伎波都久(きはつく)の 丘の茎韮(くくらみ) われ摘めど 籠にも満たなふ 背など摘まさね
                                       
                                        巻14‐3444 作者不詳

伎波都久の丘のくくらみ、私ひとりで摘んでいても、なかなか一杯にならんないわ.ああ〃

そしたら、あなたのいい人と一緒に摘みなさいな.

伎波都久は茨城の地名だったようです.茎韮はニラのことです.ニラを摘んでいるが、いくら

摘んでも籠に一杯にならないと嘆く.みんなが、好きな人と一緒に摘みなさいと言う.ニラが

一杯にならない、つまり恋いがうまくいかない、と嘆いている歌です.


万葉歌でニラを歌った歌はこの歌一首のみかと思っています.ニラは、ユリ科、ネギ属の多年

草で、ニンニク、ネギ、ラッキヨなどと同じ仲間です。日本にも野生のニラが見られますが、本

来、自生していたのか、古代に伝来してきたニラが野生化したものか、ハッキリしていません.

しかし「韮崎」「韮山」など各地に地名が残っていることから古くから親しまれてきたのでしょう.

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くくらみ ニラの花