第95回 男性のブラジャーの役割とは?

わたしは検索項目の入力が下手らしく、
思ったような検索情報が得られないことが多いから
ネットの検索が苦手です。

最も、粘り強くないことにも起因しているかもしれない。
大抵は検索のトップページくらいで、
それ以降の検索は諦めてしまうか面倒くさくてやめてしまう。
どうしても知りたい情報は熱心にならざるを得ないから、次頁へと進む場合もある。
時にトップページで得られなかったような貴重な情報が、
後方の頁で得られることもあるから、何につけても根気が必要だと感ずる。

さて、今回の項目は<ブラジャー><役割>と入力した。
16万超のサイトのトップにウイキペディアが表示され、
次のように書いてあった。

<ブラジャー(仏語: soutien-gorge, 英語:brassiere)は、
第二次性徴期以降の女性が胸部に着用する下着で、
乳房を支えることが基本目的である。
また補正下着としても使用され、この場合バストの形状を整形すると共に、
形が崩れることを防ぐ目的がある>

これで十分納得したので、他の頁を見る必要はなかった。

その日、わたしは昼のテレビ番組で男性用のブラジャーが売り出されたのを知り、
テレビを見た瞬間「男性が何ゆえに?」と疑問に思ったのである。
ブラジャーの役割について自分の認識に自信が持てなくなり、
検索をかけて確認したのです。

メーカーは、当初160着売りに出したが10日間で完売したという。
気をよくしたのか、ネット上に公開したところ反響を呼び、
すでに600着が売れているとあった。
反響は海外にも及び、ロイターを始め、アメリカ、スペイン、
その他多数の海外メディアからも取材が殺到している模様である。

わたしが「どうして男性がブラジャーをつけなければならないの?」と、
疑問を呈すると、男女同権の諸々と同様に
「男性がブラジャーをしても構わないではないか」と、
反論が予想される。

しかし、ウイキペディアに記述のブラジャーの役割を考えると、
支える乳房のない男性のブラジャーには意味がないことになる。

古くから女性用の下着を男性が趣味で着用することはあるが、
今回の場合は「男性用のブラジャー」というのがミソである。
つまり、女装趣味のような意味合いではなく、
普通の生活で男性が男性用のブラジャーを下着として着用するのである。

(気持ち悪い!)

購入した男性の言い分は「身を引き締められる」とか。
(そんなことで? 代わりに心が崩れて来たようね)

あるいは「女性の気持ちがわかり、同じように優しい気持ちになれる」だって!
(ブラジャーくらいで女性の気持ちがわかってたまるものですか。 
 今の女性は男性よりずっと強いよ!)

男性用のブラジャーなどというものを売り出したメーカーの言い分は
「女性はブラジャーをしているのにどうして男性のものがないのか」
(またここでも男女平等の歪み?)

乳房の房がない男性に、
それを支える目的のブラジャーがなくても当然ではないの?

メーカーの意図は知れている。
話題性を喚起し商売になるものであれば整合性がなくても
そんなこと知ったこっちゃない?
当然のことながら、内外メディアからの取材殺到に気をよくしているはず。

お金になるものなら何でも飛びつくという姿勢。
このようなコンセプトが、今やビジネスの世界を席巻しているように思えます。

男性版ブラジャーならばまだお遊びの範疇で罪はないけれど、
このようなコンセプトの拝金ビジネスが
青少年や社会環境に悪影響を及ぼすものだとしたら笑ってはすまされないが、
今の世間には多く存在するようです。

それにしても男性用のブラジャー愛用者には
医師、弁護士、政治家もいると報じていたから
(やっぱり!)と思ってしまったのはなぜなのかしら。

※ 余談ながら、男性用ブラジャーで話題になった会社がその後倒産したという
  ニュースを読んだ覚えがあります。
  当時、「ショーバイのためならなんでもあり」の姿勢を呆れてこのコラムを
  書きましたので、やはりの感想を持ちました。
  それにしても、当時はマーケティングの専門家の仰々しい分析やら
  いろいろ御託が並んでいました。
  わたしは素人ですが地道な努力を忘れて
  話題性に頼るようなショーバイは一過性であり
  そのときだけ世間に注目されるもの、
  後は見向きもされなくなるだろうと踏んでいたので、
  会社が倒産と聞いてそれなりに納得してしまいました。


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