川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

三月十九日 
求命

 お堀端に桜
 まだ花のないその枝は、水面に向かって大きく伸びている
 水を求めるようなその伸びは、生きている形

 明日から伊豆です

三月十七日 
暖開

 暖かい
 桜はもう開きそうな陽気
 さて、もうすぐ伊豆です

三月十六日 
空河

 空は薄藍、川は碧緑
 春の色が流れていく
 春の、あお  

三月十三日 
迷送

  十日ほど前に個展のお礼状を郵送した
 が、届いてない雰囲気
 個展にいらした方、届いていますか?

三月十二日 
 時刻

 実家から送られてきた荷物に、水仙と菜の花が入っていた
 春の便り、とのこと
 野にあるもの、山にあるもの、海にあるもの、時を刻むもの

三月十日 
 映囁

 近所の畑に、にょきにょきとつくしが生えていた
 こんにちは、と言っているような感じ
 つくしの声か、春の声か、こんにちは

三月九日 
 歩道

 駒ヶ根クラフト落選
 そういうことがあるとわかっていても、ちょいとへこむ
 ま、きっと行かないことで、何か縁があるのだろう

三月八日 
 味憶

 清水に行ったついでに、住んでいたころによくいった和菓子屋にいった
 相変わらず美味かった
 記憶というのは、いろんなところで覚えているのだろう

三月六日 
 循環

 雨がぱたぱた、さらさら
 表の河は、とろとろと流れていく
 この水が、くるりと回って戻ってくるのは、いつだろう、と思う

三月四日 
 行来

 こちらは少し寒いくらい
 雪も降っているところも多分にあるという
 今は三寒、うろうろしながらもうすぐ四温が来るのだろう

三月三日 
 水春

 今日は金魚の日だとラジオで言っていた
 うちの金ちゃんは、しっぽをひらひらさせて泳ぐ
 水の中に、早めの花が咲いたよう

三月二日 
 暖波

 久しぶりの晴れ
 ぽかぽかと赤外線の波がよせてくる
 見えなくっても、感じられる

三月一日 
 心持

 大根の花が咲いていた
 白い花に、ほんの少しピンクの縁取り
 大根にも花がある、いつも見えなくても、可憐な花が

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