・BR 60532,LNER A2 "Blue Peter"

 イギリスのBR60532は現在、静態保存されています。A2という形式は2種類あり、アーサー・ペッパーコーン氏による設計と、エドワード・トンプソン氏による設計があり、これは前者になり、1943年から1948年にかけて15輌製造された、パシフィック型(4-6-2)の旅客用蒸気機関車です。1号機である525「A.H.Peppercorn」のみLNER時代に作られ、以後は国有化後の製造になっています。本機は1948年3月に、ドンカスター工場で製造されました。製造時はLNER独特のアップルグリーンに塗装されましたが、1949年の検査の際、イギリス国鉄のダークグリーンに塗り替えられました。1966年に廃車になりましたが、解体を逃れ、個人に売却され、1968年には動態復元されました。その際LNER時代のアップルグリーンに復元され、ナンバーも「60532」からLNERナンバーの「532」に改番されました。1987年には再度イギリス国鉄カラーに戻されました。1994年に起こった故障により、1年半かけて修復作業が行われ、2002年の検査切れになるまで活躍しました。その後ダーリントン鉄道博物館に保管、展示されましたが、2007年から博物館の改装工事が始まったのを受け、本機はバローヒルに移され、そこで製造時の姿に戻されました。
 モデルはGraham Farish製で、前端梁周りを中心に加工を行いました。テンダーモーター、テンダードライブです。

A1とそっくりですが、全長が少々短いです。

写真では判りにくいですが、ナンバープレート上の手すりが、本機は左右に分かれています。

動輪径がA1が2032mmなのに対し、A2は1880mmと小さく、
ホイルベースもその分短くなっているので、全長が短くなっています。

キャブはA1と全く同じ形状です。
従台車枠は上廻りに固定し、従台車のみ首を振るようにしています。

A1「Tornado」ではデフレクターのネームプレートがエッチングだったのに対し、
モデルではデフレクターに、じかに印刷されているだけなのが残念な点です。

以前は大きな汽笛を煙室部分に装備し、それを操作するための操作ロッドが取り付けられています。
現在では汽笛は取り外されましたが、ロッドは残っています。

非公式側のエキセントリックロッドと加減リンク、モーションプレートが購入時に無かったので、自作しました。

LNERカラーでは、従台車、テンダー台車廻りに赤いラインが入っていますが、イギリス国鉄カラーでは真っ黒です。

Tornadoとは異なり、テンダー側面にリベットがあります。

リベットだらけのテンダー後妻です。

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