= 終 秋 =

 

早朝に家を出て神岡側から有峰を目指す。
徐々に高度を上げると、
山肌は秋のグラデーションに包まれ
登ったばかりの陽光に朝露がまたたく。

吐く息が白く漂うくらい冷えた朝。
10月も終わり。。。
こんなに冷えた朝は所々に霜を降らせ、
峠付近では昨晩降った雪が
ちらほらと広葉樹を覆ってる。

しばし車を走らせ、有峰が近くなる頃。。。

あたり一面色付いた唐松林が
スクスクと天を突いている。
車を止め、天を仰いでシャッターを切った。
いつの間にか傾いた光が、針の一本一本を照らし
惜しむかのように、徐々に上へと登っていく。。。

時折渡る風は、名残の葉を揺らし
やがてサラサラと音を立てて舞い落ちると
足元一面は山吹のじゅうたんとなって
黒い幹をさらに際立たせている。。。
サラサラ。サラサラ。。。。
もうじきこの林道も、通行止めを迎える。。。

有峰(富山)

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