ちさの木(エゴノキ)

 息の緒(を)に 思へるわれを 山ぢさの 花にか君が 移ろひぬらむ
               
                              作者不詳  巻7‐1360

命をかけてあなたのことを思っている私なのに、あのしぼみやすい山ぢさの花の

ように、あなたはもう気が変わってしまったのでしょうか。

              男の心変わりを非難する女の歌

息の緒(を) 命の極限状態を表す言葉。 初夏に小枝の先に五弁の白い花が、

下向きにびっしりと付き、樹木が白く見えます。落花すると木の下は星形の雪を

敷き詰めたように美しい。花が散ったあとは、ラクビーボールの形をした白緑色

の小さな美がびっしりと付きます。果実の皮は、その名のとおりエグ味があります

果実は、山雀(やまがら)が好んでたべます。  

巻6‐10  トップページ