」は謙譲語で、「私はここにおります。」など自分の動作に使い、へりくだって使います。その謙譲語「おる」に、いくら尊敬の助動詞「れる」や丁寧の助動詞「ます」をつけても、相手側の人には使えないのです。もっとも面白いことに、「私はここにおるぞ」など尊大な表現に使われることもあります。■■表現検討 ▼猫にエサをあげる。 この使い方はどうでしょうか?「あげる」というのは低い方から高い方へもっていくという「謙譲語」です。ですからこの使い方はおかしいのです。でも若い人を中心にかなり頻繁に使われています。これは、現代語では「やる」の丁寧な言い方だと思って使うのではないかと思います。「子供に本を読んであげる」というのも同じ感覚からでしょう。→それなら、「エサを与える」とか「本を読んで聞かせる」と言ったらどうでしょうか。 

●●次のやりとりを、どうお考えでしょうか? (居酒屋での会話)▲「もう、おあいそ致しますか?」(編集部見解)○「お勘定」「お会計」と言ったほうがいいでしょう。何故なら、「おあいそ」は「愛想尽かし」から転じたことばで、もともとは、「客が帰る」という業界用語だからです。