三月三十一日
歳重

　年度末
　昔の暦のように
　明日、社会が一つ歳を得る

三月三十日
色滴

　いい絵が描けると
　嬉しい
　もっともっと、欲しくなる

三月二十九日
水明

　緋メダカ
　ちらちら
　水灯り

三月二十八日
春開

　今年も庭に力がある
　水仙、琵琶にチューリップ
　花も実も、ぐいぐいと

三月二十七日
歳忘

　日記を書こうとして
　誕生日だと気づく
　忘れてるって年とったなぁ

三月二十六日
淡観

　雲があると淡い光
　視線が素直に向かうよう
　見えないものが目に入る

三月二十五日
色満

　自分の色にはっとする
　一番にそういう体験ができる
　幸せなことだと思う

三月二十四日
命生

　楽して儲けるのは難しそうでも
　楽に生きるはなんだかできそう
　心がどうあるかってことかなぁ

三月二十三日
繰劇

　今年も三寒四温
　寒温の綱引き
　風の綱印

三月二十二日
老車

　うちの車
　車検に向かう
　もうしばらく、よろしくね

三月二十一日
変存

　変わらないものはない
　変わらないものを求めるのは
　きっと違う

三月二十日
流収

　目の前のことを
　するすると進める
　今はそれでいいと思う

三月十九日
時渡

　久々に帰ると
　庭には花や葉が目立つ
　そっと時を飛び越えた

三月二日
改踊

　久々の遠出
　何をするんだっけと右左
　新鮮で、どきどきする

　佐賀と福岡に行きますよ

三月一日
自成

　やるべきこともやれないことも
　ホントはなくて
　あるのはきっとやりたいこと