遺産分割協議

遺産分割のおはなし

 今回は、遺産分割のおはなしをしましょう。遺産分割とは、誰かが亡くなり(亡くなった人のこ
とを被相続人といいます)相続が開始され、その亡くなった人(被相続人)の財産を相続人(例
えば、亡くなった人の配偶者、子など)で分けることいいます。
誰もが一生のうち多分、一度は経験することです。知っていて損はないおはなしです。

1.遺産分割って?

(1)遺産分割とは
  遺産分割とは、相続人が複数いる場合に相続財産(遺産)を各相続人のもの(所有)にする
 ということです。法的に言うと、相続財産はいったん相続人全員の共有財産になります。それ
 を遺産分割手続によって各相続人に分けるのです。

(2)いつ、するの?
  遺産分割はいつまでにしないといけない、ということはありませんが、相続税の申告期限が
 相続開始日(亡くなった日)から10ヶ月と定められていることから各種の税法上の控除を受 
 けようと思うと、その期間内に行うのが望ましいといえます。
  また、遺産分割をせず、放っておくと相続人が次々と増えたり(代襲相続)、相続人の居所
 がわからなくなったりして、困難になることがありますので、早めにしてしまいましょう。

(3)遺産分割の方法は?
  遺産分割の方法は、相続人が協議してそれぞれの相続財産を誰が相続するかを決定し、
 それを遺産分割協議書に記載して行います。また、その分割の方法は、現物分割(個々の 
 遺産を現物として分けること)、換価分割(現物分割ができないときにそれを売却したりしてお
 金に換えてそれを分割すること)、代償分割(うまく現物では分割できないが現物を残してお 
 きたいとき、その不足分を現金等で他の相続人にお金で支払うこと)があります。

2.遺産分割するとき注意すること

(1)対象の財産を確定する
  よく、見受けられる遺産分割協議書の間違いに(あながち間違いとは言えませんが)相続 
 財産として不動産(土地、家屋)しか書いてないものがあります。相続財産といえば、すぐ思 
 いつくのが土地、家屋なのでそうなるのも仕方がありませんが、これでは、不動産以外の相 
 続財産の分割ができません。 
  相続財産というのは、不動産のほかにも現金、預貯金、株券、自動車、知的財産、損害賠
 償請求権など多岐にわたります。きちんと、相続財産を調査した上で分割協議をしないと二 
 度手間三度手間になることになります。しかし、いくら調査しても探し漏れのある相続財産が
 あります。そういったものの手当ても考えておいたほうがいいでしょうね。

(2)相続人の確定をする
  次に必要なことは、相続人の確定です。
 「そんなん、例えば、父親が亡くなって妻と子供がいる場合は、妻と子供だけじゃん。」と言わ
 れるかもしれませんが、中には隠し子(家族が知らないうちに認知している子)がいたりする 
 かもしれません。また、子供が先に亡くなっていた場合は、その子(つまり孫)が代襲相続しま
 す。そうするとけっこうな人数になるかもしれませんね。その相続人をもれなく探さなければい
 けません。探し方は、被相続人の戸籍から探していきます。
  もしかしたら、その過程で行方不明の相続人とか相続欠格者や廃除された方がおられるか
 もしれません。要注意です。そうそう、もうひとつ注意を要するのは相続人の中に胎児(まだ 
 生まれていない子)がいる場合です。この場合は、胎児は生まれたものとみなされるので、相
 続権が発生します。相続人にカウントされるのです。

3.財産別相続手続のやり方

(1)不動産
  遺産分割協議書によって、その不動産を誰が相続するかを決めて、それを法務局で登記 
 します。ここで、時々相談があるのが、「農地は非農家でも相続できるのか?」ということで 
 す。農地は農地法により農家でないと取得できないことになっていますが、相続では非農家 
 でも相続できるのです。

(2)預貯金
  預貯金については、判例では「金銭債権は、相続開始とともに法律上当然分割される」とあ
ります。つまり、分割協議によらなくてもその法定相続分により、その払戻しをすることができる
のです。しかし、実務上は、金融機関が決して払戻ししてくれませんから、金融機関の要求され
る書類に必要書類を添付して払戻し請求を行うことになります。
(3)現金
  現金については、預貯金と違い、当然には分割できません。分割協議書によって分けるこ
 とになります。

(4)株券
  株券も現金と同じように考えられます。分割協議をします。そして、その会社のやり方に基
 づいて名義変更を行います。

(5)ゴルフ会員権
  その会員権の会則によりますので、会則をご覧下さい。もし、会則で相続を否定している場
 合は、相続ができず、預託金の返還請求権が残るだけです。

(6)生命保険
  これは、よく勘違いされますが、相続財産ではありません。受取人(指定されていてもいなく
 ても)固有の権利ですから。

  できるだけ遺産分割協議は1回で済ませられるように要領よく、注意して行いましょう。遺産
分割は力のいる作業です。折角、相続人全員の印鑑もらったのに、また、もらわないといけな
い、というふうなことにならないようにしましょうね。



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