ACT1 BARK AT THE MOON
〜月夜と犬と銀豹と〜

                                                     4.ダークヒーロー誕生

ここに新しい二人のダークヒーローが誕生しました。


■鏡弁護士事務所

GM:場面は変わって鏡弁護士事務所。東京の摩天楼を一望できる高層ビル群の一角。広々としたテラスで大馬は気持ちのいい夜気に身体をさらしている。
大馬:よし。さきほど鏡さんにもらったスーツのズボンだけ穿いて上着は着てない。また一段と逞しくなった上半身を夜気にさらして摩天楼を望んでいる。上着は指に引っ掛けて背中に背負っている。

GM:「落ち着きましたか?若」と大馬の背後から鏡が声をかける。
大馬:ふふん。身体の火照りはおさまったかな。ありがとよ。鏡さんよ、このスーツずい分と上物だけどもらっちゃっていいのかい?
ビスマルク:おおっ!なにげに喋り言葉まで逞しくなってるぞ!
GM:「もちろんですよ。それは若の為に用意した物ですから」と鏡。大馬は気付く。背中に背負った上着の襟元に「八重桜の代紋」がある事を!これは桜神会の紋章です。「いつでもお帰りをお待ちしておりますよ」鏡は伴組長が紅虎組の幹部の席を用意している事を大馬に伝える。
大馬:ふふん。親父に言っといてくれ、鏡さん。俺は堅気だよ。
ビスマルク:いやいやもう違うだろ、と大馬の下で首を振ろう。


■ビスマルクの生い立ち

大馬:今日の事件。俺やビスマルクの身体のこと。あんたの知ってること教えてくれねえかい?まあ、言える範囲でもいいぜ。そちらにも事情があるだろうからな。
GM:「では本題に入りましょうか。」と鏡は今日の事件の事を話し始める。
ビスマルク:そこで俺が割って入ろう。ちょっと待った。この件は俺に説明させてくれないか?まず俺がこうしてあんたに話している事から説明しよう。

昔話になるが聞いてくれ。あんたが子どもで俺が子犬だった頃、俺は交通事故で死の境にいた。俺の生存をあんたが親父に切望したおかげで、俺はこうして生きている。その頃から俺の知性が発達し、あんたらの言葉も理解し操れるようになった。なんでも事故後の手術の際に、”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”ってのを身体に入れられたらしい。もう説明するまでもないが、さっきの化け物の姿も”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”の力さ。もう察しのいいあんたなら分かると思うが、あんたの中にもそれがいる。俺の中にいる奴より強力な奴がな。

大馬:そういや子供の頃にそんな事故もあったっけな…。社会に出て大人になり、そんな思い出も忘れちまっていたな。ビスマルク、俺らはどうやら仲間のようだな。仲良くやろうぜ。


■大馬の再生

GM:「ビスマルクの様に”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”の力を抑える事が出来ればいいが、それが出来ない者は繭さんを襲った奴らのように、”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”に支配されるという訳です。若もこの強力な力に依存していると自我を失いますので十分注意してください」と鏡は一般的な説明をしよう。大馬への伏線的な部分はあえて喋らないです。
大馬:気をつけるよ…。テラスの端のフェンスに向かって歩き出す。バサっとスーツの上着を鏡に投げて渡す。
GM:「若…」と鏡。

大馬:さあてと。この”悪魔寄生体”の力、どう使おうか?都会の摩天楼を眺める俺。無骨だが愛嬌のある顔に逞しい笑みを浮かべる。そしておもむろにフェンスを乗り越え空中にダイブする!

ビルの谷間を落下する。手足を力いっぱい広げて、全身を都会の夜気が打つ。自然と俺は咆哮を上げている。”悪魔寄生体(デモンパラサイト)”の力か。好きに使うさ!俺の目は明日を見ている、今までより少し輝いてみえる明日を…。

ビスマルク:おいおい、言ってるそばから『衝動』に身を任せてるじゃないか。って、おいっ!ここは地上34階、高さ119メートルあるんだぞ!!
GM:ヴォージェは飛べませんからね。「わ、若ーーっ!」と鏡はベランダから下を覗き込む。
ビスマルク:月夜に野獣は良く似合うな。月光に美しいシルエットが栄える大馬の姿を見ながらつぶやく俺。
GM:「呑気に言ってる場合かーーっ!」と鏡。【幸運】判定でクリティカル出さないと死ぬな…。
大馬:演出ということで軽く流して…(汗)。
ビスマルク:どうでもいいが、帰りはまた「まっぱ」だぞ(笑)。


■翌朝の伴大馬

GM:場面は次の日の朝、”オレンジ”。大馬は出社する。
大馬:髪型は今までの七三分けとは違って、洗いざらしの無造作ヘアだ。ノーネクタイで第一ボタンは開けている。
GM:では、女性社員たちが「え?やだ。あれ、伴係長?」、「な、なんかワイルドになったというか…」。若手男性社員が大きなあくびをしながら「係ちょー。おはようございま〜す」と挨拶する。
大馬:そいつのケツをバシっと叩いて、おはよう!もう始業時間だぞ。自分のデスクどっかと座る。
ビスマルク:オープニングとは全然別人だな。

GM:部屋のドアが開いて「おはようございます…」と一人の青年が入ってくる。左門だ。「おお、左門君…。元気だったか…」と社員たちが集まって歓迎している。いい会社だね。
大馬:俺はデスクで逞しい笑みを浮かべる。当たり前の平凡な生活を守るのも悪くねえな…。

裏コメント:大馬の、平凡な中年男からタフガイへの変貌はうまく演出できたでしょうか?


■翌朝のビスマルク

GM:「ちょっと、ビスマルク!待ちなさい!!」大声で叫ぶ女性が大型犬アフガンハウンドに引っ張られる形で代々木公園内を走っている。
ビスマルク:俺は昨日と同様に公園内の数箇所で行われている土木工事現場を見回りながら疾走する。
GM:「はあ、はあ、ちょっと…ビスマルク。きゅ、休憩にしようよ」息を切らせて女が言う。
ビスマルク:女の目を見てコクリと頷く。
GM:女はその場にへたり込み、持ってきていたペットボトルをグビグビ飲んで喉を潤す。「あら?この場所、なんか焦げてるわね」女は不思議そうに芝生を見ている。
大馬:あ?オープニングと同じ演出だ。
ビスマルク:大馬と対照的で全然変わってない(笑)。

裏コメント:こういう演出も面白いですね。

ビスマルク:俺は女を無視して人目のつかない木陰に回る。どうやら銀色の体毛があちこちに散らばっている事には気づいていないようだ。
GM:「ビスマルクか。現場の様子はどうだ?」とPHSの相手の声。
ビスマルク:今も異常なしだ。
GM:「そうか、ご苦労だったな」と通話が切られる。
ビスマルク:尻を地面につけ胡坐をかくような格好で終話ボタンを押し青空を見上げる。ヴォージェか…。この先面白くなりそうだな。それにしても…、煙草がすいて〜。

裏コメント:88ちゃんによると、工事現場は第二話以降への伏線とのことです。


■セッションを終えて

ビスマルク:おつかれ!無事に終わったね。
大馬:おつかれさま。

ビスマルク:今回はPC2人の絡みがほとんどなかったからね(笑)。次回はチームで行動しよう。
大馬:今回はお互いのPCがプレイしたいシーンをGMに演出してもらう形式だったからね。2人?のコンビネーションももっと見たいね。

ビスマルク:全然笑いがないんだけど、こんなんでいいのか?
大馬:笑い担当はビスマルクだね。大馬はそんな感じではないからな。まあ、俺のPCだからこの先どうなるかわからないけど(笑)。
ビスマルク:nigaちゃんのおやじキャラの例に漏れず、今後お笑い担当になりそうな予感がするんだが。
大馬:大馬はあまりキャラ崩したくないな〜。

大馬:今回シナリオの個人的な見所は親父狩りのシーンだな。やってみたかったんだよ。念願達成!
ビスマルク:ヤンキーがよかったね。鏡をはじめ、脇を固めるNPCが結構登場したね。今後さらに魅力的なキャラにしたいね。個人的にはペットシッターの女の子が好き。
大馬:俺もあのキャラは気になる。繭の女子高で事件が起きるのも面白いね。紅虎組も絡んでくるのか?

大馬:デモンパラサイトはPC作成から実際のプレイルールもシンプルで遊びやすかった。それでいて奥が深くてさらなる可能性を感じたね。クラシックD&Dを初めて遊んだ時の印象に近かったかも。まだまだやり込みたいね〜。
ビスマルク:いいシステムだよね。今回楽しかったから、ぜひ第二話もやろう。

ビスマルク:新メンバー募集したいね。女性キャラがいると楽しくなりそうだね。タフガイおやじ&冷めた犬はむさいね。
大馬:それこそハードボイルドじゃないか。
ビスマルク:癒されたいよね(笑)。
大馬:新メンバーは是非募集しよう。先着2名様くらいかな。

裏コメント:デモンパラサイトはルールはシンプルでありながら、ダイナミックなプレイができるとても楽しいシステムだと思います。他にもたくさんの共生生物やエネミー(敵)がいます。高レベルになるともっと色々な特殊能力も使えます。今後の展開が非常に楽しみです。



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