ドキュメント!スイカの皮を剥ぐ

 えー、タイトルの由来は映画”地球の皮を剥ぐ”からとらせていただいたものなんですが(ほんとにそういう題名の映画があるんだってばっっ!→ こちら)、”地球の皮を剥ぐ”が残酷系(とこのサイトには書いてありますね)ドキュメンタリーなのに対して、 今回のあたしの読み物は、”なつきのC級グルメ大百科”に続く”食べ物系お笑いドキュメンタリー”の第2弾です。

 そもそもの始まりは、4年ほど前にあたしの職場のとなりの部署にいたハヤシさんが、何かの飲み会でご一緒した時にふと何気なく口にした一言だった。
「いやあ〜オレ、実は前々からスイカの皮をむいて赤い球体にするってのが夢だったんだよな〜。」  そして、さらに続けて、
「それで、ネット仲間にメールで片っ端から尋ねてみたんだけど、”紅小玉スイカなら可能なんじゃないか?”って返事が来たから、今度実験してみようと思ってるんだよな〜。」
 で、あたしはそれを聞き
「え〜今度っていつですか?ほんとに”スイカの皮むき”やったらその時は証拠写真撮って見せてくださいね。」
とハヤシさんに半ば強引に約束させたのだが、その後彼とは一度も顔を合わせることなく、それどころかその年の年度末をもってハヤシさんは退職してしまい、結局その”スイカの皮むき” がどうなったのかは聞けずじまいだった−

 あれから4年が経った今、あの時と同じく今年はオリンピックイヤーということで、オリンピックにちなみ、あの時ハヤシさんが口にした”スイカの皮むき”を今回あたしが実践してみようと いうことになりました(別にオリンピックとスイカの皮むきは関係ない)。ちょうどこの時は親が旅行に行っていて家にはあたし一人だったし、鬼のいぬ間にナントカってやつである。


 まず、スイカを購入してきます。今回用意しますのは富良野の農家、谷本さんが生産した紅小玉スイカです。


          






































 紅小玉というくらいですから結構サイズが小さいスイカなのですが、これだけじゃ何だかわからないと思うので、比較のための写真を載せます。










































          

         こんな感じです。あたしのカオがでかいんじゃなくて(笑)スイカが小さいんです。



          

             てなわけで、記念すべき”初ナイフ入れ”です。

















































          

 ”初ナイフ入れ”をした直後のスイカの断面図です。思ったよりも皮が薄かったので、これは予想以上に手こずらずに皮むきができるかもしれないと思いました。

















































          

           さらに皮むきが進み、半分までむき終わったところです。




 後半戦に入ります。













          

             さらに皮むきはどんどん進んで・・・・・・・














































で、できたあああ!!皮なしスイカの完成だああ!!














































 華麗なる赤い球体













































          

 できあがったスイカとあたしで記念撮影です。ひと仕事終えました〜って感じのこの笑顔が素敵でしょ(笑)。













































 というわけで晴れて無事に皮むきが終わったわけなんですが、ここで問題がひとつ。

あたし、実はスイカ嫌いなんだよね。

 なんでって人もいるかもしれないけど、ニオイがだめなのよ。瓜科植物に共通する、あの青臭いニオイが。あたし中学のときブラスバンドやってたんだけど、そのブラスバンド部には 部員の父母で構成される後援会というか、父母の会みたいのがあったんだよね。で、夏休みに学校出てきて練習してるとその父母の会の皆さんが差し入れと称してドリンク類やお菓子を 持って来てくれてたんだけど、時期柄もちろんスイカもそれら差し入れの中にあったんだよね。で、他の部員のみんなが喜んでスイカを口にする中、あたしだけは
「スイカはだめなんです。」
といって、頑として口を付けようとしなかったもん。けど、それでもお母さん方が
「でもせっかくの季節限定モノなんだから、少しだけでも口にしなさいな。」
とすすめるもんだから
「じゃあ、少しだけ・・・・」
といただくことになったんだけど、ここから先がまた茨の道だったんだよね。お母さん方は、スイカを他のみんなが食べてる大きさの半分に切り、
「これでどう?」
とあたしに見せるんだけど、あたしは
「いえ、そんなに食べません。」
と言ってノーサイン。で、さらに半分に切り、
「これは?」
と再び問いかけても、あたしは
「まだ多すぎます。」
ときっぱり。そうしてどんどんスイカは小さくなっていき、最後、お母さん方が
「こんなに小さくていいの?」
と”え〜何で?”みたいな感じで尋ね、それに対してあたしが
「ええ。これくらいでいいですー。」
と、ようやくGoサインを出したとき、スイカは最初の16分の1の大きさのスティックスイカになっていた。それくらいスイカが苦手なんだよねあたし。
 それなのに、切っても自分では食べないスイカなんか買ってきちゃってどうしましょうあたしったら。


 まあ、このスイカは結局は2泊3日の旅行から帰ってきた両親が大喜びで食べてくれることとなったのでいいと言えばいいのですが、でも、冷蔵庫を開けた時はさすがに母親も ビックリしてましたね。
母親「・・・・あんた、何この物体?」
あたし「スイカ・・・・・・・」
 目が点になっている母親と思わず肩をすくめるあたしなのでありました。でも、それだけでは飽き足らずさらに追い討ちをかけるできごとがこの翌日に発生するのです。



 妹が”彼氏”を連れて来たんです。しかも彼氏クンはスーツ着て正装して日本酒一升瓶持参。
で、
「お宅のミヅキさん(妹の名前)を私にください。」
と彼氏クンはのたまって頭をさげ、しばらく沈黙ののちうちの両親は
「ミヅキを幸せにしてくれるのなら・・・」
と言って許可を出し、あとはみんなで和やかにお食事会となったのだが、最後にデザートとして出たのがこの皮なしスイカであった。それも、小さくカット 切りで出るならまだしも、このときはよりによって、よくある普通の半月切りにして出していた。それはマズイだろう!それじゃあたしんちがスイカをいっつも こうして食べてると思われるじゃないか!


 まあ、何はともあれあたしを抜かした残り4人でこの”皮なしスイカ”を食べはじめたわけなんですが・・・・・
 しばらく無言で黙々とスイカをほおばると、やがて父がぼそっと口にした。
「これって・・・・皮のことを考えずに最後まで残さず食べてもいいんだよな。でも何か、変な気分だなあ。」
すると母も続けた。
「今年は暑かったせいか例年に比べると甘味は強くておいしいし、確かに味はスイカなんだけど・・・・・けど何だか違和感を感じるわねえ。」
ここで妹があたしに言う。
「ねえ、これってお姉ちゃんが切ったんだよね?」
「そうだよ。」
「ということは、冷蔵庫を開けるとこの赤い球体がごろんって入ってたの?」
すると母はひときわ甲高い声で
「そうよーお。最初冷蔵庫開けた時は何かと思ってびっくりして、思わずナツキに聞いちゃったわよ。」
ここで妹の彼氏クンがひとこと。
「冷蔵庫を開けてこれが入ってたらコワイですよ〜結構。」

−あたしを除く家族みんなで大爆笑。あたしは申し訳なさそうに苦笑いを浮かべて頭をぽりぽりかいた。そして、母は続けた。
「ナツキはご覧のとおり発想が結構常人離れしてますし、ミヅキもある意味姉に似たところはありますけれども、でも、ただそれだけで他は全部普通ですから、ご心配はなさらないでくださいね。 どうぞ今後末永くミヅキとうちの一家をよろしくお願いいたします。」
 なんて言い草だい(笑)。でもたしかにほんと、こんな義理の姉でごめんね彼氏クン。


 それにしても、食べ物ってやっぱりある程度はビジュアルも大事なのね・・・・・・


 あ、ちなみにこの”スイカの皮むき”なんですけど、紅小玉スイカに対抗して黄小玉スイカで 皮むきやってくださる方、大募集中です。黄小玉スイカの皮むきをなさった方はどうぞ証拠写真やコメントををどしどし 管理人のメルアドまでお送りくださいませ。お待ちしておりま〜す。