- 200306 -

- 06月02日 -
「僕は、僕であって、他の誰でもない。そして、君は、君であって、他の誰でもないんだ。」そう、傍らにいる恋人に僕は話しかけた。恋人は聞いているのか、聞いていないのかわからないまま、ただ黙っていた。僕は彼女を抱き寄せ、呟いた。「僕が本当に必要としているのは君で、君が本当に必要としているのは僕なんだ。」彼女は、ただ黙っていた。

彼女は何を考えているのだろう。ここ最近ご飯もろくに食べていない。ただ黙っているだけだ。僕を困らせようとしているのだろうか。「ねえ、何か言ってよ。」それでも彼女は黙っているだけだった。

ある日、警察が僕の部屋にやってきた。そして、彼女を無理やり連れ去って行ってしまった。僕は警察に思いつく限りの罵声を浴びせかけた。警察の内の一人が言った。『殺人の容疑で逮捕する。』僕は笑ってやった。「何を言っているんだ?彼女は生きている。ねえ、そうだろう?答えてくれよ。」彼女は、やはり黙ったままであった。さようなら。


- 06月03日 -
ふとした日常の陰には、きっと、非日常ってヤツが潜んでいて。僕達はそれに気付かずに毎日を過ごしているんじゃあないかと思います。普段の僕達の視点からは決して覗けないような、そういったところにヤツはいるわけなんですけれども、僕達は一向にヤツに気付かない。ヤツはヤツで寂しがりだったりするもんだから、時折姿を見せる。僕達はヤツの存在に無頓着なわけだから、その次の瞬間に色々な表情でヤツを迎えるんだと思います。ヤツはそれだけで満足で、僕達はその余韻に浸りつつも、やっぱり少し経ったらそのことをだんだん思い出さなくなっていく。そう考えると、何だか非日常ってヤツも可哀相なヤツなんだなあって、そう思ってしまうわけであります。

何が言いたいかって言うと、毎日凄い退屈だってことです。さようなら。


- 06月04日 -
朧気な意識のまま、布団から出てみると、そこにはいつもと変わり映えのしない僕の部屋があるだけでありまして。夢の世界での楽しい時間はどこへ行ったのか、暫くの余韻を噛み締めながら、否応無く、日常と顔を向き合わせなくてはならないことに気付くのです。現実の世界は、幾度となく噛み締めたガムのように、味気なく、吐き出したくなることもしばしばなのですけれども、それでも吐き出す勇気も持ち合わせていないわけでありまして。この日常は、己の力量を知ってしまえば知ってしまう程、何とも興ざめた世界にしか映りません。所詮、僕も「その他大勢」の内の一人にしか過ぎないということは、百も承知でありまして。眩いスポットライトの中に立つことは到底あり得ないことも承知であります。しかし、そのスポットライトの中に、ただの一度でいいから立ってみたいと思う僕は、愚かなのでしょうか。「人生の主役は自分だけである」、誰かの言葉ですけれども、それは勝者が言う言葉であり、そうでなければ、負け犬の遠吠えに過ぎないと思う僕は間違っているのでしょうか。自分が主役でないことは、自分が一番わかります。さようなら。


- 06月05日 -
台風による被害も無く、何だか心配していた自分が寂しくも思えたりするわけですけれども、案外過ぎてしまえばそんなものだと、自分で自分を納得させている僕がいます。思うに、日々の些事の多くは、翌日には頭の片隅にすら残っていないものでありまして、そのようなことに頭を抱えること自体馬鹿らしく思えたりもするわけであります。大きな問題など、そうそう起きるものではなく、悩んでいる最中こそ、正に自分が世界中で最も不幸のような錯覚を覚えたりもしますが、それはやっぱり錯覚なのであります。世の中には、自分よりも悩んでいる人が山程います。そのことを念頭に置いていれば、この世の些事など、気にもならないことでしょう。さようなら。


- 06月06日 -
だんだん、だんだん溜まっていって、遂にコップは溢れてしまいました。さようなら。


- 06月07日 -
あれは先日のことでした。僕が睡眠を貪っておりますと、何やらハタと目を覚ますではありませんか。僕は連続睡眠時間16時間を記録したことのある人間ですので、並大抵のことでは目を覚ましません。しかし、事実、目を覚ましてしまったわけであります。まあ、目が覚めてしまったものは仕方がないと思いまして、再度夢の世界へダイブしようと思ったわけであります。「ズキン」そう、擬音にすると正にこの音が脳に響いたわけでありまして。「ズキンズキンズキン・・・」延々と止む気配のないこの擬音はどうやら僕の奥歯から発せられているものだと気付くのにはそう時間はかかりませんでした。(続く)

続きません。痛い痛い痛い。さようなら。


- 06月09日 -
そういえば、うっかり忘れていましたけれども、実は先日3万ヒットを無事迎えることに成功いたしまして。確か、僕の記憶が確かならば、前回のサイトは3万ヒットを機に閉鎖という、意味の分からないことをしてしまったので、何だかもの凄く達成感があります。だからといって、現サイトを閉鎖するとか、そういったことは今は考えていないのですけれども、毎日見に来てくれる方、時々見に来てくれる方、そして、今日が初めましての方に感謝の意を表明すべく、腹を割ってみせましょう。さようなら。


- 06月10日 -
昨日の「3万ヒットありがとう」の声に反応してくれたのは一人だけでして、なんとも、自分の醸し出しているピエロ感が否めません。そもそも、メールが一通という時点でおかしい気がするのですけれども、それが僕の人徳であると、自分で自分を納得させました。

「メールの返信が滞ってます」って一回でいいから言ってみたい。人類なんて滅んでしまえばいい。さようなら。


- 06月12日 -
日増しに、夏に向けての準備が整っているようで、僕の住む街もまた、徐々にですが気温が上がってきておりまして。僕は冬に生を受けたためか、暑いのは苦手でありますから、正直夏の到来は素直に喜べるものではありません。灼熱の太陽、溶けたアスファルト、陽炎、あげればキリのない夏の風物詩ですけれども、その暑さが手伝っての、夕方における涼しさかと思うと、少々気が紛れたりもします。今年の夏の目標は、「肥満児を少しでも多く殺す」です。さようなら。


- 06月13日 -
お腹の中からこんにちは!(挨拶)最近かまってあげてないせいか、僕の体内の蟲という蟲が悲鳴を上げているわけでありまして。まあ、共生をしているという点で、僕の並々ならぬ彼(等)に対する愛情は相当なものであるわけですけれども、彼(等)にはそれを理解するだけの能力がないわけでありまして。僕が「今までの甘い生活を思い出してこれからもよろしく頼むよ」と、言うか言わないかの内に彼(等)は僕の腹を突き破って表舞台に立ってしまったのでありました。深い愛情ゆえの憎悪であることは、まず間違いありません。(名言!)さようなら。


- 06月14日 -
睡眠薬を大量に摂取した僕の意識は、それはもう、見事な位に吹き飛びまして。気が付けば日付の変わる前から昏々と眠り続け、気が付けば翌日のお昼に目を覚ます始末。どうにもこうにも、薬の力には勝てないと思う次第であります。

さて、昨日と言えば、日の高い内から、友人と公園に居座っていたわけなのですけれども、のどかな風景が広がっているその一角で急に服を脱ぎだす人(50歳くらい)がいまして。おいおい、随分積極的な人だなあと、思って見ていますと、不意に半裸のまま筋トレを始めました。一心不乱に筋トレをしている彼を見ながら思いました。「家でやれ」と。さようなら。


- 06月15日 -
さあ、待ち侘びた日曜日なんですけれども。社会人の人に対して失礼な話なんですけれども、こう毎日が休日みたいな大学生にとって、日曜日は休日でも平日でもない中途半端な曜日なわけでありまして。むしろ、街に人が溢れていない分、ずっと平日の方が素敵でありまして。普段の気忙しい平日があるからこそ、休日が輝いているわけでありますから、僕のような半分フリーターのような生活をしている大学生には、その有難さがわからないわけであります。この状況を打開するためには、やはり平日を忙しくする必要がありまして、まず手始めにしなくてはならないことと言えば、休日にどこからともなく溢れ出てくる肥満児を抹殺することに他なりません!さようなら。


- 06月16日 -
梅雨の季節ということもあってか、雨が降ったり止んだりを繰り返しています。雨と言うものは不思議なもので、戸外に我が身を置いていると鬱陶しいことこの上ないのですけれども、屋内に身を潜めている分には、何と言うか、感慨深いものがありまして。自分は決して濡れないという安心感からでしょうか、「止んで欲しい」という気持ちとは裏腹に、「振り続ければいいのに」と、矛盾した心を抱えてしまいます。

幼少の頃は雨が好きで、傘も差さずに外を走り回っていたものの、何時の間にか、いかに濡れないようにするかを考えるようになってしまいました。大人になるということは、少々寂しいことなのかも知れません。さようなら。


- 06月17日 -
ふと空を見上げると、そこには重く圧し掛かる雲がありまして。まるで、全てを飲み込んでしまうかのような錯覚を覚えるほどに、僕の心は酷く怯えているわけであります。何がどうして、そうなったのかは皆目見当つきませんが、小学生の頃に必死に記録を付けた、真夏のあの朝顔のように、日々刻々と僕の心は変化を遂げていることは明白であります。何時になったら、この重い雲から晴れ間が差すのか。それは誰にもわかりません。さようなら。


- 06月18日 -
僕は愕然としました。今日も、今日とて、絶え間なく過ぎていく日常の、僅かな1コマに過ぎないと言うことに気付いてしまったからであります。明日も、明後日も、繰り返される毎日の1コマに過ぎないということに気付いてしまったからであります。変化など、そうあるわけもなく、『昨日は昨日で、今日は今日』と、人は言うけれど、確かに、日常の些細なことは変わりましょうが、根底にある事象にはやはり、何も変化はなく、時間は無常にも過ぎ去っていくばかりなのであります。

絶え間なく、流れ去る時間の中で、僕は何を見付けることができるのでしょうか。そして、あなたは何を見付けることができるのでしょうか。最後に笑っていられるのでしょうか。さようなら。


- 06月19日 -
Tシャツの当選者が決まりました。当選者の方々にはメールをお送りしたのですけれども、残念ながらはずれてしまった方には、なんだか申し訳ない気持ちで胸いっぱいでありまして、こんな僕の命くらいならば差し上げてももいいんじゃないかなあって、そう強く思いました。強く。もう、どうにでもなれ。さようなら。


- 06月20日 -
吹きすさぶ風の中、僕は一人立ち尽くしておりまして。何かを考えているといえば、考えているのでしょうけれども、実際には、何も考えていないかのような、酷く曖昧な心持でありました。風に揺れる木々を見つめながら、僕は一つの葉を見つけました。小説の一節にあるかのような、風に負けまいと必死に木にしがみついている葉を見つけたのでありました。強い横風を受け、今か今かと舞い散りそうな葉。これでもか、これでもかと吹き付ける風を撥ね退けている様に、何だか己の無力さを恥じてしまいました。さようなら。


- 06月21日 -
雨は嫌だ嫌だと人は言いますけれど、この時期、街には様々な花が咲き乱れます。色とりどりの花は、至る所で咲き誇り、そして、いずことなく消えて行きます。水玉であったり、透明であったり、はたまた、真っ黒であったり。静かな自己主張とも言うべき花を咲かせながら、人は歩みます。そう考えると、雨の日も幾ばくか楽しめそうな気がしてくるのは僕だけでしょうか。さようなら。


- 06月22日 -
そろそろ梅雨明けも間近だということで、本気で夏が近付いているわけでありまして。以前から訴えているように、僕は暑い季節が苦手でありまして、冬のような、寒い季節を狂おしい程に愛しているのであります。考え得る理由としましては、@肥満児が暑苦しいA肥満児が汗臭いB挙句の果てには酸っぱい、などがありまして、まあ、一言で言うと肥満児が憎らしいのでありますけれども、それを街中で公言してしまうと、何処からともなく肥満児達の群れが押し寄せ、その様はあたかも、オームのようになってしまうわけでありますから、迂闊には口に出せないわけであります。僕に唯一できることと言えば、街中を闊歩する肥満児達に向け、食パンの耳を千切った物を投げつけるくらいしかできないのであります。冬が待ち遠しい。さようなら。


- 06月24日 -
方位磁針を失い、荒れ狂う波間に取り残されてしまったかのような、そのような不安な気持ちを抱いたことは誰にでもあることでしょう。態々、自ずからそのような窮地を求むる人などは、ほんの一握りに違いなく、その大部分は、不意に、そう、暗闇から背を押されるかのような突然に起因しているわけでありまして。きっと救われるであろうという、希望すらも許されない状況の中で、唯一信じられるものと言えば、己に他ならず、目を覚ますと、そこには常に明日があると思っている人こそ、その窮地においてですら、己を信ずることなく、絶望という名の波に飲み込まれてしまうのだと思います。楽観的な考えを否定するわけではないのですが、僕自身はやはり、悲観的な人間であると、認めざるを、得ません。さようなら。


- 06月25日 -
僕等の住む、この地球という名の惑星が、実は巧妙に出来たジオラマであったらどうしようとか、そういうことばかり考えて昼間の暇な時間を潰す僕ですけれども。昔にあった映画ではないですけれども、自分だけが知らされていなく、自分の今までの生い立ち全てが虚構のものであったらどうしようとか、そういうことを考えるとなかなか胸の奥から込み上げてくるものがありまして。道行く人や、普段接しているあの人までが用意されたキャストであったら。そういうことを思い浮かべると眠れなくなってしまうので、僕は今日も、今日とて、睡眠薬を飲むわけであります。さようなら。


- 06月26日 -
日々の生活の中で、物の大切さというものは、なかなか感じる機会がありません。人は常に無いものねだりでありますから、今あるその物事態の大切さを常に見過ごし、新たな物を欲するわけであります。その考えから察するに、日本人の平和慣れしてしまったこの現状は、真に危険な状態でありまして、このままですと、平和が当たり前と錯覚し、平和を壊す行動に出る可能性が多いにあるわけであります。この危険性を孕んだ現状を打破するためにも、平和慣れした人々に警笛を鳴らすためにも、僕は今日も市内を刃物を持って闊歩するわけであります。(すぐさま逮捕されました)さようなら。


- 06月27日 -
重い瞼を開き、周囲を確認したところで、周囲には昨夜の暑さを感じさせるかのように、ベッドから落ちた掛け布団があるばかりでありまして、何一つ代わり映えのしない毎日がそこにはあるのです。望むべき理想さえも、既に霞んでしまい、あるのは目を覆いたくなる程の、非情なまでに冷たい現実でありまして。僕の存在など、所詮は日本という名の巣における、一匹の蟻に過ぎないのでありますから、何かを望むことも、何かを欲することも、結局は戯言の一つとして片付けられてしまうわけであります。最近、心を動かされるようなことがありません。さようなら。


- 06月28日 -
屈託のない、その笑顔の奥に、どれだけ醜悪な気持ちが隠されているのであろうと、一人床の上で考えていると、寝付かれなくなるのです。僕の周りには、幸いなことに、たくさんの人々がありまして、その中に、本当の友人とも思われる人は数えるばかりであります。残りはというと、さも、友人の素振りをしているだけであり、取るに足らない諸事に対して己が見解を述べている、云わば僕を案山子か何かと決め込んでいるような人の集まりに過ぎないわけであります。僕はと言えば、その場の雰囲気と申しましょうか、そういったものを出来る限り壊さぬよう努めるばかりでありまして、全く以って、心休まることがありません。

調子を合わせて、道化を演ずるが吉なのかどうか、僕には判断しかねますが、自惚れでもなく、過信でもなく、僕は唯、心休まる場所が欲しいと切に願うばかりなのでありました。僕の考えが古いのか、周りの考えが新しいのか。どちらにしろ、僕の思いは、ただ空を切るばかりであります。さようなら。


- 06月30日 -
その知らせは、あまりにも突然にやってきました。僕の携帯電話に一件のメールが到着したのです。件名は「無題」、見ると差出人の名前は高校時代の級友からであった。懐かしさに似た思いを胸にしながら、メールを開くと、そこには同じく級友であった友人の、突然の死の知らせでありました。悲しみは、不思議と湧いてきませんでした。冷酷だと思うでしょう。しかし、僕の胸に飛来したのは、友人の死という現実ではなく、色褪せることのない、思い出ばかりでありました。一緒に馬鹿をやりました。隠れて煙草を吸いました。その思い出は、きっと、消えることはないでしょう。

君から学んだ煙草は、今の僕の生活には切っても切り離せない物になりました。君と一緒に見た夕陽は、今でも覚えています。あの時皆で作った鍋で温まりました。全て、思い出になってしまいました。どうか、安らかに眠ってください。さようなら。

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