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- 03月04日 -
僕が夜道を歩いておりますと、僕の頭上に流れ星が瞬きまして。何を思ったのか、僕は「歴史に名を残したい」と、今考えると奇妙な願いをしたわけでありまして。すると、僕の体がみるみる内に輝きまして、書物にその姿を変えました。その名も「日本の歴史」。おいおい、まるで見当違いのことをしてくれるじゃないか、と思っていましたところ、通りを歩く誰かの足音が聞こえてきまして。「おうい、ここだここだ。助けてくれないか。」と、助けを求めようとしたのですが、いかんせん、僕は書物の身。声どころか、音すらも出せない状況。道端にある「日本の歴史」など、誰の関心も買うわけもなく、僕は、可燃ごみの日に、焼却された。
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