アイランド The Island | |
中盤以降のカーチェイスや取って付けた様な終盤など不要。もっとテーマは深いところにあったのでは?一方、役者は素晴らしいパフォーマンス。真実を明かすことを迫られたS.ブシェミの困惑振りはかなりツボだ。 |
頭文字D Initial D | |
Vシネマっぽいドラマ。「いや、ここを見てくれ」と言わんばかりの、CGなしのカーアクションは見ごたえあり。惜しむは日本人で作れなかったことくらい。日本の背景に台湾風の掛け合い。それも味か。 |
姑獲鳥の夏 Ubume no Natsu | |
長編原作の映像化は難しい、ならば・・・という思い切りの良い開き直りはなく、グダグダな脚本。演出は実相寺節と言う勿れ、古典と現代の悪い所取り、これも中途半端。しかし、いしだあゆみには唯一救いを見た。 |
花様年華 In the Mood for Love | |
60年代香港を舞台に描かれる大人の恋。互いの伴侶の不倫を知り、惹かれあいつつ、吹っ切ることもなく淡々と逢瀬を重ねる。屋台の電灯に映えるチャイナドレス。M.チャンは極めて美しい。 |
銀河ヒッチハイク・ガイド Hitchhiker's Guide to the Galaxy | |
開始から独特のユーモアセンスで突っ走る。しかし、食傷気味のベタネタに中だるみ。筋はないが、その中で「どうやってまとめてくれるんだ」という願いは、最後に何とか叶う。ひねくれ方がいかにもブリティッシュ。 |
キング・コング King Kong | |
暴れまくるコングを見て、怪獣パニック映画というなかれ。尺の長さを全く感じさせない脚本、N.ワッツら素晴らしい役者、それを見事に掘り下げる演出に、我々の心は囚われる。悲しい愛の物語に感動せよ。 |
功夫 Kung Fu Hustle | |
少林サッカーでおなじみの「冴えない変なやつら」が、所狭しと大暴れ。馬鹿馬鹿しいコミカルさを真面目な顔でこなすのが独特の味を醸す。一方、C.シンチーの出番は控え目。もっとロマンスを絡ませるのもアリでは? |
七剣 Seven Swords | |
話は「グリーンディスティニー」の方が上、映像は「Hero」の方が上。組み立てが根本的におかしい。背景描写も中途半端なまま、ショートカットでとにかくチャンバラ。特撮ヒーロー物としてみれば腹も立たないのだが。 |
シン・シティ Sin City | |
アメコミ原作らしさを出したのか、モノローグで描写力を償い、白黒パートカラーというテクで繕っても無駄。暴力とグロの連打で観客を麻痺させるだけなら、ホラー映画でいい。ハードボイルドと言う勿れ、勘違いだ。 |
スターウォーズエピソード3 Star Wars episode3: Revenge of the Sith | |
中文にて見。「全てを解き明かす」というふれこみ通り、ファンにはうれしいネタばらしの連続。しかし例によって感情移入はなく、驚きも全くない。最後の最後まで同じ調子で造らねばならなかったG.ルーカスに同情。 |
ソウ2 Saw 2 | |
続編という不安をよそに素晴らしい出来。少々血が多く痛いが、よく練られた伏線にうなる。前作の閉塞感からうまく脱却した動きのある筋立て。そしてたどり着いた最後の舞台に慄然とし、衝撃の結末に驚愕。 |
誰も知らない Nobody Knows | |
最後まで登場人物が一滴も涙を流さないのにかように悲しいのは、演出と役者の勝利。しかし、日常の豊穣のすぐ隣の孤独な飢え、その波際感を描くならば、あの「第三者」は何故そんなところに?脚本の蛇足。 |
ダークウォーター Dark Water | |
「ハリウッド新機軸」とのフレコミだが、極めて日本的で我々には却って馴染む。ラストに向けての展開が少し弱いが、湿った質感、疎外感、孤独感は上手く作り上げている。観後の生温い余韻が心に滲み通る。 |
天下無賊 A World without Thieves | |
中文DVDにて見。役者がいい仕事をすれば、言葉は理解半分でも微妙な心理の駆け引きがにじみ出る。そして、疾走する狭い列車の中で繰り広げられる手錬手管の数々に、いつしか我が心は盗まれる。 |
ネバーランド Finding Neverland | |
ピーターパンをモチーフに「〜症候群からの脱却」的な安易な筋とならず、各々悩める登場人物のどれかに観客が共鳴できる巧い作り。「本作で円熟」と評されるJ.デップはこの位出来て当然、とは厳しいか? |
バットマン・ビギンズ BATMAN Begins | |
中文にて見。ご都合主義をスパイス程度に押さえ、主人公の内面を繊細に描写。M,ケイン、G.オールドマン、M.フリーマン、L.ニーソンなど脇も実に堅い。それでいてカタルシスやヒロイックな格好良さも備えた佳作。 |
ハリー・ポッターと炎のゴブレット Harry Potter and the Goblet of Fire | |
敵役もついに姿を見せて、雰囲気はますますダークに。絵も美しく本が上手いので満足だが、詰め込み過ぎは否めない。観客の原作読/未読に関わらずどんでん返しは不要と開き直って、もっと整理できぬか? |
ヒトラー最期の12日間 Der Untergang | |
狂えるヒトラー、それを囲む軍人・民間人・その家族の群像劇。「es」のO.ヒルシュビーゲルは、またも閉塞された人間の極限状態を見せつける。人の何と愚かな事か。そう、「若さや無知は言い訳にはならない」のだ。 |
ブラザーズ・グリム The Brothers Grimm | |
T.ギリアム監督+あのキャスティングなら期待もしようもの。しかし謎解きもカタルシスも安っぽい。古典童話を食い散らかしてハリウッド調にした理由は何か?「バロン」ほどぶっ飛べば、まだ救われたのになぁ。 |
ミリオンダラーベイビー Million Dollar Baby | |
残念ながら全く泣けず。偏屈過ぎて感情移入ができぬままトントン拍子の嘘臭さ。あの「悲劇」からは一本調子の展開に先が見えた。役者はもちろん上手いが、心の葛藤・邂逅の発露まで見えぬとはどういうことか。 |