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- 07月02日 -
先日の予告通り、早起きをして学校に行ってまいりました。別段、とりわけ何をするわけでもなく、講義をBGMにバイト先の仕事をしていました。暫くの間、仕事に没頭していたのですけれども、不意に顔を上げ、教授の顔でも拝もうとしたその矢先、僕の机の右端にはなにやら妙な物体がいるではありませんか。
以前の僕は、妖精が見えるほど純粋(ピュア)な心を持っていたわけでありますけれども、現在の僕には妖精など見えるわけが無く、むしろ自らその権利を放棄したかのような、そんな状況でありましたから、ビックリすると同時に、何だか懐かしさのようなものを覚えまして。「久し振り」、と挨拶を交わそうとその物体を見ると、違う。絶対的に何かが違う。まず、見た感じ疲労感が漂っているんです。そして、何より、顔が老けてるんですね。
暫く見ない間に随分と変わったなあと、感慨深くその物体を見ていると、その物体は徐に持っていた鞄から錠剤のようなものを取り出すと、息つく暇もなく飲み込みました。数分後、グッタリとしたその物体は、最早生きているとは言い難い、非情に見苦しい姿をしていました。今日の不況は、妖精の世界までにも波及していると思うと、何だか切なくなりました。
ちなみに、その物体は僕の前に座っていた子のバッグにそっと入れておいたので、心配しないでください。さようなら。
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