成年後見制度について

成年後見制度知ってますか?
痴呆症の方、知的障害のある方、精神障害のある方など判断能力の不十
分な方々を保護し支援する制度です
1.法定後見制度は軽度の精神上の障害のある方にも対応した制度です
2.適任者の選任が可能です
3.任意後見制度は自己決定と本人の保護を重視した制度です

○かめさん、かめさんや。
―なんじゃ、とめさんか、どうしたんなあ。
○とうとう、トミーさんが痴呆になったそうですわ。息子さんのマコトさんがどねえしょう、どねえし
ょうゆうて騒いどりましたで。
―へえー、あのトミーさんが?まだ、私らよりだいぶお若いのに。じゃけど、マコトさん、成年後
見制度ゆうのがあるの知らんのんかなあ。
○何ですか?その成年後見制度というのは。
―はいな、それはつまり、痴呆症の方や知的障害、精神障害のある方やこうの判断能力の不
十分な方々は、財産管理や身上看護の契約や遺産分割などの法律行為をすることが難しか
ったり、悪質商法などの被害に遭う恐れがあるじゃろ。そねえな判断能力の不十分な方々を保
護し支援するんが成年後見制度なんじゃ。従来の禁治産、準禁治産の制度に代わるものなん
じゃ。トミーさんの場合も、息子のマコトさんが家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選任すり
ゃあえんじゃ。
○ああ、ええとこにマコトさんが来ました。マコトさん、こっちいおいで。
□こんにちは、とめさん、かめさん。うちの父が大変なことになってしもうたんです。
○今、そのことで、二人で話しょったとこじゃ。かめさん、も一度説明しちゃって下さい。
―(成年後見制度の説明をしたあと)、せえで、痴呆の程度はどんなんですか?程度によって
「成年後見」「保佐」「補助」の3つの制度があるんですよ。
□具体的にはどんなんでしょう?
―まず、「補助」っていうのは、軽い痴呆などで判断能力が不十分な方のためのものなんで
す。軽い痴呆の人は、必要のない商品を買うたり大切な財産を売ってしもうたりするおそれが
あります。そねえなときに本人の同意の下で家庭裁判所に「補助人」という人をつけてもろう
て、特定の法律行為について同意権を与えてもらうんです。そうして、本人が予め補助人の同
意なしに特定の法律行為を行った場合は、これを取消すことができるんです。また、ある一定
の範囲内で代理権も与えることができます。
 次に「保佐」ゆうのは、痴呆などのため判断能力が著しく不十分な方のためのものなんです。
こんな人は、法律行為をすることは不可能じゃないんじゃけど、金銭の貸し借りなど重要な法
律行為を単独でしていると大切な財産がのうなってしまうおそれがあります。そこで、家庭裁判
所に「保佐人」をつけてもらうて重要な法律行為に同意権を与えてもらうんです。そうして、本人
が予め保佐人の同意なしに重要な法律行為を行った場合は、これを取消すことができるんで
す。また、ある一定の範囲内で代理権も与えることはできます。
 最後に「成年後見」。これはな、痴呆などのために判断能力が常に欠けている状態の方のた
めのものです。こんな人は自分じゃあほとんど何もできません。じゃけど、療養看護を受けるた
めには介護サービス利用契約などの必要な法律行為をせにゃあいけません。そこで、家庭裁
判所に「成年後見人」という人をつけてもろうてその人に包括的な代理権を与えて本人に代わ
って必要な法律行為を行ってもらうんですよ。
□へええ、ようわかりました。ところで、特定の法律行為とか重要な法律行為ゆうんは、具体的
にはどんなのですか?
―特定の法律行為ゆうのは、民法12条1項の所定の行為の中で、例えば、借金することとか
不動産やその他の重要な財産に関する権利を得ることや失うことやこうのことで、申立のとき
に決めたものなんです。また、重要な法律行為ゆうのは、民法12条1項の所定の行為をい
い、更に請求によりこれ以外にも項目を追加することができます。
□それから、その申立はどうすりゃあえんですか?
―本人の住所を管轄する家庭裁判所に申したてりゃあええです。申立できる人は決まっとっ
て、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、検察官、市町村長などです。
□ありがとうございます。帰って父とそのへんをよう話してみようと思います。ひどい痴呆じゃあ
ないんで。ありがとうございました。
○しかし、なんですな。子どもが近くにおるいうことはええことですな。私ら姉妹、ほかにゃあ、
身内もおりゃあしません。私らあどねえなるんでしょう。
―心配するでない、かめさん。本人が判断能力が十分なうちに将来に備えて、自分が痴呆症
や知的障害、精神障害になった場合に自分の選んだ人に財産管理や身上看護の事務につい
て代理権を与えるという「任意後見制度」ゆうのがある。任意後見契約ゆう契約を結んどくんじ
ゃ。
○ほう、予めそういう場合に備えて契約しとくんですか。じゃけど、私らの場合、一体誰に頼み
ゃあえんですかな?
―後見人には誰でもなれるし、複数でも選任できるんじゃ。例えば、介護関係は、介護福祉
士、契約関係は行政書士や弁護士、年金関係は社会保険労務士、土地関係は司法書士、と
それぞれの専門家を選任すりゃあえんじゃ。本人が契約で自分の受ける保護のあり方を決め
るんじゃ。それで、私らが痴呆になって、常に判断能力が不十分な状態になったときに、契約
の効力が発生する仕組みなんじゃ。
○ほう、ところで、補助にしても後見にしても、そねえな手続したら戸籍に残るんじゃないんです
か?
―いや、戸籍には何も記載せん。それに代えて、成年後見人などの権限や任意後見契約の
内容などを登記して公示する成年後見登記制度があるんじゃ。東京の法務局に登記されて、
本人や後見人、親族などしかこの情報は請求できんからプライバシーの保護にも考慮されて
おる。
○ほんなら、これで、安心じゃけど、どこへそんな相談すりゃあえんかな?
―それなら、社会福祉協議会や家庭裁判所、身近なまちの法律家である行政書士事務所に
どうぞ。


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