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- 12月15日 -
気が付くと、また一年、経ってしまいました。今となっては、当時の、息をすることさえも困難であった状況を、回顧するしかできません。あれから早いもので2年が経過してしまいました。僕は歳を重ねた以外、何一つ変わることのできないまま、今に至ります。あなたは今どうしているでしょうか。
この、頬に冷たい風が当たる季節になると、あなたを思い出して仕方がありません。しかし、どれ程思ったとしても、あなたは決して還ってきません。残された者達は、皆、故人の冥福を祈るより他にないのです。
今、この国は危機的状況にあるような気がします。弱者ばかりが虐げられるような事件が、後を絶ちません。このような状況を目の当たりにしなかっただけ、早き死を迎えてしまったあなたは、言い方は正しくはないやも知れませんが、良かったのかも知れません。
僕は、もう少し、ここで様子を見ていようと思います。今となっては、あなたはこの世界のことを僕以上に知っていることでしょう。過去、現在、ひょっとすると、未来までわかってるやも知れません。けれども、僕は、僕の目でこの世界を見てみようと思うのです。僕の体で感じてみようと思うのです。そして、いつの日にか、ゆっくり語り合いましょう。それまで、どうかお元気で。
涙脆いのは、どうにも格好がつかないので、この辺で。さようなら。
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