第205回 生まれ変わっても日本人になりたいですか?

オウチーノ総研が20歳〜69歳の男女1,114人を対象に
「生まれ変わっても日本人になりたいですか?」の設問で調査を実施した。
その結果、8割以上の日本人が「生まれ変わっても日本人になりたい」との
回答を得たと発表したので、興味深かった。

8割の数字を「意外に高い」「もっと低いと思った」か、
或いは「8割だけなの?」と思うか、人それぞれだと思いますが、
わたしは「意外に高かった」と感じた。

日本の現状は希望があるとはお世辞にも言えない閉塞的状況ですが、
それにもかかわらず、国民がまだこの国を見限っていないと、
個人的にはうれしく感じたが、アンケートの詳細を見てみましょう。

「日本人に生まれたい」と86.4%から回答があり、
世代別で見ると、60代が89.7%と最も多く、以下40代、20代、30代、50代と続き、
どの年代も「日本人に生まれ変わりたい」意向は8割を超え、
日本人であることを評価している人が大多数。

(モチロンわたしも。世界中で一番日本が好き! 日本人のDNAも好き!)

その理由について、20代、50代、60代で最も多かった理由は、日本人の「国民性」。
特に50代は4人に1人が「国民性」を理由に挙げ、
30代、40代で多かった理由は「日本・日本人が好き」を挙げている。

30代、40代に多い「日本人が好き」は、日本人のDNAを総合的に肯定した結果であり、
つまり「国民性が好き」であるとも言い変えることができそうですが、
双方に共通するのは、世界から一目置かれている日本人特有の考え方、
生き方に誇りを感じている結果なのでしょうか。

20代の7位には「アニメや漫画」「サブカルチャー」に関する理由がランクインするなど、
他の年代にはない特徴的な結果となったとありますが、
相変わらずアニメは全面方位で強し!

また「平和」を理由を挙げる人も多く、20代、30 代、40代、60代においては
トップ5に入り、50代でも6位にランクイン。

尖閣・竹島問題で周辺国が強硬姿勢を見せ、
緊迫した中でも日本人の「平和意識」は強いと分析していますが、
平和を維持するには「毅然とした態度で臨む」ことが不可欠のようです。
その上で沈着冷静さを保ちつつ相手と渡り合うということでしょうか。

一方的に平和を期待してこちらが腰を折ると、
相手は好都合とばかりに攻めに転ずるのは必定で、
過去の外交の多くの場面で実証済です。
未だに目を覚ませない平和理想主義者たちは、
「こちらが気を遣えば相手も気を遣ってくれるはず」と幻想を抱いているようですが、
日本人同士なら「国民性」として相互理解ができても、
国民性の違う国家間の交渉事はすべてが駆け引きの世界。
日本外交の甘さは世界に知れ渡っていると思いますが、
戦略に欠けたお人好し外交は足元を見透かされて国益を失うだけのようです。

今回、圧倒的に少数派だった「生まれ変わっても日本人になりたいと思わない」を
回答した人の理由で最も多かったのは「閉鎖的」「政治家が弱腰すぎる」などの
「日本に対する不満」、
2番目は「2度目の人生は違う国に住んでみたい」「違う人種になってみたい」、
3番目が「特定の国への憧れ」だった。
中には「体型を気にしなくて済む」「目鼻立ちがはっきりしていて、綺麗」といった、
外見に関する理由を挙げる人もいるようです。

ここでは、やはり金髪碧眼や、絵葉書のようにきれいな国土に対する「憧れ」が
キーワードでしょうか。
若者が髪を黄金に染めるのも、外国の文字が氾濫するのもそのせい? 

AKB48のタレントさんだったと思いますが、
金髪を黒髪に戻したら、「可愛くなった」とかなり反響があったようです。
神様が総合芸術でこしらえた日本人の黒髪を勝手に金髪に差し替えたら、
不調和が生じるのは必然でしょう。
AKB48のタレントさんへの反響は、若者の本音を映し出しているような気がしました。

女性の肌だって欧米人に比べたら、そりゃきれいなものですから、
中年になっても若さをそれなりに保っていることができますが、
自分の持ち物の良さは気がつかなくて、隣りの芝生に目がいくのは
いつの世も人間のサガ?

最後に「生まれ変わったら何人(なにじん)になりたいですか?」
との問いに寄せられた回答は「アメリカ人 25.0%」
次いで「イギリス人 7.2%」「イタリア人 6.6%」
「フランス人」「オーストラリア人」ともに5.3%が選ばれたようですが、
観光人気のランキングと重なるところもあるのが、ご愛嬌。

老婆心ながら、甘すぎる日本社会にどっぷり浸かった身が、
完璧なる自己責任と強固な自己主張の国に生まれ変わるのは、
ちとシンドイのが過ぎるような気もしますが・・・


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