川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

四月三十日 
 緩暖

 暖かい
 とろりと眠くなる
 空気の中にとけている、とろりと

 明日から名古屋・姫路といってきます

四月二十九日 
 空泳

 昨日の夜、ばだばだと雨が降った
 大きな雨粒
 地につくまでに、その中に何かが泳いでいるよう

四月二十八日 
 不知

 雀が垂直の壁にとまっていた
 始めて見るものというのはたくさんあるものだ
 雀の視線は、壁に何を見ているんだろう

四月二十六日 
 流水

 鯉のぼりが鯉なら、風は流れで
 風が流れなら、空気は水で
 流れる、流れる

四月二十四日 
 自己

 藤が咲いている
 色も、香りも、藤が藤であることを語る
 存在するという、強さ

四月二十三日 
 転地

 はがきの写真を撮る
 取っている間に、影がぐいぐいと動く
 まわるまわる、大地

四月二十二日 
 裂色

 隣の檸檬の木のつぼみが、ほんのりと白い
 開く直前のつぼみは、花と芽の色の中間の色
 一瞬の、不思議な色

四月十六日 
 春夏

 ぽかりぽかりと日の光
 春と夏が混ざってくる
 ゆらぐゆらぐ

 今日から山形方面に向かいます

四月十四日 
 無有

 肩の筋を伸ばす
 痛みが出ると、健康ってありがたいんだな、とつくづく
 いろんなことに、感謝と謝罪を

四月十三日 
 笑輪

 友達の結婚式があった
 みんなうれしそうだった
 よきこと

四月十日 
 赤黄

 富士山が赤黄色い
 黄砂が飛んでいるとか何とか
 どんな小さなものにも、色というものがあるものだ

四月九日 
 波影

 橋の上から河を見る
 とうとうと流れてみたり、とろとろと吹かれてみたり
 影が映る、揺らめく影絵

四月八日 
 柔葉

 壁を伝う葉の色が淡い
 新緑
 柔らかな雰囲気、いろんな形にしてみたくなる

四月七日 
 光花

 桜並木の間を自転車で走る
 桜の花が、光を映す
 いつもより、世界が輝いて見える

四月六日 
 真新

 ランドセルや制服が、桜の下を進んでいく
 入学式だろう
 何を見て、何をするのか、その心も、体も

四月三日 
 花霞

 桜の木がヘッドライトに浮かび上がる
 流れる花は、夜の霞
 春が流れていく

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