明日香村 平田峠より

  飛ぶ鳥の 明日香の里を 置きて去(い)なば 君が辺りは 見えずかもあらむ 

藤原宮から寧楽に都を遷された時の歌で天皇は元明天皇である。古い都から新しい都

に遷ることは天皇にとっては感慨深く明日香から藤原京に遷る場合などは近い距離であ

るが藤原京から平城京への遷る場合は距離もあり、それだけ御輿を止めて感慨の情、

切ないものがあられたでしょうか。君が辺りの「君」とはすなわち、亡き夫、草壁。刃折れ、

矢尽きて藤原京を出発せざるを得ない元明さまの、愛する夫の墓陵への万感をこめた

別れの歌です。明日香の里を離れて北の方の寧楽の都へ去って行くが、行ってしまった

ならば懐かしい君の住むあたりはもはや見えないことだろうな!!                             

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