・A-4 4468"Mallard"

 イギリスのA-4 4468号「マラード」は、現在、ヨークにあるイギリス国立鉄道博物館に静態保存されています。ロンドン&ノース・イースタン鉄道(LNER)のA-4として、1938年にドンカスター工場で製造されました。A-4は合計35輌製造された機関車です。本機は1938年7月3日に下り坂ではありましたが、蒸気機関車では世界最高速度記録の203キロを達成しており、その時の速度記録のエンブレムがボイラー横に取り付けられています。1963年に現役引退、1988年には50周年を記念して動態復元されましたが、2003年にボイラー検査を通過できず、あえなく静態保存となってしまいました。
 モデルはDapol製の4468号機をベースに、前部カプラーを取り外し、先台車や前面の加工、エキセントリックロッド、リターンクランク、オイルポンプ作動ロッド、排障器の追加、速度記録のエンブレムの再現、ハンドレールの磨き出し等行いました。艶消し塗装だったので、全体に艶ありクリアーを吹いて、現在の保存状態を再現しています。

流線型の機関車です。
細い白や赤のラインも綺麗に再現されています。

赤い動輪が目立ちます。

見えにくいですが、「SCARBOROUGH SPA EXPRESS」のヘッドマークを付けています。
ネジ式連結器は付属パーツを用いています。
先台車にアーノルドカプラーが取り付けられていた関係上、少々前面の流線型カバー下部が
切り取られた形状になっていたので、そこをプラ板を用いて復元しています。
排障器も取り付けています。
ドレイン管もハンダ付けにて製作しました。
勿論カーブを走行するのには支障ありません。

「MALLARD」のネームプレートはエッチングで再現されています。
エキセントリックロッド、リターンクランクが省略されていたので、追加しています。
第2動輪上にある速度記録のエンブレムは、銀河モデルのテールライト(N-022)を加工して用いています。
ドレイン管が目立ちます。

キャブ屋根の幌も再現してみました。

煙突はダブルになっています。
煙突後ろにある7つの小さな穴も再現されています。
煙突の前にあるのは汽笛です。

第2/第3動輪間の上にあるオイルポンプ箱と第3動輪から続くロッドも再現

整備性の悪さから、足廻りのカバーは戦中から取り外されていましたが、保存に際して復元されました。

この角度では判りませんが、キャブとテンダー間には、渡り板が取り付けられています。

テンダーの形状は、A-3”FLYING SCOTSMAN”とほとんど変わりありません。
車輪も赤く塗装されています。

貫通路用ドアがないため、すっきりしています。

<写真提供:樋口様>

「外国蒸機」へ戻る

「展示室」へ戻る