崇峻天皇陵より遙か二上山を望む


うつそみの 人なる我や 明日よりは 二上山を 弟背(いろせ)とわが見む

大津皇子
の屍(かばね)を葛城の二上山に移し葬(はふ)る時に、大伯皇女(おおくのみこ)の哀傷して作らす歌

皇子はもういない。私一人になってしまった。死んでしまった弟が生きて帰ってくる
わけでもありませんがあまりにも可哀想です。明日からはあの二上山を弟と思って
眺めしょう。

二上山は二つの山があり、そのまん中にお彼岸の中日に落日が入る入日落日を収める山です。大伯皇女は大和に帰って来るまで伊勢の斎宮としてお仕えする身であ
りました。その近くには二見ヶ浦があり二つの岩はまるで二上山のようで、そのまん中から太陽が昇る、神聖な場所でした。その「
」の神に仕えた大伯皇女は今度は落日を収める二上山を思い出深く見つめ、もしかしたら落日は大津皇子だったかもしれません。この落日は光り輝いています。そういう落日を見ながら、大津の亡き後をすごしたのでしょう。

二上山の夕映えはいつ見ても何故か悲しい美しさをおぼえます。この時代のドラマに思いを寄せるとその情景をいかに一枚のフイルムにすくい取り撮し込むことが出来るか終わりのないテーマです

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